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自民党議員の一族が経営する病院が事業者に選ばれていた 利権の巣窟 国家戦略特区の闇を暴く
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207868
2017年6月22日 日刊ゲンダイ
AOI国際病院(C)日刊ゲンダイ
広島の整形外科からスタートし、ここ20年ほどで全国に急拡大している医療法人「葵会」。傘下の「AOI国際病院」は、神奈川県川崎市にある。羽田空港から多摩川を渡り、川崎市に入ったあたりに位置し、このごろはやりの医療ツーリズムには、ちょうど良い立地なのかもしれない。
2014年、この「AOI国際病院」が、国家戦略特区の事業者に認定された。
「以前は国が運営する社会保険病院だったのですが、2012年に葵会が、厚労省の年金・健康保険福祉施設整理機構から60億円で払い受けた。慢性的な赤字の病院で一般病床利用率は50%を切っていたのですが、葵会が人員を補充し、心臓カテーテル、がん治療、人工透析、回復期リハビリなど、診療の幅を広げて黒字化に取り組んだ。そして2014年12月、循環器領域での最先端医療やがん免疫細胞治療、医療ツーリズムなどを実施する、東京圏の国家戦略特区の事業者として病床規制の緩和を認定されています」(医療ジャーナリスト)
理事長の新谷幸義氏は、業界では剛腕経営者として知られる人物だという。確かに経営手腕は素晴らしいかもしれないが、葵会の特区認定には、見過ごせないエピソードが付きまとう。加計学園の加計孝太郎理事長がそうだったように、新谷ファミリーも安倍首相と親しいのだ。
最もわかりやすいのは、今年4月23日に帝国ホテルで盛大に執り行われた次男、正義氏の結婚式だ。この披露宴に、安倍晋三首相自らが出席している。
実は正義氏は、永田町でさえあまり知られていないが自民党の国会議員である。2012年12月の総選挙で北関東ブロックから自民党の比例単独で出馬し初当選、2014年12月には一族の出身地である広島に居を移し中国ブロックでの比例単独で再選した。帝京大学医学部を卒業した後、東大経済学部にも入学し、卒業している。
「国会会期中なのに、忙しい安倍首相が披露宴に最初から出席し、花嫁の見送りまでずっといたので他の来賓もびっくりしていました。挨拶の中で『正義さんの待遇について何か忖度のようなことはありません』などと冗談まで飛ばしていました。ただ、正義さん本人は無菌状態で育ったような人。安倍さんとのお付き合いはお父さまですよ。安倍さんが若い頃からずっと応援していたのだそうです。お父さまは、有名人が病気で困ったときに助けたりして人脈も広い方なんです」(新谷理事長の知人)
つまり、自民党議員の一族が経営する医療法人が、特区の事業者に選ばれているのだ。しかも、新谷正義議員は、特区認定を受けた葵会の理事を現在も務めている。
新谷議員が特区の認定に関わったことはあるのか、どのようないきさつがあったのか、なかったのか、議員事務所に問い合わせたが「公開されている情報がすべてです」と、そっけない答えが返ってきた。 (おわり)
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