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安倍改憲に反対する石破の正論を活用できない民進党の無策
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2017-05-19 天木直人のブログ
きょう5月19日の毎日新聞が、安倍首相の改憲発言を批判する石破茂氏のインタビュー記事を掲載していた(安倍改憲を問うC)。
そこで石破氏は次のように語っている。
「(安倍首相の言う)『9条3項』の中身を見ないと何とも言いようがない。憲法学の通説的見解では、前文を受けて9条1項で戦争を否定し、9条2項で戦力を否定する。憲法制定過程で芦田均が2項に『前項の目的を達成するため』という文言を入れ、自衛のための戦力保持が認められるようにしたとされるが、政府はその立場をとっていない。『自衛権は国家固有の権利』という別の理屈で自衛隊は合憲だと説明してきた。この状態で3項を入れたら矛盾の固定化を招く懸念がある・・・」
安倍首相の突然の改憲宣言の最大の矛盾は、この石破氏の言葉に尽きるのである。
そして石破氏はこうダメ押ししている。
「・・・議論が進まないのは、自民党が見解を固めきっていないからだ。民進党など他党のせいにしてはいけない。総裁が『自民党改憲草案にはこだわらない』と言ったら、議論の前提が変わる・・・まず自民党内を固めるところからやるべきだ・・・」
これは、安倍首相の改憲宣言に対するこれ以上ない的確な批判であり、そしてその批判は正しい。
ここまで塩を送ってもらっているのだ。
野党はこの石破氏の正しい安倍批判を最大限に活用すべきだ。
つまり、国会軽視であるとか、日本の首相と自民党総裁の使い分けだとか、改憲論争の核心を離れた批判を繰り返すよりも、自民党の憲法審査会の委員に、9条3項の具体的条文案をまず出して見ろ、それを見せてもらってはじめて審議に応じられる、と突っぱねるべきなのだ。
そして、自民党の憲法審査会の委員たちが、それは出来ない、なにしろ言い出したのは安倍首相だからだ、我々には安倍首相の考えている事がわからない、と言えば、それなら安倍首相を憲法審査会に呼んで、自らの口で改正案を語ってもらうしかない、と更なる要求をすればいいのだ。
自民党はたちまち行き詰まるだろう。
そして安倍首相は恥をかくだろう。
安倍首相の頭ではとても案文など提示できないからだ。
案文の一つも示せないのに掛け声だけをかけたことが、白日の下にさらされることになる。
その時点で安倍改憲宣言はその正当性が失われる。
ところが、きのう開かれた、安倍改憲宣言の後の最初の憲法審査会の議事録を見て失望した。
中川正春も辻元清美も、安倍批判を繰り返すだけだ。
ここまで石破氏が助け舟を出してくれているというのに、それを活かせる知恵者はいないのか。
民進党にはもっと鋭い護憲論者はいないのだろうか(了)
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