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軽薄首相の改憲私物化 急所を突いた河野洋平氏の痛烈批判
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206644
2017年6月2日 日刊ゲンダイ 文字お越し
過去には「人間性の問題」とも発言(C)日刊ゲンダイ
安倍首相が憲法記念日に読売新聞で突如発表した“デタラメ改憲宣言”をめぐり、自民党内からようやくまっとうな反論が聞こえてきた。
「安倍という不思議な政権ができて、その人が指さす方向に憲法を変えていくなんて、到底納得できない」
名前を呼び捨てにして痛烈な批判を浴びせたのは河野洋平元衆院議長。9代前の自民党総裁だ。5月31日に都内で日中関係をテーマに講演したのだが、独善的な安倍のやり方に業を煮やしていたとみえ、「おそらく最近の日本の政治の中でこれまでと最も違う方向を指している」などと猛烈なアベ批判を展開。
安倍が改憲の口実にする「自民党は立党当初から党是として憲法改正を掲げている」という常套句もヤリ玉に挙げ、「自由民主党という政党は自由党と民主党が合併してできた党だ。改憲を主張する人が多い民主党と、護憲を主張する人が多い、しかも長い間政権をとってきた吉田(茂)さんたちの勢力が一緒になり、改憲党になるはずないじゃないか」とコキ下ろした。安倍の急所をグサリと突いたのだ。
2012年に自民党が発表した改憲草案を無視する安倍の手法に、石破元幹事長が「正しいやり方とは思わない」と物言いをつけてはいたものの、自民党内からここまでハッキリと批判の声が上がったのは初めてだ。
■中曽根元外相も「絶対的な権力は絶対的に腐敗」
河野は昨年10月にも民放番組で「現行憲法で何か不自由があるのか。国民が不自由だという圧力が強いならばやればいいが、不自由はないように思う」と発言し、「自分の名前を(歴史に)残したいとか、そんなことで政治的な労力を使ってはいけない」と一喝したが、今回はさらに踏み込んだ。9条に自衛隊を明記し、「五輪が開催される2020年に新憲法施行を目指す」と安倍が勝手に改憲スケジュールを表明したことで、自民党内の改憲に向けた動きが急加速。高村副総裁や二階幹事長が走り回って党憲法改正推進本部に対して圧力を強めている。
議論の積み上げもないのに、年内に新草案を公表し、来年の通常国会に提出する日程が公然と語られている。ハト派の河野からすれば、大声を出さずにいられない状況なのだろう。
政治ジャーナリストの泉宏氏はこう言う。
「河野さんは若手時代に自民党の政策綱領から憲法問題を外そうと画策し、離党を経験するほど憲法には強いこだわりを持っています。復党して官房長官や総裁を歴任する中で9条を触ろうという機運が生まれず、ネジを巻き戻したと思っていたところに、安倍首相が手を突っ込んできた。自民党改憲草案も事実上、上書きされようとしている。流れを止めるのは今しかないという判断が働いたのでしょう。それに、森友、加計問題や共謀罪をめぐる乱暴な国会運営で安倍官邸に対する不満が党内でくすぶり、安倍1強の中でも空気が少しずつ変わってきた。終盤国会も残り2週間あまり。議論を巻き起こす絶好のタイミングと読んだのではないでしょうか」
河野発言が突破口を開いたのか。先代からのつながりで示し合ったわけではないだろうが、中曽根弘文元外相も1日の二階派会合で「イギリスのアクトン卿という人の言葉で〈絶対的な権力は絶対的に腐敗する〉という言葉があるそうだ。今がそう、ということじゃありませんけど、常に謙虚に政治を行っていかなければ」とチクリとやった。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は言う。
「このままでは安倍政権に憲法をグチャグチャにされ、70年間続く平和を担保してきた9条が抹殺されてしまう。感覚の鋭い政治家なら分かることです。安倍首相の祖父の岸信介元首相が60年安保で倒れて以降、自民党から立つ歴代首相は在任中に憲法改正をしないという原則を貫いてきた。ところが、安倍首相は在任中の改憲に言及し、そのための任期延長にまで手を掛けている。自民党の重鎮から見れば異端ですよ。それも、国民から望まれてもいないのに、憲法改正権を持たない首相がやると言い出し、国民も国会も差し置いて強引に推し進めている。この政治状況は異常です」
憲法記念日に開かれた改憲派集会にはビデオメッセージ(C)共同通信社
歴代総理31人の中で改正だけを叫ぶのは安倍首相ひとり |
だいたい、安倍は改憲を政治的使命のように言っているが、“アベ改憲草案”は何から何までメチャクチャだ。有識者からも次々に批判の声が上がっている。
早大教授の長谷部恭男氏(憲法)は朝日新聞(5月23日付)でこう発言していた。
〈安倍首相は突然、2020年に改正憲法を施行したいと言い出した。期限を切るには理由が必要だが、何も説明していない。五輪があるからとにかく憲法を変えたいというのは、個人的願望を主権者である国民に押し付けるもので、憲法の私物化だ〉
ノンフィクション作家の保阪正康氏はさらに手厳しい。毎日新聞(5月13日付)の寄稿でこう断じている。
〈近代日本の首相の中で、これほど改正それ自体を強調し、どこをどのように変えるかの論点を明確にしない首相も珍しい。まず「改正ありき」では、論戦そのものが逆立ちしているように思えるほどだ〉
〈現在の憲法が制定されて以来、首相は吉田茂から安倍現首相まで31人に及ぶが、これほど改正のみを叫ぶ人物はこの31人の中に、安倍首相以外ひとりもいなかった〉
歴史に名を刻みたいという政治的野心。改憲を大義に掲げることで求心力を保ち、長期政権を敷く浅はかさ。そして、安倍自身が疑惑のド真ん中にいる森友・加計両学園への追及をかわす目くらまし。憲法を政治利用し、オモチャのようにもてあそぶ。立憲主義の破壊者がこの男の正体だ。
■13条を知らずにはぐらかす
聖学院大教授の石川裕一郎氏(憲法)もこう言う。
「安倍首相は改憲の必要性についてマトモに説明したためしがありません。主張にも一貫性がなく、改正条項をコロコロと変える。改憲要件を緩和する96条の改正を訴えて裏口入学だと揶揄されると、緊急事態条項を引っ張り出し、次は教育無償化。政治哲学がないのでしょうか。記憶に残るのが13条をめぐる国会審議です。〈包括的な人権保障、包括的な人権規定といわれる条文は何条ですか〉と問われ、〈クイズのような質問は生産的ではない〉とはぐらかした。憲法を専門とする立場からいえば、13条は非常に重要な条文で、どの教員も真っ先に取り上げます。改憲を政治的使命としているのなら、憲法に対するこだわりや持論があってしかるべき。普段の安倍首相の言動からすれば、挑戦的な質問をされたら食いついてやり込めようとするはず。安倍首相は単に改憲そのものが目的なのではないでしょうか。発言を聞くたびに、そうした印象が強まります」
河野は講演でこうも発言している。
「憲法が現実を追いかけて歩いているなんてのは、憲法にはひとかけらの理想もないのかと私は言いたくなる」
安倍の口からこうした憲法に対する理念はついぞ出てきたことがない。
「憲法には2つの側面があります。国民が勝ち取ってきた権利を記録し、国民主権をしっかりと明示すること。その権利を行使してどういう理想の社会を目指し、国づくりを進めていこうとするのか。安倍首相は憲法の理念をないがしろにし、まったく正反対の方向へ向かおうとしている。今止めなければ取り返しがつかないことになります」(金子勝氏=前出)
立憲主義を破壊する安倍政権をのさばらせていたら、大きな痛手を被るのは国民だ。それでいいのか。
かなり追い込まれつつある。内部からも批判の声。
― 鮭ママ隊 (@love3215448) 2017年6月2日
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― ★☆NAOKI☆★ (@morino_9ma3) 2017年6月2日
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