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検察・警察はいつまで安倍政権への「忖度捜査」を続けるのか 国民はもう、嫌気がさしている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52209
2017.07.06 伊藤 博敏 ジャーナリスト 現代ビジネス
■「監視する存在」のはずなのに…
都議選史上、例のない自民党大敗北だった。
「風」によって結果が変わるのが昨今の選挙事情だが、公明党と並び、共産党にも追い上げられての23議席は、都民の安倍晋三政権への怒りの表明であり、国民感情もまったく同じだろう。
人は、「舐められた」と感じたら怒りを抱き、その屈辱感は忘れない。国会で繰り返された安倍首相らの傲慢な態度と官僚らの誠意の欠片もない答弁、そして共謀罪などの強行採決に国民は呆れ、その右代表として都民は「反自民」を選択した。
安倍政権をここまで思い上がらせたのは、「官邸の力」である。首相秘書官や官房長官以下のスタッフを、忠誠心を持つ“仲間”で固めたうえに、内閣人事局の持つ人事権で「霞ヶ関」を支配した。さらに検察・警察を牛耳ることで、“身内”には恩を売り、逆らったものには容赦なく対処した。
その官邸と検察・警察の力関係を見せつけたのが、今年に入って始まった森友学園、加計学園、安倍氏が最も信頼するジャーナリストである山口敬之氏の準強姦事件だった。いずれも検察・警察が、官邸に忖度して処理した。
検察・警察といった捜査権力と国税などの調査機関は、国民にとって怖い存在である。嫌疑をかけられて冷静でいられる人間はない。その怖さを知っているから、国民は公訴権を持つことで捜査・調査機関の上位に位置する検察に、政治家や官僚といった国民の税金で生かされなから権力を握る人間たちを「監視する存在」であって欲しいと願う。
だが、7年前の大阪地検事件以降、検察はその役割を放棄、ことに第二次安倍政権となって官邸の力が強まってからは、他の省庁同様、官邸を忖度する存在となった。
「法務・検察」のなかには、「赤レンガ派」と呼ばれる法務省のなかで出世を重ねるエリート集団と、地検特捜部などにいてコツコツと捜査力を磨く「現場派」が存在する。
「現場派のなかには、今も権力の監視役でいたいという意欲を持つ検事が少なくない」(司法記者)というものの、検察総体は政権との摩擦を望まず、それどころか起訴のハードルを上げ、警察、国税、公正取引委員会、証券取引等監視委員会などの捜査・調査機関の案件に消極的だ。
それが「永田町」の気の緩みを生み、政治家を甘やかす。国民にはその構図が読めるのであり、それが政権批判にもつながった。
森友学園の籠池泰典前理事長は、大阪地検特捜部の家宅捜索をテレビカメラを家に入れて出迎えたり、返済用の100万円を持って安倍昭恵夫人経営の居酒屋に出かけたり、都議選最終日の安倍首相の街頭演説に乱入したりと、最近、パフォーマンスに走り過ぎるきらいはあるが、「忖度捜査」を世に知らしめた効果は大きかった。
「昭恵夫人からの100万円寄付」を、口にした途端、それまで「民間人だから」と、国会招致を渋っていたのに、「偽証罪逮捕もありうる」と、証人喚問に切り替えた。
検察は官邸の意向を受けて、籠池氏を被告発人とする刑事告発が出されると、即時といっていいタイミングで受理して捜査宣言。「国有地を8億円安く払い下げた」という財務官僚を被告発人とする告発状も受理しているが、こちらは捜査する素振りが見えない。
■まるでブラックジョーク
7月10日(月曜日)の週が逮捕と目されている籠池氏は、泥臭くもドタバタ騒ぎを演じることで安倍政権の非をなじっており、国民のなかには、籠池氏の気持ちを理解する人も少なくない。
なにより国民は、検察捜査に裏切られ続けた。公選法違反や政治資金規正法違反で政治家に対する告発が相次ぐが、起訴に至ることはない。
医療法人徳洲会から5000万円を受け取った猪瀬直樹氏は略式起訴の罰金刑で、資産家から8億円を借りた渡辺喜美氏は不起訴。全国の任意団体「博友会」が、政治資金を集めていた下村博文氏は不起訴で終わり、「秘書はあっせん収賄確実」といわれた甘利明氏のUR都市機構に対する口利き事件は、甘利氏も秘書も不起訴処分だった。
どの政治家も何事もなかったかのように復帰。「不起訴」を利用して潔白を訴える。都議選終盤に発覚した「下村元文科相の加計学園からの200万円ヤミ献金疑惑」がそうである。
200万円は11の個人及び企業、がいずれも1社(者)20万円以下でパーティ券を購入してくれたもの。加計学園となっているのはまとめて持ってきたのが加計学園の秘書室長だったから――。
こんな子供だましの説明で逃れられると思っているのは、「このパーティ券を含めた捜査の結果、不起訴となっておりますので、間違いはないものと思っております」(記者会見での下村氏の説明)と、検察の“お墨付き”を得ていることが大きい。
しばらく鳴りを潜めていた甘利氏も麻生太郎財務相の派閥に加わったことで、「安倍首相の側近」の立場を取り戻そうとしている。
次の内閣改造で「菅義偉官房長官の後任候補」(官邸キャップ)という声もあるが、検察の官邸への配慮によって救われた政治家が、官邸の“主”となって戻ってくるなど、ブラックジョークでしかない。
検察審査会にレイプ被害者の詩織さん(姓は非公表)が審査を申し立てた問題は、警視庁刑事部長の要職にあった中村格・現警察庁組対部長が、「(山口氏の逮捕を)見送らせた」ことを明らかにしている。
警察出身の杉田和博官房副長官―北村滋内閣情報官―中村刑事部長のラインで忖度捜査が行われた疑いは残るが、山口氏は「私は不起訴です」と、被疑者にも容疑者にもならなかった自らの立場を説明している。
「安倍一強」の傲慢さを思い知った都民=国民が鉄槌を下したのが今回の都議選なら、官邸は変わらざるを得ない。その時、検察は国民の期待に応えるべく、官邸との距離を置き、かつての独立独歩の気概を取り戻すことができるのか。
今の官邸の下手につく検察のままなら、公訴権で従える警察や国税などを含めて、国民の付託には応えられない。
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