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仏大統領選を参考にできないか 安倍よりマシという選択肢
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/205263
2017年5月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
「強固な日米同盟」のはずが部外者扱い(C)AP
経済政策をめぐり、EUとの関係が争点になった仏大統領選。極右政党「国民戦線」のルペン党首をダブルスコアで抑えてマクロン前経済相が勝ったが、グローバリズムの弊害で広がる格差や行き詰まる現状をこの男が本当に変革できるのだろうか。投資銀行出身で「財務のモーツァルト」と呼ばれたほどM&Aに長けたマクロンは、新自由主義的な思考の持ち主。経済相時代の実績で真っ先に挙げられるのも規制改革だ。
経済アナリストの菊池英博氏はこう言う。
「マクロン次期大統領が思い切った景気振興策を打てなければ、仏経済の見通しは暗い。しかし債務残高はGDP比60%まで、財政赤字は3%までというEUルールがある。これに縛られている限り、財政出動による景気刺激はできません。こうした側面から見れば、敗北したルペン党首が掲げた経済対策には一理ある。特に重要なのが保護主義です。経済が成長する過程では外需を取り込む自由化はプラスに働きますが、成熟後は足かせになる。国際競争を勝ち抜くために合従連衡が加速し、弱い企業はどんどん淘汰される。行き過ぎたグローバリズムを是正し、国内産業や雇用を守る保護主義にある程度、転じないと自国の産業構造はズタズタになってしまうのです。実際、安価な東欧製品に押されたフランスの酪農はメチャクチャになっています」
しかし、ルペンの過剰な排他思想は危なすぎると民主主義のブレーキが機能。棄権・無効票が有権者の3分の1に達する異常事態ではあったものの、「ルペンよりマシ」なマクロンが当選したのだ。
日本もこの仏大統領選を大いに参考にすべきではないか。
世論調査では常に安倍自民が圧倒し、国政選挙では4連勝。米軍基地の再編で対立が深まる沖縄地方選でも3連勝している。こんなおかしな状況が続いているのは、安倍首相のほかに「コレは」という政治家がいないと思い込んでいるからだ。野党もだらしがない。だから、国民の多くが消去法で安倍内閣を支持してしまう。本当に安倍しかいないのか。
そもそも、こうした傾向にはカラクリがある。第2次政権以降、安倍政権のメディアへの圧力は強まるばかり。国会答弁では民進党を徹底的にコキ下ろし、忖度するマスコミがそれを垂れ流す。こうして情報操作された有権者に支えられて高支持率を維持しているものだから、安倍のやりたい放題がエスカレートする一方なのである。
「マクロンの方がマシ」でブレーキ(C)AP
同じ人間かと疑うほど劣化 |
おかげで、この国は完全におかしくなってしまった。
森友学園をめぐる疑惑では官僚の忖度が横行。国有地格安払い下げに関する交渉記録は廃棄され、辛うじて公開された文書は黒塗りの「のり弁」ばかり。安倍昭恵氏に仕えた総理夫人付の政府職員が財務省からのヒアリング結果を学園に送付したファクスは、「職務ではない」と行政文書から外す閣議決定。都合が悪いものは無理筋だろうが何だろうが、理由をこしらえてバンバン処分するデタラメだ。
南スーダンPKO派遣部隊の日報廃棄問題もそうだが、良識があればあり得ないようなことが平然とまかり通っている。その上、憲法学者の9割が違憲だと訴えたにもかかわらず、安保法制では集団的自衛権を合憲と強弁。事実上の壊憲をゴリ押ししてきた狂乱首相は今度は言うに事欠いて、「憲法学者の7割、8割の方々が自衛隊を〈違憲〉と言っているから」と9条改憲を強行しようとしている。それも、論拠も脈絡もなく2020年開催の東京五輪とセット。国会で野党が真意をただすと、「自民党総裁としての考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてありますから、ぜひそれを熟読していただいて」と答弁する。支離滅裂、メチャクチャだ。
コラムニストの小田嶋隆氏も呆れ返った様子でこう話した。
「安倍さんでなければ、誰が首相でも構いません。石破茂さんでも岸田外相でも、野田聖子さんでもいい。誰がやっても安倍首相よりはずっとマシで、調整型の政治ができるでしょう。小泉政権で官房長官をされていた頃の安倍首相には、理路整然と話す頭のいい政治家だという印象を持っていたんです。今となっては第1次政権と比べても明らかにおかしいし、人の話を聞けなくなっている。同じ人間とは思えないほど劣化している感じを受けます」
拉致も北方領土もTPPも漂流 |
安倍が自画自賛する「地球儀俯瞰外交」でもそうだ。このまま任せていたらトンデモないことになる。
核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、安倍は「全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価する」とか「対話に応じるよう圧力をかけていくことが必要」とか拳を振り上げるだけ。北朝鮮の伝統的友好国の中国や、38度線を挟んで対峙する韓国との協力が不可欠なのに両国とも険悪。関係改善の道筋は見えない。米国のトランプ大統領に追従して軍事圧力を全面支持した直後に米朝協議が動きだし、ハシゴを外される始末だ。
それもこれも、安倍があまりにも無定見だからなのだ。外交を政治利用し、保身に使う卑しい魂胆だからこうなる。トランプはFBI長官を前代未聞のクビにして、早くも足元がぐらつく。身内の共和党からも批判が噴出し、弾劾訴追が浮上している。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「国際社会では安倍首相が外交上手という認識はありません。日本のメディアによる印象操作です。北朝鮮による拉致問題は? 北方領土返還交渉は? TPPは? 安倍首相が力を入れる重要政策はどれも宙に浮いている。北朝鮮問題にしたって蚊帳の外。東アジアで長期政権を誇る安倍首相が対北交渉に噛んでいないのはどういうことなのか。冷戦期以降、どんな全体主義国家もどんな独裁者も国際社会に向き合う場面では自国の力量を理解して動いている。外交ではイデオロギーの違いは問題ではなく、交渉力と経済力の関数がモノをいうからです。トルコのエルドアン大統領もロシアのプーチン大統領も国内では強権をふるっても、国際社会ではそうムチャをしない。トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が対話を探り始めたのも、突っ張り合いに限界が見えたからでしょう」
安倍がタイムリミット付きの改憲をブチ上げ、世論をケムに巻く曲芸政治に走るのは内政も外交も八方塞がりだからだ。いつまでバカなことを続ける気なのか。国民はいつまでバカな身勝手を容認するのか。
「安倍首相は重要な予算審議を森友問題で浪費しているなどと、野党を批判しましたが、れっきとした予算措置の問題であり、国民共有財産の国有地売却の過程を追及するのは国会の役割です。そのくせ、目くらましに国の根幹を変容させる改憲をブツける。本当に政治をヤル気があるのか、と尋ねたい。安倍首相でなければ誰でもいいという考えがよぎるほど、危機的なレベルにきています」(五野井郁夫氏=前出)
有権者が真剣に考えないと、取り返しのつかないことになる。
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