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2017年06月23日 「ジャーナリスト同盟」通信
<激しい内部闘争>
森友事件の発覚を「官邸炎上」と分析報道したが、いまは「官邸崩壊」である。内部に詳しい事情通などから、加計事件や強姦もみ消し事件の分析が具体的に、筆者にさえも電話で伝えてくる。「安倍倒れる」もその一つだろう。普段の2000から3000のアクセスが、昨日の「安倍側近の強姦魔」に対して、5261件もあった。女性の敵への怒りが、本日6月23日告示の都議選にも影響を与えることは間違いない。官邸内では、それぞれの勢力が抗争を繰り返していることも判明、まさに官邸崩壊である。
<霞が関の反乱>
都議から政界入りした靖国派の萩生田官房副長官の発言と行動が、文科省の内部文書で暴かれたことで、安倍は逃げ場を失ってしまった。その問題文書も、NHKが普通のニュースではなく、人気の解説報道で暴露した。NHKも安倍直近の、問題の岩田に対抗する記者・編集者の存在を裏付けた。
それは不買運動に拍車がかかっている読売内部も同様、動揺している。読売はナベツネの子分が、日本新聞協会と日本記者クラブの会長と理事長を抑えているが、前者の不祥事が発覚して混乱している。正義の報道のはずが、実際は違うという証明である。
安倍支援のNHKと読売の動揺は、官邸にも深刻な動揺を与えている。そのはずで、文科省と財務省を中心に安倍批判が強まっている。その矛先が、安倍の最側近の萩生田に向けられている。
それも当然のことで、萩生田は安倍夫妻と共に、そして下村夫妻と共に、加計問題の利害関係人である。安倍御自慢の「戦略特区」も、言ってみれば利害関係人が、竹中ら疑惑の学者らを動員して、加計に数百、数千億の公的資産を流し込むシステムであることが、くっきりと見えてきている。このことに日本国民も、これまでの数少ない報道と安倍や菅、萩生田の発言で、なんとなく理解してしまった。
いわば、犯罪の巣になってしまった官邸に、官僚群の霞が関が抵抗勢力の先頭に立ったのだ。その先陣を、文科省事務次官経験者の前川喜平が堂々と切ってみせた。前川に怖いものなしだ。縁者には、中曽根弘文や大勲位も控えている。中曽根でさえも想定しなかった腐敗ということになろう。
大勲位の好きな言葉は「王道」である。銅板に掘ったものが、我が家の玄関に飾ってある。最近見つけたのだが、和室には「暮れてなお命の限り蝉しぐれ」敬呈本澤仁兄康弘、の書もある。安倍にテコ入れ過ぎたナベツネに、大勲位も不満であろう。
霞が関の人事権を掌握(内閣人事局)しての、官邸の大暴走は、つまるところ身内への利権提供でしかなかったことになる。官邸崩壊はいわば必然といえる。
都議選を総指揮する下村もまた、加計の利害関係人として、あぶり出されてしまった。
臨時国会開会要求に怯えるのは、官邸だけではない。信濃町も、である。山口が、あわてて閉会中の審議を受け入れるべきだ、と珍しく正論?を吐いて注目を集めている。都議選で全員当選の公明党も、いま池田大作を裏切っての右翼化に、内部は激しく動揺している。
<文字通り安倍は裸の大将>
「女性の活躍無くして日本経済は成り立たない。女性が思う存分活躍できる社会」だと、21日も官邸でわめいた首相である。しからば、なぜTBS強姦魔の逮捕状を握りつぶしたのか、という日本の全女性の疑問に、納得させる答えを出す必要があろう。
行く先々で役人の用意したメモを棒読みするだけの、単なる裸の王様どころか、裸の大将に過ぎない安倍である。
かくして、自民党内の煮えたぎっていたマグマが、噴き出す瞬間を迎えている。そんな時に、安倍チルドレンの不祥事が次々と起きてきている。男性議員は女性問題、今回の42歳・官僚出身の女性議員は、稲田や高市レベルという?男性秘書を言葉の暴力で貶める様子が、ネットに登場したことには筆者もびっくりである。議員辞職すべきだろう。
嘘の連発で4か月やり過ごしてきた官邸に、平河町も怒りだした。一部の議員が、公然と安倍批判を口にし始めた。「安倍解散は出来ない」ことを確認したせいだ。解散権のない首相は、文字通り裸の大将に過ぎない。簡単に転ぶ。
<経済官僚と正副官房長官の激突>
一連のスキャンダル報道には、官邸内の菅―萩生田の党人派と、官僚派の抗争激化であることが判明してきた。官僚派の代表格は、経済産業省出身の今井とそのグループとの攻防戦である。
後者には霞が関がバックについている。菅は官邸の金庫を握っているが、子分は少ない。菅の子分の萩生田は、文科省内部の行政文書に、衝撃を受けて冷静に対応できない。感情的に反発、怒りまくるだけなので、いまや萩生田批判が突出している。
「安倍の威を借りた狸」との評価がもっぱらのようだ。その安倍も、萩生田を擁護すれば、火の粉が頭上に飛んでくる。動くに動けない。菅のストレスも尋常ではなく、記者会見でも、まともな質問にうろたえてしまう。そのことを国民も感じている。「分をわきまえない市議上がりの政治屋」と見られて久しい。
<文科省の内部告発やまず>
文科省大臣の松下政経塾上がりの松野も、連日、うろたえる姿を映像で見せつけている。部下の官僚は、安倍に反旗を翻す前川を支持しているのだから、なんともサマにならない。大義は文科省にあるためでもある。公然と記者の取材に応じる文科省官僚も出てきた。政局の先が見えるからだ。
これからも、文科省の内部告発は止まらない。菅のストレスの原因である。
<麻生と菅の激突>
菅は、もう一つの敵との戦いを抱えている。副首相の麻生太郎との永遠の攻防戦である。
麻生からすると、派閥の拡大に専念する理由なのだ。他方、自民党幹事長就任に勝負をかける菅である。幹事長になって人事権を行使して、部下を増やしたい、その先に国盗りもあると考えている、と周辺は見ている。
いまでは安倍のコントロールも効かない。「安倍倒れる」の情報の震源地との見方も出ているという。安倍と菅の確執に加えて、麻生との勝負も、加計事件で激しさを増してきている、と元官邸の中枢で働いてきた人物の鋭い分析である。
疑心暗鬼・呉越同舟の、安倍の官邸崩壊との分析が、現在は一番正しい。読売らしい内閣改造論報道も、これと関連しているはずだ。
2017年6月23日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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