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菅官房長官は、加計問題の黒幕として「生け贄」にされるのか 嗚呼、これまで政権を支えてきたのに…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52103
2017.06.28 週刊現代 :現代ビジネス
6歳も年下の安倍首相をずっと支えてきた。それなのに、たった一度の失敗で責め立てられ、支持率の低下まで自分のせいにされた。やってられるか、それが決して口にはできない「本心」のようだ。
美人記者の質問に怒り心頭
「6月8日の会見の後、菅(義偉)官房長官はカンカンに怒っていたようです。通常会見後は菅さんの囲み取材があるのですが、その日は囲みをやらずに直接、執務室に駆け込んでしまった。
私は翌週も会見に行きましたが、さすがの菅さんも疲れているような感じでしたね。これは私の想像ですが、『あんなみっともない会見をして』と周りから色々言われたんじゃないでしょうか」
こう語るのは東京新聞社会部の望月衣塑子記者。加計学園問題などに関して執拗に質問をくり返し、菅氏を容赦なく問い詰める場面はテレビのニュースでも報道され、話題になった。
通常、官房長官の会見は番記者たちによる「お行儀のよい」予定調和な質問が続くのだが、8日は望月氏ら社会部記者が「乱入」したため勝手が違った。
何度質問を受け流しても食い下がる望月氏に、菅氏は苛立ちを隠しきれず、苦虫を噛みつぶすような笑みを浮かべた。
「会見場に社会部記者が入ることで不協和音が生まれました。私の質問は長くてしつこいので、官邸記者からすると『あまりに非常識』。
でも私は国民が本当に聞きたいと思っていることを正面からぶつけただけです。菅さんは、私のような記者は初めてだから面食らったと思いますが……」
結果、翌9日には安倍首相の指示で問題文書の再調査が決定し、15日の午後には文科省が調査結果を発表するに至った。面子をつぶされた菅官房長官が、望月氏のスキャンダルがないか身辺調査を命じたという噂もある。
件の会見に限らず、菅官房長官が感情を露にする場面が増えている。5月25日の記者会見では、前川喜平前文科事務次官を「地位に恋々としがみついていた」と評した。
その口ぶりは、冷静沈着で「ダース・ベイダー」とも綽名される長官にしては珍しく激烈な調子を帯びていた。
自民党関係者の弁。
「菅さんは、その1週間前にも、獣医学部開設は『総理のご意向』と書かれた記録文書のことを『まったく、怪文書みたいな文書じゃないか』と強気で否定しました。
さすがに誰が見ても公式の文書を頭ごなしに『怪文書』呼ばわりしたのはビックリしました。おそらく、このときすでに前川氏が加計問題で反撃に出ることがわかっていて、苛立ちを抑えきれなかったのでしょう」
すっかり悪役に
内閣人事局によって官僚の人事権を握ることで霞が関を完全に掌握し、長期政権を縁の下で支えてきた「政権の守護神」に異変が見られる。
これまでは会見で愛想のない受け答えをしても「冷徹な仕事人」という印象が強かったが、加計問題が燃え上がってからは、「前川憎し」という感情がほとばしってしまい、これまでの安定感が見られないのだ。
7月に投開票される都議選に出馬する予定の東京都内の自民党候補者が語る。
「菅さんは花があって人気があるタイプではないが、極めて有能な安倍さんの懐刀というイメージでした。
それが、この1、2ヵ月で一気に加計学園問題の『ヒール(悪役)』のイメージがついてしまった。選挙区を回っていても、加計学園の話が頻繁に出てくるので、正直、菅さんには選挙の応援には来てほしくないですね」
すっかり「嫌われ者」になってしまった菅氏。政治ジャーナリストの伊藤惇夫氏が語る。
「安倍政権がここまで長期にわたって安定してきたのは、菅さんのガバナンスという『維持装置』が見事なまでに働いていたから。実際、加計学園問題が出てくるまで、これといったミスが一つもなく、今回が初めてのピンチといえます。
問題がここまで拡大してしまったのは、初期対応を間違ったからですが、森友問題での成功体験が邪魔をしたのではないか。森友のときは籠池氏が変わり者で怪しい人物だとうまく印象操作できました。しかし、前川氏は格も信頼性も桁違いの人物です。
これまで菅さんは内閣人事局を使って、官僚をハンドリングできているという自負が強かったんだと思います。自分が事務次官にしてやった前川に反撃されて、まさに飼い犬に手を噛まれた思い。それでかつてないほど感情的になってしまったのです」
菅氏は高校時代まで秋田で過ごし、集団就職後、法政大学に進学した叩き上げ。横浜市会議員を経て、'96年に神奈川2区から出馬し当選した。
第一次安倍内閣では当選わずか4回で総務大臣に就任、自民党が下野していたあいだも安倍氏を支え続け、'12年12月の第二次安倍政権成立より官房長官を務めている。
4年半の長きにわたって、国内政治の諸問題から国会議員のスキャンダル、官僚人事、日米問題や北朝鮮問題といった外交政策まで非常に幅広い分野をカバーしてきた。
菅氏をよく知る大手紙政治部デスクが語る。
「毎朝4時半に起きて、まず新聞各紙に目を通してから、永田町周辺をウォーキング。歩きながらその日の会見で出るだろう質疑応答について考えをまとめるそうです。
朝7時からはキャピトルホテル東急のダイニングの個室で朝食会を開くことが多いですね。経済人やメディア関係者を相手にして、世論の空気感をつかむのだと思います」
夜の会合は最低2ヵ所は回る。安倍総理は読売新聞や産経新聞などの保守寄りの新聞か、NHK、TBSなどのテレビ関係者と会うことを好むが、菅氏は左派メディアや週刊誌記者とも会合を持ち、バランスを取るように心がけている。
「会合でもお酒はいつも控えめですね。たいていビールをコップに半分くらいです。10時か11時には帰って眠るようですが、4〜5時間の睡眠を何年も続けるのはたいへんだと思いますよ。間違いなく、菅さんは歴代で最も多くの仕事をこなしてきた官房長官です」(前出の政治部デスク)
そろそろ幹事長にしてくれ
各方面に情報網を張り巡らし、政権運営のほころびにつながるような危機の芽をいち早く摘んできた菅氏の能吏ぶりは余人をもって代えがたいものがあった。だからこそ、安倍総理も全幅の信頼を置いてきた。
しかし森友問題や加計問題などが長期化するにつれて、総理と官房長官のあいだには微妙な距離が生まれてきている。前出の政治部デスクが語る。
「加計学園の加計孝太郎理事長は総理の親友。安倍さんとしてはできるだけ早くこの問題を解決してほしいのに、菅氏が前川氏の件をうまく処理しきれなかったために不信感が生まれている。
都議選でも菅氏が小池都知事を舌鋒鋭く批判するので、もっとうまく『立ち回るよう』に総理がクギを刺したと報じられています。そもそも政策の中身より『人気があるかどうか』を重視する総理は、昨年の都知事選でも小池氏を応援してもいいと考えていたくらいですからね」
TBS系列のJNNが6月3日、4日に行った世論調査によると、政権支持率は54.4%で4月末の調査より8.9%も下落している。総理としては長引くスキャンダル、それを処理しきれない官房長官の不手際に愚痴の一つも言いたくなるということだろう。
一方、安倍氏の政権復帰を画策し、その後も官房長官として陰日向になって政権安定のために尽力してきた菅氏にとってみれば面白くない。
これまでほぼノーミスで政権運営を支えてきてやったのに、ちょっと支持率が下がったら全部自分のせいになるのか。そもそも加計学園の問題は、あなたのお友達案件ではないか。どこまで尻拭いをさせる気なのか――さすがの「女房役」も堪忍袋の緒がすり切れそうになっている。
「官邸には総理と官房長官のあいだの微妙な関係をさらにこじらせている人物がいます。今井尚哉総理秘書官です。
文科省の文書については再調査が行われましたが、これは安倍総理が菅官房長官や、今井秘書官、萩生田光一官房副長官らを集めた会議の席で決定した。
それまで書類を怪文書扱いしていた菅さんにとっては、完全に面目を潰された形ですが、実は総理に再調査するよう進言したのは、今井秘書官だったと言われています。
今井氏は『最近の菅さんは感情的になっていて、危機管理がおろそかになっている』と周囲に漏らしている。加計学園の獣医学部の認可は8月に決まるので、それまでこの問題は炎上し続ける可能性が高い。
余計な火の粉が総理にかからないよう、菅長官をこの問題の黒幕のように印象付けようとしています」(全国紙論説委員)
もちろん、菅氏はこのような官邸内の動きを完全に把握している。腹の底は煮えくり返っているが、そんな様子はおくびにも出さず、今後の政権運営と自らの身の振り方に思いを巡らせているに違いない。
「5年近く官房長官を務めた菅さんにふさわしいポストは、幹事長くらいしか残っていません。本人も党内を差配して、来年の衆議院選を戦いたいと考えているふしがある。
だから加計問題が尾を引いて、この夏の内閣改造で官房長官の座を外れるとなると、当然幹事長ポストを望むでしょう。
そうなると現在、幹事長を務める二階俊博氏は、前々から希望していると言われる国土交通大臣にスライドする可能性が高いですね」(前出の自民党関係者)
だが、実際にそのような人事が実現するかどうかはまだわからない。菅氏が官僚組織に続いて党内政治まで手中に収めると力を持ちすぎると、警戒する向きがあるからだ。
「安倍総理と麻生太郎財務大臣が、いま一番恐れていること。それは、菅氏と二階氏が手を組んで謀ることです。二人とも表向きは、安倍氏の自民党総裁三選に向けて動いている。
しかし、安倍=菅体制には、かつての強固さがなく、ほころびが見え始めています。何が起こるかわかりません」(前出の論説委員)
ダース・ベイダーがその仮面を脱ぐとき、4年以上の長きにわたって安定していた政局のマグマが一気に噴き出すかもしれない。
「週刊現代」2017年7月1日号より
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