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「民進党に特大ブーメラン再び!加計学園を応援した過去
窪田順生:ノンフィクションライター
第2の森友学園としてエキサイトしている加計学園問題。しかし、民進党の過去を丹念にたどっていくと、なんと彼らこそが加計学園を応援していた過去があったことがわかる。またもや特大ブーメランの雰囲気が濃厚だ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
・獣医一族出身の民進党・玉木氏は安倍首相を追及する資格ナシ
蓮舫氏らが「内閣総辞職に値する」「首相も国会議員もやめるべき」とエキサイトしている「加計学園問題」に、またまた「ブーメラン」の兆しが出ている。
安倍首相に「仲のいい友達のための特区指定を急がせたんだろ!」と厳しく追及をしていた玉木雄一郎・民進党幹事長代理が、実は父も弟も獣医という一家で、獣医学部新設に強く反対をしている「日本獣医師連盟」から100万円の献金を受けており、昨年の日本獣医師会の集会で「おかしな方向にいったら食い止めます!」と予告をしていたことが明らかになって、「立場が違うだけでやっていることはほぼ同じ感」が出てしまっているのだ。
それだけではない。民進党の「加計学園疑惑調査チーム」が主張する「ストーリー」では、文科省でも自民党内でも慎重意見の多い獣医学部新設を、安倍首相が強引に推し進めているということは、加計学園とズブズブだからだ、というものだ。ところがこのロジックでいけば、安倍首相と仲良く「VR蓮舫」の餌食になりそうな者が「身内」にいたのだ。
民進党の高井崇志衆院議員である。
高井氏は昨年4月26日、衆院地方創生に関する特別委員会で、中国、四国地方の獣医師が足りず、地域によって偏っているとして、国家戦略特区を使って「岩盤規制」を突破するよう強く求めていた。さらに、この質問をした3日後の4月29日、高井氏は自身のホームページにうれしそうにこんな風に書き込んでいる。
「愛媛県今治市に50年ぶりの新設をめざす「獣医学部」について。四国4県の大学には獣医学部が一つも無く、獣医師の偏在が問題になっています。地元の岡山理科大学が力を入れており、「これは何としても実現して欲しい」と山口俊一与党筆頭理事(徳島県選出)とともに、石破大臣に強くお願いしました」(高井たかしオフィシャルサイト)
・実は旧民進党こそが今治市で獣医学部新設をゴリ押ししていた
岡山理科大学を運営しているのはご存じ、加計学園である。5月21日の夕刊フジによると、この質問の少し前に、高井氏は江田五月・民進党最高顧問とともに、同大学の入学式に来賓として出席している。
「いや、こっちは地元のよしみで質問をしてあげたくらいでクリーンだ!安倍首相みたいに友だちのために権力を濫用したわけじゃない!」という怒りの反論が聞こえてきそうだが、こういう目くそ鼻くその水掛け論を続けていたら、さらなる特大ブーメランが蓮舫さんたちの後頭部に突き刺さる恐れが出てきてしまう。
「加計学園疑惑調査チーム」も当然もう気づいていると思うが、「疑惑」の舞台となっている愛媛県今治市で、そもそも獣医学部の新設をゴリゴリ押していたのは、他でもない旧民主党だからだ。
経緯をおさらいしてみよう。今治市に「加計学園」が来るという話が表沙汰になったのは、第一次安倍政権下の2008年春のことだ。
「越智忍市長がこの日の会見で、学校法人加計学園から大学新設の希望を受けていることを明らかにした」(朝日新聞 愛媛県版 2008年3月4日)
今治市と愛媛県はどうにか「特区」にしてくださいと政府に陳情するが、あっさりと却下される。その後、安倍首相は体調を崩して入院。獣医学部新設の特区話は立ち消えた。
しかし、暗礁に乗り上げたかに見えた「獣医学部新設」がその後、ゾンビのごとく息を吹き返す。そう、「政権交代」である。
・旧民主党の政権奪取で加計学園のプランが復活
民主党が政権を奪取したことで、これまでの自民党が独占していた官庁への口利きルートがガラッと変わったのである。それをうかがわせるようなエピソードが「愛媛新聞」に載っている。
当時、愛媛県は公共施設建設で、県産の木材をもっと使いやすくするように、建築基準法の改正を国へ求めていたが、「獣医学部新設」同様に突き返されていた。そのような規制緩和について議論をおこなう県の総務企画委員会の休憩中、横山博幸衆議院議員(当時は民主党県連幹事長)が、こんなことをおっしゃったというのだ。
「(国に)8回も提案してダメなら、別ルートの方がいいんじゃない?(民主党本部の)幹事長室が、どんどん(特区提案を)上げてこいと言っているから、こっちで上げようか」(愛媛新聞 2010年1月23日)
自民は崩せなかった官僚の牙城を、我々民主党なら動かせるぞ、と暗に言っていたわけだ。是が非でも獣医学部をつくりたい県と市は藁にもすがる思いで、民主党愛媛県連に政府に対して強く要望したのは言うまでもない。
麻生政権と打って変わって、民主党は快くそのリクエストに応じている。10年11月18日には県連が民主党本部の陳情要請対応本部に、国の来年度予算に対する愛媛県の要望を33件提出。そのなかで「都道府県連をあげて主体的に対応する案件」として9件を重要事項として取り上げているのだが、そこにはこんな項目がある。
《今治市で獣医師養成系大学を設置するための規制緩和》(2010年11月21日 朝日新聞 愛媛県版)
「あー、それはホラ、規制緩和を進めるのは当然だし、加計学園を優遇しているわけでもないし」という釈明があるかもしれないが、先ほど述べたように08年の時点で今治市と加計学園は二人三脚で国への働きかけをしている。「規制緩和=加計学園への優遇」ととられてもしょうがないのだ。
・自民党も民進党も「同じ穴のムジナ」
しかも、ゴルフを一緒にしている安倍首相が「グレー」というロジックがあてはまるのなら、この時期の民主党政権内に「グレー」呼ばわりされてしまう御仁がいることも忘れてはいけない。
鳩山内閣、菅内閣という2つの政権で内閣府政務官を務めた津村啓介衆議院議員である。
07年、岡山2区選出の津村啓介氏の企業献金はゼロだったが、一流報道機関である「朝日新聞」が調べあげたところ、「政権交代」を経てある変化があることがわかった。
「民主党県連代表として2009年の衆院選を戦い、内閣府の政務官を務めた元日銀マンの津村氏(岡山2区・当選3)。前年まではほとんどなかった企業・団体献金が、09年は県内の百貨店や建材会社など5社から計130万円、寄せられた。(中略)岡山理大などを経営する加計学園からも100万円のパーティ券収支があった」(岡山県版 2011年1月18日)
もともと加計学園の地元・岡山における「陳情ルート」は「学校法人加計学園国際交流局顧問」(逢沢一郎オフィシャルウェブサイトより)を務めている、自民党の逢沢一郎衆議院議員と決まっていた。「朝日新聞」がおこなった「金脈」調査でも「岡山理科大や倉敷芸術大学を運営する学校法人加計学園は逢沢氏側へ100万を献金していた」(岡山県版 2009年6月13日)とある。
自民党議員への献金額と同じ100万円のパーティ券を民主党議員から買ったということは、新たな「陳情ルート」を開拓しようという動きに見えなくもない。大学運営という許認可ビジネスをおこなう者として、政府とのパイプを築こうというのは、ある意味で当然だ。
断っておくが、筆者は津村氏が内閣府政務官という立場を使って何か便宜を図った、などと言いたいわけではない。少しでも規制緩和を進めてもらいたいと考える民間が権力へと寄り添う構図というのは、安倍政権でも民主党政権でもまったく変わらない、ということを申し上げたいのだ。
ご本人たちからすれば、「パーティ券買ってくれただけで清い関係です」とか「ゴルフするだけで学校の相談なんて受けてませんよ」ということなのだろうが、悪意のある見方をすればいくらでも「黒い交際」に見える関係が民主党議員のまわりでもゴロゴロしている。
なぜそうなってしまうのかというと、自民党議員も民進党議員も、背中につけているゼッケンの色が違うだけで、ともにカネ集めと票集めに苦心して、ともに似たような人たちの世話になっている「同じ穴のムジナ」だからだ。
・安倍首相の失態をあげつらう限り民進党のブーメラン体質は治らない
自民の議員にあてはまる問題は、たいがい民進の議員にもあてはまる。その現実から目をそらして、どういうわけか自分たちだけは「清く正しく美しく」だと思い込んでいるところに、民進党ブーメラン大量生産問題の本質がある。
これまで振り返ってきたように、今治市の「獣医学部新設」は10年近く前から地元では水面下で進められてきた構想であり、その「地ならし」に民主党が大きな役割を果たしたのは明らかだ。「安倍首相がゴルフ仲間に頼まれてサクッと規制緩和を進めた」というストーリーは、ワイドショー的には「第2の森友学園」なんて感じでもてはやされるが、それが「民進党いいね!」に結びつくわけではないのだ。
今回の「流出文書」のなかで、「官邸の最高レベル」というニュースで繰り返しリピートされた言葉の少し前に、実は「成田市ほど時間はかけれらない」という表現があることは、あまり知られていない。これはこの4月、38年ぶりに医学部新設となった国際医療福祉大学を指している。こちらも「国家戦略特区」の指定を受けて進められたものだが、医学部新設に反対する医師会の抵抗や、文科省の「岩盤規制」に阻まれ、13年に成田市が手を上げてから4年かかってどうにか開校にこぎつけた。
そもそも「国家戦略特区」は13年に安倍政権になってから成長戦略の柱として掲げてきたが、遅々として進まず、マスコミにコケにされ続けてきた。だから、政権のメンツのためにも、「成田市ほど時間をかけられない」のである。
「週刊文春」で文部科学省前次官がこの文書を「本物」だとした。筆者もそう思う。しかし、「成田市ほど時間をかけられない」という言葉の背景にある事情を鑑みれば、「総理のご意向」は蓮舫さんたちが主張しているようなことではないのだ。
そしてもう想像がつくだろうが、この医学部新設ということを言い出したのも、やはり民主党政権である。日本医師会が大きな支持基盤である自民党にとって、医学部新設はご法度。その「タブー」を破ってくれたのが、民主党政権であり、安倍政権はその遺産を「流用」していると言えるのだ。
「官邸が強引に進める規制緩和は、なにか裏があるに違いない」、と詰め寄るということは、「岩盤規制」に挑んだという数少ない民主党政権の功績に、自ら泥を塗る行為でもある。
民進党には、そういう「自爆ネタ」をいつまでも追いかけるのはやめて、議員定数削減とか憲法改正問題などの実のある追及をお願いしたい。」
http://diamond.jp/articles/-/129323
ちなみにこの窪田順生氏の記事にはこのような物があります。
アパホテル炎上騒動、謝罪すべきでない3つの理由
http://diamond.jp/articles/-/115576
小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」の裏にあるしたたかな戦略
http://diamond.jp/articles/-/128464
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