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森友疑獄を隠れ蓑 共謀罪とGPS捜査法が同時進行の恐怖
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/202723
2017年4月1日 日刊ゲンダイ 文字お越し
軍国主義者に武器を渡すな…(C)日刊ゲンダイ
歯向かう者は、国家権力を総動員して徹底的に弾圧する――。教育勅語を是認する大臣を抱え、戦前回帰を目指す安倍独裁政権の本性が垣間見えたようだ。31日行われた大阪府・市による学校法人「森友学園」への立ち入り調査。学園本部がある市内の「塚本幼稚園」には、早朝から黒スーツ姿の府職員らが列をなして建物内に入り、籠池泰典前理事長立ち会いの下、4時間近くにわたって資料の確認や聞き取りなどを行った。
学校法人に対する行政や捜査機関の立ち入り調査は、国の就学支援金を不正受給していた「ウィッツ青山学園高校」(三重・伊賀市)が記憶に新しいが、今回ほど物々しい雰囲気はなかった。森友も補助金の不正受給疑惑が浮上しているとはいえ、異例の大調査だ。
理由はハッキリしている。安倍政権は何が何でも籠池前理事長をフン縛り、「森友疑獄」を闇に葬り去りたい。そのためには、大阪地検特捜部を動かし、菅官房長官が会見で籠池発言に対する偽証告発について前向きな姿勢を見せるなど、なりふり構ってはいられないらしい。頭と胴体を食らおうと必死の“シッポ”を、政権があらゆる手段を用いて切り離そうとしているのがアリアリで、とても先進国の姿とは思えない。だが、この狡猾政権の恐ろしいところは、まだある。「森友疑獄」を隠れ蓑にして、さらなる“劇薬”を国民にのませようと企んでいることだ。3月21日に国会提出された現代の治安維持法と呼ばれる「共謀罪」(組織犯罪処罰法改正案)である。
■基本的人権を蹂躙する共謀罪
安倍首相は30日に公明党の山口那津男代表と首相官邸で会談した際、共謀罪について自民党が主張する今月6日からの審議入りを要請。山口代表が慎重姿勢を示し、協議は平行線をたどったものの、特定秘密保護法や安保法など、「強行採決」が常套手段であるオレ様政権だ。最後は公明をねじ伏せて突っ走るに違いない。しかし、日刊ゲンダイでも再三、指摘している通り、この法案は最悪だ。
政府は「五輪開催のため」「テロ対策」と屁理屈をこね上げているが、「組織的犯罪集団」の定義がいまだに曖昧な上、金田勝年法相の国会答弁はグダグダ。所管の大臣が法案内容をよくよく理解していないのに審議入りもヘッタクレもない。
政府は犯罪対象を当初の676から277に絞ったことを挙げ、過去3度も廃案に追い込まれた共謀罪とは異なる――と詭弁を弄している。しかし、例えば犯罪対象の中には、およそテロと関係がない「著作権法違反」なども含まれている。写真や文章をネットからダウンロードし、2次創作物を団体の宣伝ポスターに使って街頭で配ったら、「計画を共謀した」とみなされて逮捕なんて事態にもなりかねないのだ。また「組織的な威力業務妨害」という定義もあやふや。米軍基地建設の反対運動中に逮捕・起訴され、約5カ月間も長期勾留された沖縄平和運動センターの山城博治議長の容疑のひとつは「威力業務妨害罪」だった。自民党の石破茂元幹事長は、特定秘密保護法に反対する国会周辺の市民デモを「テロ行為」とブログに書き込んで問題となったが(後に撤回)、当局が「テロ」と決め付け、恣意的な運用を行う危険性が極めて高い。そして何よりも怖いのは、憲法で保障された集会、結社、表現、思想、良心の自由――といった基本的人権を蹂躙する内容だということだ。「共謀罪」は、刑法の大原則である「既遂行為」を処罰するのではなく、「計画」や「悪心」を処罰する内容に近い。ツイッターなどでつぶやいた内容が逮捕に直結する可能性も十分あり得る。犯罪前に逮捕されるのだから、当然、冤罪が多発するだろう。とてもじゃないが法治国家とは言えない。
特定秘密保護法や共謀罪の反対運動を展開している市民団体「武器輸出反対ネットワーク」の杉原浩司代表はこう言う。
「森友問題の経緯を見て感じたのは、当初は教育方法などを評価する答弁をしていた安倍政権が、一転して総力を挙げて森友を潰しにかかっている恐ろしい姿です。こういう政権だからこそ、なおさら、共謀罪を成立させてはいけないのです。武器輸出解禁、安保法、自衛隊の海外派兵容認……と、これまでの安倍政権の動きを見ていると、日中戦争の頃と似ています。政権がフリーハンドを握るため、事前に市民の反対運動を抑え込む仕組みを作ろうとしている。そういう思惑を感じます」
安倍サマ政権の大暴走を許せば、国民主権は奪われ、君主主権の時代に逆戻りする。
絶対に許したらダメ(C)日刊ゲンダイ
国家統制を強めるために共謀罪を使いたい |
レンタル大手の「ツタヤ」が指定管理者となった佐賀県武雄市の「TSUTAYA図書館」。3月上旬、市民が地元紙で市の図書館施策を批判する内容を投書したところ、市幹部がこの市民の自宅を“急襲”。さらに市議会の一般質問で、自民党の山口昌宏市議が投書した市民の実名を挙げて批判していたことが報じられた。
行政批判を口にしただけで、権力側が個人の思想や表現の自由に踏み込み、締め上げる。天皇と日本帝国軍を批判して不敬罪に問われた後、特高警察にスパイ容疑で逮捕され、虐殺された作家、小林多喜二の拷問死事件を彷彿とさせる話だ。「首相を侮辱した」という仰天理由で私人を証人喚問するトンデモ政権だから、決して絵空事ではない。共謀罪が成立すれば、武雄市のような人権無視が日本中で起きることになるのだ。
森友疑獄であらためて明らかになったのは、安倍政権がすり寄ってくる“お友達”に対しては陰に陽に便宜を図る一方で、反論は許さず、軍国主義化を目指して国家統制を強めていること。そして、その武器に共謀罪を使いたいのは明白だ。
■取り調べの可視化が、なぜか司法取引導入に
物証を得にくい共謀罪は電話やメールの盗聴・傍受が欠かせない。3月中旬、最高裁大法廷は、裁判所の令状を取らずに捜査対象者の車にGPS(全地球測位システム)を取りつける警察の捜査手法について「個人のプライバシーを侵害する」として違法判決を出した。捜査権の乱用を厳しく指弾したわけだが、共謀罪成立のためなら、どんな悪知恵でも働かすのが安倍政権。最高裁判決が、GPS捜査の令状について、現在の刑事訴訟法では対応が難しく、「新たな立法措置」を求めたことに対し、警察庁は「GPSを用いた捜査の在り方を検討したい」と即応していた。おそらく、今後、GPS捜査を合法化させる策をヒネリ出すつもりだ。
昨年5月に成立した「刑事司法改革関連法」も、当初は取り調べの可視化が叫ばれて議論が始まったはずなのに、いつの間にか「司法取引」や「通信傍受対象犯罪の拡大」など捜査機関の“焼け太り”につながった。GPS捜査についても、もっともらしい理由を付けて、当局が好き勝手に使える改正法案が出てくるだろう。
共謀罪に対する反対声明を公表した、国内の映画監督有志らでつくる「自由と生命を守る映画監督の会」の仲倉重郎代表はこう言う。
「『普通の市民団体でも、性質を変えた場合は(共謀罪が)適用される』とあり、市民運動や労働運動などが監視・弾圧の対象となる危険性はぬぐえません。行き着く先は自由が奪われた監視社会であり、戦前、戦中に思想・言論弾圧に猛威を振るった治安維持法と同じで、当時、モノが言えない戦争国家がつくられていったことが忘れられません。集団的自衛権の行使容認以降、日本は戦争できる国への道を歩んでいる。共謀罪はさらなる危険な自由弾圧で、決して認めてはいけません」
1億総監視の恐怖社会なんて、絶対、実現させるわけにはいかない。
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