http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/449.html
Tweet |
トランプ米国の「力による平和」に盲目追随でいいのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/203933
2017年4月20日 日刊ゲンダイ 文字お越し
ロナルド・レーガン艦上で大演説(ペンス副大統領)/(C)AP
「ミサイル発射情報、当地域に着弾する可能性があります」――。宮城県大崎市で19日、防災行政無線を通じてこうした一斉放送が流れ、市に600件以上の電話が殺到する大騒ぎになった。原因はJアラート(全国瞬時警報システム)の設定ミス。北朝鮮情勢の緊迫化を受けて、市が独自に実施した試験が裏目に出てしまった格好なのだが、一般市民の恐怖心を煽っているのが来日した米国のナンバー2なのだから、メチャクチャだ。
2月の日米首脳会談で設置が決まった経済対話の初会合に出席するため、18日に日本入りしたペンス副大統領。麻生副総理兼財務相と1時間ほど会談したが、トランプ政権の閣僚人事の遅れなどから、具体的な議論は次回に持ち越し。ところが、その後の共同会見で「対話で学んだことを踏まえて、FTA(自由貿易協定)の交渉が始まることになるかもしれない」と市場開放を迫り、TPP一本やりの麻生をやり込めた。
それ以上に強烈だったのが、安倍首相との会談で飛び出した「平和は力によってのみ初めて達成される」という好戦的なメッセージだ。
19日は米海軍横須賀基地に足を延ばし、原子力空母ロナルド・レーガンに乗艦。軍事力の象徴である空母の艦上で米兵や海上自衛隊員約2600人を前に演説をぶち、「米国は力の道を選ぶ」と重ねて強調。「いかなる攻撃も圧倒的な対抗措置で撃退する」と語気を荒らげた。世界最強の軍事力を誇る米国。それも、「アメリカ・ファースト」を連呼するトランプ大統領を支える閣僚による発言なのだから、金正恩朝鮮労働党委員長にしてみれば恫喝そのもの。米国に逆らう者は許さない、徹底的に叩き潰してやる――。恐るべき言い草ではないか。
■場当たり外交も共通
「核戦争の一歩手前まで迫ったキューバ危機を経験した米国が、自国を攻撃する核兵器を持とうとする国に手加減するわけがありません。北朝鮮は米国を再び存亡の機に陥れるリスクをはらんでいる。米本土が死活的脅威にさらされる二の舞いだけは、避けなければならない。トランプ政権が強硬発言を繰り返すのは、米国がそれだけ厳しい状況に追い込まれている裏返しでしょう」(外交評論家の小山貴氏)
確かに、理想論では国際政治を動かせないという現実がある。まして、相手は大量破壊兵器の保有を誇示し、外交交渉の駆け引きに利用する狂った独裁者だ。しかし、そうはいっても、軍事的優位性だけで強引に秩序をこしらえたところで、しょせんは一時しのぎ。限界がある。パワーバランスがひとたび崩れれば逆戻りだ。
トランプの短絡的な思考回路には背筋が寒くなるが、安倍はそれに同調しているからゾッとする。ペンスとの会談で対北政策を「評価する」と持ち上げ、「対話のための対話になっては意味がない。圧力をかけることも必要」と全面的に支持。大局もへったくれもなく、盲目的に米国に追随し、米国と一緒になって“朝鮮半島の火薬庫”に軍事的圧力をかけている。
そんな場当たり外交で問題を解決できるとは到底考えられない。大体、安倍外交には一貫性がない。2013年、オバマ政権からシリア攻撃を打診された時には化学兵器使用の証拠を求めたにもかかわらず、昨年12月にG7がまとめたアサド政権とロシアへの非難声明には賛同を拒否。直後に訪日を控えていたプーチン大統領の顔色をうかがったのだ。
そのくせ、トランプ政権によるシリア攻撃にはすぐさま反応。「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米政府の決意を、日本政府は支持する」とチンプンカンプンなエールを送った。論理的に導き出される国益よりも、目先の人間関係を優先しているのだ。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏はこう言う。
「トランプ大統領には、北朝鮮問題を解決する具体的な戦略があるとは思えません。言い回しを微妙に変えながら、トーンを上げているだけです。何をどうするか、具体的な言及はまったくない。ついにはレッドラインの線引きも、曖昧になってきています」
米国主導の介入の失敗はイラク、リビア、アフガニスタンがいい例だ。圧倒的な軍事力による強制的なレジームチェンジで、ますます混乱が増幅。過激派組織の台頭を招いて、テロを誘発している。
圧力イコール抑止力という単細胞の似た者同士のトランプと安倍。無定見のタカ派路線は狂気の沙汰としか言いようがない。実際、米国にひたすら追従する日本に北朝鮮は激怒。「朝鮮半島で戦争が起きれば、日本に一番被害が及ぶ」と脅しをかけてきている。
トランプのイエスマン(C)日刊ゲンダイ
ワシントンで流れる「消費税凍結」要求 |
亡国政治の代償はそれだけでは済まない。トランプに安全保障をガッチリ握られてしまった。これに味を占め、経済的なプレッシャーを強めてくる。安倍政権が自らセットした経済対話を利用して攻められるのは必至だ。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「トランプ大統領は29日に就任100日目を迎えますが、支持率の下落傾向に歯止めがかからず焦りを強めています。北朝鮮への圧力は地政学リスクを煽ることで日中の安全保障体制を揺さぶり、経済的な取引を成立させる思惑が見え隠れします。くせ者なのが、ペンス副大統領と同時に来日したロス商務長官です。トランプ大統領に最も近い友人のひとりで、トランプ氏の意向を伝えるメッセンジャーだといわれている。安倍首相も麻生財務相もペンス副大統領との会談後はご機嫌だったのに、ロス氏と会った後、ともにムッツリと表情を一変させていたと聞きます。米国からすればFTA締結は既定路線ですし、中国の金融危機に備えた中国保有の米国債買い入れ案については、オバマ政権時代からの積み残し。となると、想定していなかった、相当に厳しい要求を突き付けられたのではないか」
■トランプ米国の「力による平和」に盲目追随でいいのか
ワシントンではこんな情報が流れているという。
「ロス商務長官が日本に消費税凍結を求めるという話です。冷え込む消費喚起には付加価値税が邪魔だ、日本で米国製品が売れないのは消費税のせいだという理屈なのです。共和党が輸出企業の法人税負担を軽減する国境税調整の策定を検討しています。これには輸出相手国が導入するVAT(付加価値税)が障害になる。常識外れで米国第一主義のトランプ大統領のことですから、トンデモ情報とも言い切れません」(国際金融関係者)
内政にやすやすと手を突っ込まれ、カネをむしり取られる。揚げ句に国際社会ではトランプとともに非難の的にされる。おかしな連中が国内に入り込み、面倒を起こそうとするかもしれない。そうなれば、安倍はまたぞろテロ対策の強化にそうした動きを利用し、共謀罪の成立を急ぐ材料に使おうとするだろう。向かう先は監視社会だ。この国は完全に狂った方向に進み出している。
米副大統領が空母で演説、「力の道選んだ」20170419NEWS23
米副大統領が空母で演説、「力の道選んだ」2017041... 投稿者 gomizeromirai
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK224掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。