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加計疑獄に蓋して共謀罪強行採決ならば政権は持つまい
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206919
2017年6月7日 日刊ゲンダイ 文字お越し
国民をナメるにもほどがある(C)日刊ゲンダイ
「波が高くなってきている」――。6日の自民党副幹事長会議で、終盤国会の与野党攻防を懸念する声が上がった。安倍首相の「腹心の友」に特別な便宜が図られた加計学園疑惑で、いよいよ政権が追い詰められてきたからだ。
「加計問題をめぐる閣僚の国会答弁は、いかにも苦しい。しゃべればしゃべるほど、嘘やゴマカシが露呈する印象です。松野文科相は『出所不明の文書』だから再調査はしないと繰り返し、安倍首相は『印象操作だ』とわめき散らす。菅官房長官にいたっては、文書を『本物だ』と断言した文科省の前川前次官をおとしめるような人格攻撃に精を出している。印象操作に躍起になっているのは安倍内閣の方です。やましいことがないのなら、調査すれば済むことなのに、野党の質問にマトモに答えられず、疑惑の隠蔽に終始している。まったく議論になっていません。この4年半、平然と嘘を言い続けてきた安倍首相ですが、さすがに余裕がないのか、野党に対して『ヤジはやめていただきたい』とキレたそばから、自分が閣僚席から汚いヤジを飛ばすのだからメチャクチャです。見苦しいったらありません」(政治評論家の本澤二郎氏)
加計学園の獣医学部新設について、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと書かれた文書は、文科省がわずか半日のお手盛り調査で「確認できなかった」と結論づけてしまった。それを省内で共有したメールの写しを民進党が提示しても、相変わらず「出所も入手経緯も不明」と怪文書扱い。「総理のご意向」文書に続き、“加計ありき”で進んでいたことをうかがわせる政府の「想定問答」も新たに出てきたが、これも「出所不明」で無視するつもりだろう。
■出所不明を盾にする権力の横暴
だが、「出所不明」を理由に捨て置くなんて、そもそも筋が通らない話だ。政府にとって都合の悪い内部告発やメディアの調査報道は、すべて無視できることになってしまう。内部告発は国民の利益にかなう行為であり、公益通報者保護法で保護されている。保護対象には公務員も含まれる。報道機関にとっても、情報源の秘匿は基本だ。出所や入手経路を明らかにできるはずがない。
実名や入手経路を明らかにしろと迫るのは、権力による恫喝に等しいのだが、この政府の傍若無人は調査拒否にとどまらない。政府は6日、加計学園の獣医学部新設で、文部科学省が内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」などと言われたとされる昨年9月26日の打ち合わせについて、「協議が行われた事実は確認できない」と閣議決定した。なんでもかんでも「確認できない」で闇に葬り去ろうとは、恐ろしいまでの傲岸、呆れるほどの鉄面皮。足元の疑惑にフタをし、将来にわたって、意思決定過程の検証も許さない。これは歴史に対する反逆と言っていい。
森友学園問題でもそうだったが、どれだけ疑惑を裏付ける資料が出てきても、すっとぼけ続けるのがこの政権のセオリーだ。頑として存在を認めず、最後は力ずくで「なかったこと」にしてしまう。財務省はシステムごと入れ替えるという周到さだ。13年1月から使用していたシステムが、2日までに一斉更新された。森友学園が国有地取得要望書を提出した13年9月から、国有地売却の昨年6月までのデータが完全に消去されてしまう。あからさまな隠蔽工作だ。
そうやって証拠を隠滅し、今さえやり過ごせば、国民はすぐに忘れると思っている。国民をナメきっているのだ。そんな不遜な態度がいつまでも通用するものか。
国際社会も注視している(C)日刊ゲンダイ
満州事変後の「リットン調査団」報告書への抗議と酷似 |
「森友学園問題と加計学園問題で、安倍政権の権力乱用がいかにひどいかということに国民も気づいたはずです。批判を弾圧し、身内の犯罪は隠蔽する破廉恥ぶりも明らかになった。こういう下劣な政権に共謀罪など持たせたらどうなるかは、火を見るより明らかです。安倍政権が進める共謀罪には、国際ペンも反対声明を出している。国連も懸念を示しています。表現の自由や思想の自由を侵害する共謀罪は憲法違反でもあり、絶対に阻止しなければなりません」(本澤二郎氏=前出)
国連人権理事会プライバシー権特別報告者のケナタッチ氏は、共謀罪はプライバシーや表現の自由を制限する恐れがあると指摘。法律が恣意的に適用される危険性も懸念した。普通なら、そこでいったん立ち止まる。あるいは特別報告者と協議し、懸念を解消する努力をする。ところが、この国の政府は、「一方的な主張だ」「不適切だ」と抗議し、感情的に突っぱねた。この強硬姿勢について、歴史学者の加藤陽子東大教授が、6日の朝日新聞で興味深い指摘をしている。
<国連の委嘱を受けた人物の要求に対しての開き直りの抗議。既視感がある。1931年の満州事変後、リットン卿が国際連盟の委嘱で報告書を発表した「リットン調査団」。その時の抗議と似ています>
<「見果てぬ夢」を掲げて人気を得て後戻りできなくなったところで、国際連盟の指摘に過剰反応。今と似ていませんか。「五輪で景気が良くなる」と「見果てぬ夢」で国民を期待させ「『共謀罪』でテロを防がなければ開催できない」とあおる。法案成立直前までこぎ着けたのに、国連特別報告者からの「待った」に怒り狂ってしまった>
「テロ防止に必要」という虚偽を前提にした共謀罪は、「鉄道爆破は中国の仕業」という虚偽を前提にしていた満州事変と本質的には変わらない。
■「お友達内閣」の本質は変わらない
共謀罪法案の成立は、暴走政権を止められるか否かの分水嶺ということだが、政府・与党は来週13日にも参院法務委で強行採決する方針だ。与党の国対関係者によれば、「会期の延長はしないと官邸が言ってきている。早々に法案を成立させて国会を閉じる方向で進めている」という。ここでも「総理のご意向」か。
だが、どう考えても十分な審議が尽くされたとは言い難い。衆院法務委では約30時間。参院は6日の委員会が流れたこともあり、まだ10時間程度しか審議されていない。その内容もスカスカだ。とても来週の採決なんてできる状況ではないのだが、与党国対は「参院は衆院より議員の数が少ないから、審議時間も衆院の半分程度でいいんじゃないか」とか言いだしている。そんなフザケた理屈は聞いたことがない。ホント、何でもアリだ。
「国会を開いているとロクなことがない」という声が官邸周辺から聞こえてくるが、それは安倍が自らまいた種なのである。国民からすれば、この政権がやっていることこそ、ロクなことがないのだ。
問題だらけの共謀罪を強行成立させ、国会を閉じて加計疑惑から逃げ切ったら、文科省の粛清人事で官僚の反乱を抑え込む……。そんな恐怖政治がまかり通れば、この国はもはや民主主義国家ではない。
「第1次安倍政権は“お友達内閣”と揶揄されましたが、仲間内で利権を分け合う構図はまったく変わっていないことが浮き彫りになった。違うと言うなら、首相が率先して自身の疑惑を解明する姿勢を見せなければ、国民は到底、納得できません。それほど、政権への不信は高まっている。トップとしての資質も問われ、これまで安倍政権を支持していても、良識がある人なら見放す場面です。強引な幕引きは、都議選の結果にも影響するでしょう。自民党内からも、首相の答弁や手前勝手な改憲宣言には不満の声が出ている。1強のおごりで強行突破すれば、足をすくわれることになるのではないか。総裁3選も、2020年改憲シナリオも、どうなるか分かりません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
問われているのは国民の意識だ。これ以上の国家私物化を許すのか。どうせ国民はすぐ忘れるとナメられたままでいいのか。一連の騒動で、有権者にはペテン内閣の正体がハッキリ見えた。共謀罪の強行採決は、政権崩落の決定打になるだろう。
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