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空恐ろしい監視社会 官邸のアイヒマンらがやっていること
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207198
2017年6月10日 日刊ゲンダイ 文字お越し
大あくびのたるみ審議(C)日刊ゲンダイ
加計学園の獣医学部新設をめぐる「総理のご意向文書」の報道からおよそ1カ月。文科省がようやく再調査を決めた。
「怪文書だ」「出所不明だ」「信憑性がない」などと難癖をつけ、臭いモノに蓋をしようとする安倍官邸を追い込んだのは、文書の存在を認めた前文科事務次官の前川喜平氏の告発だ。森友学園にはじまる一連の疑惑で浮き彫りになったのが、アベ友だけが甘い汁を吸うことができる露骨な利権構図。それに、公権力による監視体制だ。
前川氏の動きを察知した官邸は、天下り問題での辞任を引き合いに「あいつは(官邸に)恨みを持っている」などと悪評を流し、シンクロするように読売新聞が出会い系バー通いを報じた。その背後に見え隠れするのが、“官邸のアイヒマン”の異名を持つ北村滋内閣情報官と、実質的に内閣人事局を取り仕切る杉田和博官房副長官の存在だ。北村氏は一貫して警備・公安畑を歩んだ警察庁キャリアで、公安警察時代の上司が杉田氏なのである。獣医学部の新設を認めるかどうかで文科省と内閣府が綱引きをやっていた2016年9月、事務方トップだった前川氏に出会い系バー通いを厳重注意したのが杉田氏だった。官邸の「目と耳」といわれる内閣情報調査室(内調)と公安警察から吸い上げた極めて個人的な情報を脅しに使ったのだ。
■カメラ500万台の見張り
公安の内情に詳しいジャーナリストの青木理氏は言う。
「警視庁公安部の捜査対象はテロ組織や過激派にとどまりません。平時から中央省庁幹部、次官・局長クラス、問題を起こしそうな官僚や重要案件の担当者の身辺情報を集めている。それに、内調は公安の“官邸出先機関”のようなもの。彼らから前川氏の出会い系バー通いの情報が上がっていても不思議ではありません」
こうした監視の目にさらされるのは、危険思想の持ち主や権力に近い霞が関住人だけだと思ったら大間違いだ。一般市民だって30年以上も前から動向をチェックされている。1987年に導入されたNシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)、02年に東京・歌舞伎町に設置されたのを機に急速に増殖した監視カメラ。駅やコンビニなどの防犯カメラを加えれば、その数は500万台を超えるという。犯罪捜査に活用されているとか、犯罪抑止につながるとかいわれているが、具体的な運用方法は明らかにされていない。
ロシア滞在中のスノーデン氏はネットを通じて世界で活動(C)AP
米国が提供した“スパイのグーグル”の恐るべき検索力 |
米政府による凄まじい個人情報収集の実態を暴露した元CIA職員のエドワード・スノーデン氏に単独インタビューをした元朝日新聞記者の小笠原みどり氏は、著書「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」(毎日新聞出版)でこう書いている。
〈2002年2月、警視庁は新宿・歌舞伎町に監視カメラ50台を設置した。私は警視庁記者クラブを通じて新宿署のモニタールーム取材を申し込んだが、断られた。理由に驚いた。「通行人のプライバシーを侵害する恐れがあるから」。プライバシーをのぞきこんでいる張本人たちがのたまうのだ。「盗人猛々しい」という言葉が口をついて出そうになった。モニタールームでなにが観察され、なにが記録されているかは、だれも検証することができない。これが民主警察、科学捜査だろうか。警視庁は秘密がまさに力の源泉であることをよく知っている〉
小笠原氏に改めて話を聞いた。
「政府はすでに市民を監視するさまざまな手段を手にしています。NSA(米国家安全保障局)が開発した“スパイのグーグル”と呼ばれる監視システム『エックスキースコア』が日本に渡っているという情報もある。スノーデン氏がNSAから持ち出した機密文書の一部が4月下旬に公開されて分かったのですが、電子メールやフェイスブックへの書き込みはもちろん、ネットを介したあらゆる情報を収集できる恐ろしいツールなのです。例えば〈ブッシュ〉〈攻撃〉でキーワード検索をかけると、そうした単語を使用した人物の情報を世界中から洗い出すことができますし、特定の人物の名前を入力して調べることもできる。映画『スノーデン』でスノーデン氏本人が語っているのですが、NSA時代に1人の標的の全通話相手を監視するように指示され、さらにその相手の通話先も監視したところ、最初の標的から3人先には監視対象が総勢250万人に膨れ上がったそうです。危険人物かどうかの選別には、個人のコミュニケーション履歴を分析する必要があるという理屈からです。米政府のこのやり方は、国民の内心チェックを合法化する共謀罪法案の性格と非常に似ています。この話を聞いて、一般人が共謀罪の対象にならないと信じる人がどれほどいるでしょうか」
■「違法団体に限定されない」
共謀罪法案の今国会成立を焦る安倍政権は、捜査対象は組織的犯罪集団に限られるとお題目のように繰り返すが、共謀罪の核心は一般市民の監視なのだ。終盤国会での審議でも、それがますますハッキリしてきた。先月8日の衆院予算委で金田法相は「テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織など、違法行為を目的とする団体に限られる」と断言していたが、8日の参院法務委では「限定されるものではない」と軌道修正。さらに、法務省の林真琴刑事局長は「組織的犯罪集団の構成員でない者であってもテロ等準備罪の主体とはなり得る」と踏み込んだ。
前出の青木理氏もこう言う。
「共謀罪法案の成立を許せば、権力の監視対象は際限なく広がっていきます。お上にまったく盾突かない、政権に無害無臭な人だからといって無関係ではいられなくなる。捜査側が監視対象の身辺情報を収集する過程で交友関係を洗い出し、周辺人物にまで幅広く網を掛ける可能性は否定できません」
安倍首相は法案の目的に東京五輪開催に伴うテロ対策と、「パレルモ条約」(国際組織犯罪防止条約)の締結を挙げていた。にもかかわらず、当初の法案に「テロ」の文言はゼロ。「パレルモ条約」にいたっては、条約に精通する米ノースイースタン大教授のニコス・バッサス教授から「テロのようなイデオロギーに由来する犯罪に対応する目的では作られていない」と喝破されている。繰り返してきたペテン答弁は完全に崩れている。
安倍政権は秘密保護法で都合の悪い事実を隠蔽。盗聴法で監視体制を確立し、共謀罪で国民の内心まで統制しようとしている。こんな政権に共謀罪を持たせたら、生かすも殺すも胸三寸で決められてしまう。後戻りはできなくなる。
聖学院大教授の石川裕一郎氏(憲法)は言う。
「希代の悪法と呼ばれる治安維持法は2度の改正で処罰の範囲が拡大し、社会の隅々にまで網が広げられました。00年施行の通信傍受法(盗聴法)は16年の改正で一気に対象が増え、運用要件も緩和された。平成の治安維持法といえる共謀罪も同じ道をたどり、なし崩しで政府の都合のいい運用に書き換えられかねない。法案を通してしまったら一巻の終わりです」
この国の民主主義は分水嶺に立たされている。
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