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連休明け強行採決 共謀罪成立でもう後戻りはできなくなる
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/204038
2017年4月21日 日刊ゲンダイ 文字お越し
デタラメ内閣(C)日刊ゲンダイ
希代の悪法案「共謀罪」の実質審議が始まった。そのやりとりは予想通りヒドイに尽きる。安倍政権は2020年東京五輪に向けた「テロ対策」を前面に打ち出し、ウソと詭弁を弄して乗り切る戦略で、野党の質問にマトモに答えない。
保安林でキノコを採る森林法違反が共謀罪の対象犯罪に含まれているが、「これがテロ対策になるのか」と迫る野党に、「組織的犯罪集団が現実的に行う可能性がある犯罪を選んだ」とスットボケた。共謀罪には著作権法違反も含まれているから、音楽教室の人たちが「組織的犯罪集団」にされかねないという問題も出てきた。
「過去に廃案になった共謀罪とは違う」と言い張ってきた安倍首相だが、19日の衆院法務委員会では、「基本的な考え方は異なるものではない」と説明を微妙に変えた。揚げ句には全会一致の慣例を破り、ムリやり法務省の刑事局長を答弁に立たせて“金田法相隠し”をする始末。しょっぱなから、もうメチャクチャである。
「共謀罪創設に反対する百人委員会」のメンバーでもある聖学院大教授の石川裕一郎氏(憲法)はこう言う。
「安倍政権が共謀罪について正面から議論する気がないのがよく分かりました。普通は国会審議が進めば疑問が解消されるものですが、その逆で、審議されるほどに疑問が深まっていく」
政府・与党は6月18日までの今国会での法案成立を目指し、GW明けの衆院通過を視野に入れている。共謀罪を急ぐ理由として「国際組織犯罪防止条約」をG7で日本だけが批准していないからと説明されるが、5月下旬のG7サミットまでにメドを付けたいという安倍首相のメンツもある。不人気法案の成立時期を7月の都議選とできるだけ離して欲しいという公明党の事情もある。
審議入りがずれ込んだため日程は窮屈だが、安倍政権のことだから、こうした勝手な都合で強行採決しかねない。
「今から思えば2年前の安保法制審議はまだ“丁寧”だったという冗談のような状況です。あの時は10本の法案が一括審議され横暴なやり方だと批判されましたが、それと比べても今回の共謀罪の審議は拙速で雑。内閣支持率が高いので数の論理で通せばいいという驕りが見てとれます」(石川裕一郎氏=前出)
■答弁できない法相がなぜ居座るのか
野党もだらしない。審議入りすれば、適当に時間だけ費やし、数の力で強行採決されるだろうことは、簡単に想像がつく。だから閣議決定や審議入りを何としても阻止すべきだった。森友学園問題はいまだ真相が解明されぬままだし、閣僚の失言・暴言ラッシュだ。国民の半数が共謀罪に反対なのだから、これらを理由に野党が国会を止めるなどチャンスはあったはずだ。
ところが、閣僚は誰も辞めないし、辞めさせられない。稲田防衛相の森友問題での「関与していない」という発言の訂正。今村復興相は福島原発事故の自主避難者の帰還を「本人の責任」と言ってのけた。山本地方創生相の「学芸員はがん」発言にものけぞった。そもそもマトモに答弁できない金田が、なぜまだ法相に居座っているのか。
ここへきて女性スキャンダルで中川経産政務官が辞任したが、野党とメディアがぬるいから、デタラメ内閣はびくともしない。
上智大教授の中野晃一氏(政治学)が言う。
「稲田氏、金田氏、今村氏とこれまでの感覚なら辞職が当たり前。完全にアウトですよ。特に金田法相については、刑事局長が代わりに答弁するというあり得ない事態になっている。ところが、安倍首相は彼らを辞めさせないので、世論は『大した問題ではないのか』と思わされていく。その点ではメディアがきちんと批判し、アウトだとハッキリ書かないことも問題です。ファクトチェックを厳しくやらないので、安倍政権の『言ったもん勝ち』になってしまっています」
絶対に成立させてはいけない(C)日刊ゲンダイ
隠す、ごまかす、ウソをつくから信用できない |
共謀罪法案は、行動に移してもいない「内心の意思」が罰せられる。警察の監視は強まるし、犯罪の「準備行為」とみなされれば処罰されるから、その手前の段階で、国民を萎縮させる効果がある。現代の治安維持法と呼ばれるゆえんである。
だからこの法案は絶対に成立させてはならないのだが、とりわけ安倍政権にはやらせてはいけない。
日刊ゲンダイのインタビューで日弁連の共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士がこう強調していたことを思い出す。
〈共謀罪法案は、特定秘密保護法、安保法制に続く、第2次安倍政権の総仕上げに当たる法案。安倍政権は「日本を戦争のできる国」「戦争をする国」にしたい。今後、集団的自衛権に基づいて、自衛隊が海外派兵され、現地での戦闘行為が予想されます。自衛隊員に死者が出るかもしれない。そうすると国民から戦争反対の声が上がりますよね。そこで、戦争反対という運動を弾圧する手段が必要であり、そのための武器が共謀罪なのです〉
安倍政権にやらせてはいけない理由はこれだけじゃない。この政権は真実を隠す。ごまかす。ウソをつく。だから危ない。
防衛省が自衛隊の日報を隠蔽し、財務省が森友問題での交渉記録を廃棄して、説明責任から逃げたのはその象徴だ。
共謀罪の「組織的犯罪集団」の定義についても、安倍は「一般の方が対象になることはない」と言うが、途中から集団の目的が変われば対象となる。一般人だって無関係ではないのに、国民をケムに巻くのは不誠実極まりない。
そもそもが「テロ対策」は世論を納得させるための後づけだ。東京地検の公安部長としてテロ対策を練っていたという若狭衆院議員のように、自民党の中からでさえ「共謀罪法案はテロ対策の実行性に乏しい」という声が上がっているじゃないか。こんなペテン政権のやることを信じられるわけがない。
■「現実」を認定できない政権が「未遂」を摘発する恐怖
「法案の問題点にまともに向き合うことをせず、もともと、国際マフィアのマネーロンダリング対策などのための条約を『テロ対策で必要』だとウソをついてまで法案を通そうとする政権です。法律が成立してしまえば、『共謀があった』とウソをついて摘発するだろうことは想像に難くありません。つまり、安倍政権というのはきちんとした『現実認定』のできない政権なのです。現実をねじ曲げる政権が、現実になっていない未遂の事象について『共謀である』とどうやって認定するのでしょう。恣意的な言いがかりがまかり通ることになりかねません」(中野晃一氏=前出)
20日の朝日新聞で「共謀罪」について作家の半藤一利氏がこう言っていた。
〈歴史には後戻りができなくなる「ノー・リータン・ポイント」があるが、今の日本はかなり危険なところまで来てしまっていると思う〉
〈「今と昔とでは時代が違う」と言う人もいるが、私はそうは思わない。太平洋戦争が始まる数年前までは明るかった。それが窮屈になるのは、あっという間だった〉
実に重い言葉だ。共謀罪が成立したら、この国はもう後戻りできなくなる。その現実をどれだけの国民が分かっているのだろうか。
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