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国家戦略特区は違憲 首相が国を私物化するための道具だ ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206330
2017年5月29日 日刊ゲンダイ 文字お越し
小林節氏(C)日刊ゲンダイ
公刊されている資料によれば、国家戦略特区とは、第2次安倍内閣が導入した経済成長戦略の柱である。それは、首相主導の会議で地域を特定し、そこで従来の法的規制を大幅に緩め、新しい事業を誘致する制度である。
ところで、私たちが暮らしている民主的な法治国家とは次のようなものである。@各人の経済活動(人権の行使)は、私たちの代表が集まった国会で定められた法律によらない限り制限されない。Aそして、その制限は、誰がどこで活動しようが、皆、平等に同じ扱いを受ける。
ところが、安倍内閣の目玉政策のひとつである国家戦略特区制度の下では、首相が主導して定めた事業と地域に限り、通常の法的規制を免れることになっている。何のことはない、首相が強く推薦する事業と地域に限り、従来、理由があって制定され全国一律に適用されてきた法律の規制を受けない新規参入が可能だということである。
これは、憲法上の大原則(世界の常識)である「法治主義」を何と法律によって骨抜きにする制度で、明白に違憲である。しかも、「加計学園問題」が示してくれたように、この制度は法の下の平等に反する運用が容易なものである。
つまり、この制度の下では、かつて15回も申請して法的規制の故に失敗した事業でも、首相の「腹心の友」であれば、国と地方自治体から100億円以上もの助成を受けて新規事業を展開できることを証明してくれた。
しかし、これは、民主的法治国家を首相の私物のように運営できる制度で、まるで「安倍王国」である。「森友学園問題」も教えてくれているが、首相の意向を「忖度」する政治と行政が横行し、主権者国民の公僕であるはずの政治家と官僚が「殿の下臣」のように振る舞う政治と行政を、私たちは日々目撃させられている。
これも、現行選挙制度を活用して、与党が4割台の得票で7割の議席を占有しているからできることである。
そろそろ、傍観している多数の有権者と分裂ばかりしている野党が真剣に反省すべき時であろう。
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