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◆ 北朝鮮への先制攻撃論の正体 ◆ー(兵頭正俊氏)
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16th Apr 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
現在の日本で、もっとも幸福な人種がいるのは永田町であろう。
国会議員の多くは、北朝鮮の攻撃から国民を守ることよりも、遊びに忙しいようだ。
われらの安倍晋三は、新宿御苑で夫婦で花見を楽しみ、
「風雪に 耐えて5年の 八重桜」と詠んだ。
安倍晋三に耐えているのは国民だと思うが。
「常に困難はあります。しかし、みんなで協力して頑張っていけば、
今日のこの日のように桜を見ることができるんだろうと思います」というが、
ついにタダの桜を見ることが、
何かいいことのように首相がしゃべる時代になった。
桜は政治の成果ではない。桜を見たところで、別に暮らしが楽になるわけではない。
「子供たちには、家庭の事情にかかわらず、
夢に向かって羽ばたいてほしいと思います」というのも、
出来もしないことを語っている。
親の経済状態で多くの子供は、世界一授業料の高い大学進学を諦める。
かりに入ってしまえばローンの返済に苦しめられる。
羽ばたく翼をもぎ取り、夢を奪った総理が、
「夢に向かって」とは、何と残酷な言葉だろう。
「お年寄りも若者も、女性も男性も、障害がある方も難病に苦しんでいる方も、
そして失敗に悩んできた人も、みんなにチャンスがある」とは、
どこの国のことだろうか。少なくとも日本ではない。
安倍晋三ほど言葉と現実の乖離した人間はいない。
総理がこんな調子では、閣僚にも何の緊張感もない。
なんちゃって防衛相の稲田朋美がゴールデンウィークにお約束の外遊をやる。
戦争の危機に遭っても、防衛大臣が国民に先んじて遊ぶ。
もしかすると北朝鮮のミサイルで日本の米軍基地や原発が攻撃されるかもしれない。
国民や自衛隊の死者がでるかもしれない。
そんなときに、なんちゃって防衛相は、
「東南アジアとの防衛協力を強化する」とかたいそうな大義名分をたてて、
5月上旬にベトナム、タイなどを訪問する。
税金を使った、おそらく最後のVIP扱いの海外旅行だから、
行かなきゃ損という思いなのだろう。
ベトナムやタイも、極東の状況に固唾を呑んでいるときに、
日本の防衛大臣が我関せず焉とやってきて、さぞかし驚くだろう。
あんまり悲しくて笑えてくる。おそらくこの国の戦死には、
今後、「自己責任」の言葉が投げつけられるのだ。
国民に人権があることはおかしいそうだから、戦死が自己責任になる可能性は高い。
極東の緊迫と日本政治の腐敗に目を向けていたところが、
ユナイテッド航空の、力ずくの乗客引きずり下ろし事件が起きた。
無抵抗のまま暴力を受けたデイビッド・ダオは、
ケンタッキーに住む中国・ベトナム系の医師だった。
暴力的に降ろされるとき、脳しんとうを起こし、鼻の骨折、前歯が折れるなどの
けがを負っていた。
訴訟になるのを恐れたユナイテッド航空が10分後に飛行機に戻したとき、
デイビッド・ダオは「わたしはかれらに殺される」と呟いていた。
どうやら訴訟になるようだ。
ユナイテッド航空は、コンピュータで4人の降ろす乗客を選んだというが、
動画を見ると、乗客のほとんどは白人である。
なぜ4人ともアジア人になったのか。
おそらくコンピューターで有色人種を選んだのだろう。
人種差別といわれても仕方あるまい。
【閲覧注意】ユナイテッド航空、乗客を引きずり下ろす!
https://www.youtube.com/watch?v=nnDvjxsrggM
【中国経済 最新】ユナイテッド航空の過剰予約でアジア人だけを選び
強制的に引きずり降ろし暴行! 露骨な人種差別だと炎上中 douga yukaina 中国編
https://www.youtube.com/watch?v=Y3cR_Sg-W7U
こういう米国の姿勢が現在の北朝鮮への先制攻撃にも見られる。
人口過密の日韓に甚大な被害が予測される状況で、
よくも先制攻撃など発想できるものだ。
iano が、ツイッターで次の項目でアンケートをとっていた。
「(1) アメリカが北朝鮮に先制攻撃をする。日本にミサイルは飛んでこない。
(2) アメリカは北朝鮮に先制攻撃をしない。現状維持。
(3) アメリカが北朝鮮に先制攻撃をする。日本にミサイルが飛んでくるが届かない。
(4) アメリカが北朝鮮に先制攻撃をする。日本にミサイルが着弾。大惨事となる」
(引用終わり)
アンケート結果は(1)が9%で、(2)が38%、(3)が11%、(4)が42%だった。
つまり(4) の「アメリカが北朝鮮に先制攻撃をする。
日本にミサイルが着弾。大惨事となる」がもっとも多い。
現在の「恐い」「不安」といった国民感情をよく捉えていると思う。
現在の米国の意図は、次の3点のどれかだろう。
1 米国の経済的な実利を狙ったパフォーマンスである。
目的は韓国の大統領選で親中・親北の候補を落選させ、
親米派の候補を勝たせることにある。
また、日韓両国に、今後、THAAD(終末高高度)ミサイル防衛システムその他、
膨大な兵器を購入させる。
これは、現時点で、すでに達成可能になっている。
2 米国の狙いは、北朝鮮に対する中国仲介に、てこ入れするものである。
北朝鮮指導部を震え上がらせ、北朝鮮を交渉と譲歩に追い込む。
この場合、北朝鮮は核兵器開発の中止が求められる。金王朝は存続する。
3 米国は本気で、あくまでも金王朝の殲滅を目指している。
米軍産には過去の交渉が、ただ北朝鮮の時間稼ぎにすぎなかったという総括がある。
米本土に到達するICBMが完成する前に北朝鮮を殲滅する。
米国の意図は、以上の3つのどれかに落着しそうだ。
実は、北朝鮮の存続は、米中で利害が一致している。
中国は緩衝地帯として北朝鮮を必要としている。
米国は、北朝鮮の脅威を煽って、日韓に対米隷属を強制し、
大量の兵器を購入させ続けられる。
すると「2」の可能性が高い。
しかし、金正恩が若いので、譲歩が可能かどうか。
今日(4月16日)も実験ミサイルを日本海に向けて発射している。
過去の高圧的な反米言動が、重くのしかかっている筈だ。
「3」の可能性もけっして弱くない。
北朝鮮を徹底的に破壊し尽くせば、そのあとの復興を日本の資金でやり、
米国の企業が復興特需で大儲けするといった構図を描けるからだ。
この「3」の構想については、2014年にも、わたしは一度論じたことがある。
そのときは、元米中央情報局(CIA)上席分析官で、
現在コロンビア大学東アジア研究所・シニアリサーチフェローを務めている
スー・ミ・テリーの論文
「北朝鮮の崩壊を恐れるな──リスクを上回る半島統一の恩恵に目を向けよ」を
引用しながら論じた。
ここでは詳述しないが、この論文のなかで、スー・ミ・テリーが
次のように書いていることだけ再録しておく。
「北朝鮮には、総額6兆ドルの価値をもつ石炭、ウラン、マグネサイト、
レアメタル資源が存在する。現在はこうした資源を開発できずにいるが、
韓国の技術があれば、これらの鉱物資源を開発できるようになり、
資源の開発と輸出はグローバル経済の成長にも貢献することになるだろう」
(『Foreign Affairs Report』2014 NO.7)
(引用終わり)
米国の北朝鮮攻撃への根強い意志は、単に核兵器への警戒だけではないのである。
さらにウィキリークスの暴露によると、
早くから米韓両国は、北朝鮮の内部崩壊を、そして南北統一後の対応を協議していた。
「28日、ウィキリークスが独自に入手した約25万件のアメリカ外交文書のうち
一部を公開した。
公開されたのは、アメリカ国務省と世界各地の大使館が情報をやりとりした
外交公電で、そのうち約1万1千件は極秘文書とされている。
公開された文書の中には、北朝鮮の内部崩壊を視野に、
米国と韓国が南北統一後の対応を協議していたことや、
北朝鮮のウラン濃縮技術について中国高官が、
昨年の6月の段階で「まだ初期段階」と過小評価してアメリカに伝えていたこと。
更には、北朝鮮の金正日の後継者に決まった金正恩氏について、
少なくとも昨年2月時点まで、
中国は信じていなかったことなどが明らかにされている」
(「ウィキリークスの衝撃と情報戦」『日比野庵 新館』2010年12月1日)
(引用終わり)
内部崩壊がなければ、外部から崩壊させるという可能性が生まれてくる。
つまり「3」の実現だ。
もし米国が北朝鮮への先制攻撃をやるとすると、
「すべての爆弾の母」(MOAB モアブ Massive Ordnance Air Blast、
大規模爆風爆弾兵器 正式名称はGBU-43/B)といわれる超大型爆弾が
使われるかもしれない。
この情報が大切なのは、米軍が4月13日、
アフガニスタンの東部ナンガルハル州アチン地区で、
ISISに対して使ったからだけではない。
国防総省ばかりか、わざわざトランプまで記者会見でMOAB使用について触れ、
「またしても成功だ」と述べたからだ。つまり政治的使用だったのである。
MOABは、全長9メートル以上もある。
核以外の爆弾では、最強といわれる大型爆弾である。
それを米軍がこのタイミングではじめて実戦使用した。
これは明らかに北朝鮮への圧力であろう。
もしMOABを北朝鮮の都市部に投下すると、どれだけの死者が出るかしれない。
[実験映像]MOAB すべての爆弾の母 大規模爆風爆弾 The Mother Of All Bombs!
https://www.youtube.com/watch?v=4wKcRTtL0-8
フューチャーウェポン 恐怖の大規模爆弾
https://www.youtube.com/watch?v=R69tyWX-zFs
ちなみにロシアは、この「すべての爆弾の母」(MOAB)より、
さらに破壊力のある「すべての爆弾の父」といわれるMOABを所有している。
「米国がアフガニスタンで用いた「全ての爆弾の母」より強力な通常兵器を
ロシアは有している。米誌ナショナル・インタレストが報じた。
その兵器とは、「全ての爆弾の父」として知られる威力を高めた真空爆弾。
この爆弾は、「全ての爆弾の母」と俗に呼ばれる、
米国の通常兵器で最大の破壊力を誇る「GBU-43/B・大規模爆風爆弾」(MOAB)を
上回る。
全ての爆弾の父はMOABより小型だが、MOABの4倍ほどの破壊力、
つまり、40TNT換算トンを持つ。
さらに、ロシアの「父」の効果範囲は米国の「母」の2倍。
13日、米国はアフガニスタンのダーイシュ(イスラム国、IS)殲滅のため
超強力通常兵器MOABを初使用した。
(「米メディア ロシア製「全ての爆弾の父」について米政府に指摘【動画】」『Sputnik日本』2017年4月14日)
(引用終わり)
現在の緊迫した極東情勢を考えるとき、わたしたちは、
韓国はこぞって戦争に反対しているだろうと思いがちである。
しかし、そうでもないから、ややこしくなる。
ウィキリークスの暴露によると、韓国のキム・ヨンサム(金泳三)元大統領は、
08年に当時のバーシュボウ駐韓米国大使に会ったとき、
自分がビル・クリントンの北朝鮮寧辺(ニョンビョン)核施設爆撃計画を
阻止していなければ、今ごろ韓半島は非核化されていたはずだ、と述べたという。
「「私がビル・クリントン米大統領の(1994年)北朝鮮寧辺(ニョンビョン)
核施設爆撃計画を阻止していなければ、今ごろ韓半島は非核化されていたはずだ…」。
金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が08年に当時のバーシュボウ駐韓米国大使に会い、
このように打ち明けたという米国務省の外交公電が内務告発サイト
「ウィキリークス」を通して公開された。
94年の第1次北核危機当時、
米国の北朝鮮爆撃計画を金前大統領が引き止めたことは知られているが、
本人がこれを後悔しているということは初めて公開された事実だ。
ウィキリークスが公開した米外交公電25万1287件のうち、
こうした北朝鮮関連文書は数千件にのぼる。
北朝鮮に関する些細な情報も逃さず収集する米国の執拗さが分かる」
(「金泳三元大統領、米国の北朝鮮爆撃計画阻止を後悔…ウィキリークス」
『中央日報』2011年9月6日)
米国は、対米隷属利権を自国民の幸福より優先する日韓両国指導部を知り抜いている。
日本の野党は、安倍晋三に米国の北朝鮮への先制攻撃を止めさせなければならない。
それは日本国民を守るためだ。
安倍晋三がどうせやらないから、野党もやらないというのは、政治ではない。
安倍晋三がやらないといえば、それを国民に訴えるのである。
国民は、もし実際に北朝鮮から日本の米軍基地に、そして原発に攻撃があれば、
トランプを制止できなかった安倍晋三の責任であることに気付く。
それを国民に訴え、覚醒させるのだ。
何もしないというのは、トランプの背中を押した安倍と同じである。
野党の存在理由がない。
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