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木村草太の憲法の新手(55)安倍首相の改憲表明 20年施行は幻想的目標(沖縄タイムス)
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/389.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 5 月 08 日 03:03:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


木村草太の憲法の新手(55)安倍首相の改憲表明 20年施行は幻想的目標
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/96372
2017年5月7日 10:00 沖縄タイムス


 5月3日の憲法記念日、安倍晋三自民党総裁は、都内の改憲派集会にビデオメッセージを寄せた。「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」とし、憲法9条1項、2項を維持しつつ、自衛隊の存在を明記する改憲を議論するという。これを憲法学的に検討してみよう。

 まず、政府は、憲法9条と自衛隊についておおむね次のように解釈してきた。憲法9条は、自衛権行使も含め、あらゆる武力行使を禁じる文言に見える。しかし同時に、政府は国民の生命・自由を保護する義務を負っている(憲法13条)。したがって、そのための必要最小限度の武力行使と実力の保有は、憲法9条の文言の例外として許容される。

 安倍総裁の提案は、こうした政府解釈を明記する憲法文言の変更であり、内容は現状維持だと言う。もっとも、自衛隊明記の改憲発議といっても、2種類の方法が考えられ、それぞれ意味が異なることに注意が必要だ。

 第一は、自衛隊の任務を個別的自衛権の行使に限定し、集団的自衛権の行使を認めない改憲発議だ。

 これは、2014年の閣議決定前、すなわち、集団的自衛権を限定容認する以前の政府解釈を明文化するものとなる。この解釈は、国民にも広く支持されており、ある程度、可決の可能性もあろう。

 しかし、これが国民投票で可決されれば、集団的自衛権の行使を限定的にとはいえ容認した、15年安保法の違憲性が明白になってしまう。これは、現在の与党には受け入れ難い改憲であり、そんな発議はしないだろう。

 第二は、集団的自衛権まで含めた改憲発議だ。これが可決されれば、15年安保法制に対する違憲の疑念は払しょくできる。

 ただ、そもそも15年安保法制の言う「限定的な集団的自衛権」とは何なのかは、いまだに曖昧模糊(もこ)としている。それを適切に憲法の条文として定めることは、ほぼ不可能だろう。

 かといって、もしも適切に限定しないままに集団的自衛権を認める文言にすれば、集団的自衛権行使に憲法上の歯止めがなくなる。これには、世論の反対があまりにも根強く、可決は困難だろう。この提案が否決されれば、安保法制が国民投票で否定されたことになる。そうなると、政府・与党にとっては大打撃であり、こちらの改憲発議も、極めて難しい。

 さらに、改憲発議には与党の議席だけでは足りず、少なくとも維新の会の賛成が必要だ。しかし、維新の会は、集団的自衛権の行使容認について、日本の防衛活動を行う米軍等防護の範囲に止めるべきとしている。ホルムズ海峡等での軍事作戦にまで自衛隊の活動範囲を広げる与党とは考え方が違う。維新の会まで含めた合意形成には、かなりの時間がかかるだろう。20年までに改憲というのは、ほとんど幻想のようなスケジュール設定だ。

 こうしてみると、安倍総裁の提案は、政府・与党の立場から考えても極めて困難だ。深い考えがあっての発言には見えない。憲法改正は、国民の熱望があってこそ実現するものだ。自民党が改憲を本気で望むなら、徹底的に国民の声に耳を傾けるべきだ。 (首都大学東京教授、憲法学者)


木村 草太(きむら そうた)
憲法学者/首都大学東京教授
 1980年横浜市生まれ。2003年東京大学法学部卒業し、同年から同大学法学政治学研究科助手。2006年首都大学東京准教授、16年から教授。法科大学院の講義をまとめた「憲法の急所」(羽鳥書店)は「東京大学生協で最も売れている本」「全法科大学院生必読書」と話題となった。主な著書に「憲法の創造力」(NHK出版新書)「テレビが伝えない憲法の話」(PHP新書)「未完の憲法」(奥平康弘氏と共著、潮出版社)など。
ブログは「木村草太の力戦憲法」http://blog.goo.ne.jp/kimkimlr
ツイッターは@SotaKimura



 

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コメント
 
1. 2017年5月08日 08:55:54 : H4Uu73j18Y : W4sBItWGMuo[49]

 「木村 草太 」
  横浜生まれの「日本の宝」

2. 2017年5月08日 10:24:04 : u2kLIAOZxo : ddzX6TyrZf8[10]
> かといって、もしも適切に限定しないままに集団的自衛権を認める文言にすれば、集団的自衛権行使に憲法上の歯止めがなくなる。これには、世論の反対があまりにも根強く、可決は困難だろう。

ドイツは憲法(基本法)を1954年に改正して軍隊を作り[1]、NATOへ加盟した。ドイツ連邦共和国基本法の第87a条 [軍隊の設置と権限]には、何処にも「集団的自衛権を認める文言」は書かれていない[2]。つまり「もしも適切に限定しないままに集団的自衛権を認める文言にすれば」は、素人を騙すための詭弁である。

> 20年までに改憲というのは、ほとんど幻想のようなスケジュール設定だ。

アメリカ軍は僅かに1週間で日本の憲法改正案を作った。
20年までが短すぎると言うのは、改正案を書く能力が無いと言っているのと同じである。
能力が無いのならば、ドイツの基本法を真似れば良い。
例えば第九条を次のように書けば良い。

憲法九条
我が国は、防衛のために軍隊を設置する。軍隊の員数および組織の大綱は、予算によって明らかにしなければならない。

我が国は理系では多くのノーベル賞受賞者が居りその研究レベルは世界水準であるが、文系、特に法学の分野では世界に認められる研究は皆無に近い。

[1] \ ドイツ緊急事態法の制定過程と NATO 軍
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/document/2003/1/20030112.pdf#search=%27%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E5%86%8D%E8%BB%8D%E5%82%99%27
p.213 6 再軍備に伴う基本法の改正

[2] Grundgesetz für die Bundesrepublik Deutschland
ドイツ連邦共和国基本法
http://www.fitweb.or.jp/~nkgw/dgg/
第87a条 [軍隊の設置と権限]
(1) 連邦は、防衛のために軍隊を設置する。軍隊の員数および組織の大綱は、予算によって明らかにしなければならない。
(2) 軍隊は、防衛を除いては、この基本法が明文で認めている場合に限って出動することができる。
(3) 軍隊は、防衛事態および緊迫事態において、防衛の任務を遂行するために必要な限度で、非軍事的物件を保護し、かつ交通規制の任務を遂行する権限を有する。その他、軍隊に対して、防衛事態および緊迫事態において、警察的措置の支援のために、非軍事的物件の保護を委任することができる。この場合、軍隊は、所管の官庁と協力する。
(4) 連邦およびラントの存立または自由で民主的な基本秩序の防衛のために、連邦政府は、第91条2項の条件が存在し、かつ、警察力および連邦国境警備隊では不足するときは、警察および国境警備隊が非軍事的物件を保護し、組織化され武装した反徒を鎮圧をするのを支援するために、軍隊を出動させることができる。軍隊の出動は、連邦議会または連邦参議院の要求があれば中止しなければならない。


3. 新共産主義クラブ[3866] kFaLpI5ZjuWLYINOg4mDdQ 2017年5月08日 12:09:15 : mPOS5zDgq2 : yhfpZgpv2W0[59]
>>2さん
>ドイツ連邦共和国基本法の第87a条 [軍隊の設置と権限]には、何処にも「集団的自衛権を認める文言」は書かれていない。
 
 
 ドイツの憲法では、ドイツ基本法第24条(2)において「連邦は、平和を維持するために、相互集団安全保障制度に加入することができる」として、集団的自衛権を明示的に認めている。
 
 ドイツ連邦軍は、大部分がNATOの指揮下に置かれていて、NATOに供出されている軍の指導、訓練、装備、武器、組織、供給、配備に関するドイツ側司令官の計画と決定は、NATO側の勧告を指針とすることになっている。
 
 ドイツ連邦軍は、NATOによる支配が強く、実質はともかくとして制度的には、日本の自衛隊よりも、他国の政府の意向が尊重され、防衛予算や実力行使に関する、自国の政府の権限が弱い。
 
 
■ ドイツ基本法
 
第24条 [国際機関]
 
(1) 連邦は、法律によって主権的権利を国際機関に委譲することができる。
 
(1a) ラントが国家的権限の行使および国家的任務の遂行の権限を有するときには、ラントは連邦政府の同意を得て、国境近隣関係の制度に関する主権的権利を委譲することができる。
 
(2) 連邦は、平和を維持するために、相互集団安全保障制度に加入することができる。その場合、連邦は、ヨーロッパおよび世界諸国民間に平和的で永続的な秩序をもたらし、かつ確保するような主権的権利の制限に同意する。
 
(3) 国際紛争を規律するために、連邦は、一般的、包括的、義務的、国際仲裁裁判に関する協定に加入する。
 
http://www.fitweb.or.jp/~nkgw/dgg/
 
 
■ ドイツ緊急事態法の制定過程とNATO軍
 
 NATOは、基本法第24条にいう「国際組織」にあたり、また、「相互集団安全保障機構」でもある。
 
 ドイツは、NATO同盟への主権の移譲または主権の制限を行う事が認められているのである。
 
 ドイツは、ドイツ連邦軍の大部分をNATOのもとに置く事によって、軍隊に対する司令権、指揮権という主権の一部を制限していることになる。
 
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/document/2003/1/20030112.pdf#page=11
 
 
 ドイツの場合、NATOへの寄与の方式が、他のNATO加盟国に比べて特異である。
 
 ドイツは、軍事作戦の国家的な計画と指導をほとんど放棄して、この作業をNATOに任せてしまっているからである。
 
 軍事力の大部分をNATOに提供してしまっているのである。
 
 わずかに地域の陸軍および準軍隊といえる国境警備隊、沿岸警備隊等が、ドイツの司令官の指揮下にある。
 
 しかし、有事の際には、この軍隊、準軍隊でさえも、NATOの軍事作戦を支援するために使用されることになっている。
 
 平和時において、NATOに供出されている軍の指導、訓練、装備、武器、組織、供給、配備に関するドイツ側司令官の計画と決定は、NATO側の勧告を指針とすることになっている。
 
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/document/2003/1/20030112.pdf#page=10
 
 

4. 2017年5月08日 13:10:43 : lO1dBRsOCs : C7JHowAP_XU[147]
・木村さん甘い。今の政権はやる。
・ある意味、かれらにとっての一番の敵は左派リベラルではなく、彼ら自身の年齢ですからね。
・そういうことです。彼らは時限爆弾を抱えている。背水の陣です。彼らは強い。
https://twitter.com/noiehoie/status/861378920683257856

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