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[風見鶏]ファーストレディーの研究
アッキーの愛称で親しまれている安倍晋三首相の昭恵夫人がすっかり時の人となっている。学校法人「森友学園」との関係が取り沙汰され、騒ぎの渦中に巻き込まれているためで、首相夫人のあり方にも関心が高まった。首相夫人とはいったいどのような存在なのだろうか。
歴代の首相夫人を振り返ると、おおむね3つのタイプに分類される。
まず第一が良妻賢母型。地元の後援会や家庭をしっかりと守り、3歩下がって夫に付きしたがう。日本のファーストレディーの基本形だ。
たとえば、内助の功で知られた橋本龍太郎元首相の久美子夫人。地元でも「票獲得への奥さんの貢献は大きい」と評判だった。一方で「私は政治家ではなく妻であり母」として政策や政治の話は控えていた(本紙『人間発見』)。
第二は夫も顔負けの政治家型。代表例が三木武夫元首相の睦子夫人だ。
睦子夫人は改憲に反対する「9条の会」を立ち上げるなど、リベラルな政治活動を展開した。若い政治家を育てることにも情熱を傾け、薫陶を受けた政治家は少なくない。特に海部俊樹元首相は秘蔵っ子としてかわいがられた。
菅直人元首相の伸子夫人もこのタイプだ。直人氏と激しい政治談義を交わす根っからの政治好き。演説もうまく、党内では「伸子さんが首相をやった方がいい」(官房長官経験者)と言われたほどだ。
3つめが自由奔放型だ。政治家の妻の枠を超え「私らしさ」を追求する。夫は妻の行動を放任する。そのさきがけは、鳩山由紀夫元首相の幸夫人だ。元タカラジェンヌで、人目をひくパフォーマンスが得意。米CNNは「風変わりなファーストレディー」と報じた。
昭恵夫人もこの型に分類されるだろう。「家庭内野党」を宣言し、反原発など政権と真っ向から対立する主張や活動を展開。森友学園にとどまらず、2ケタを超える団体やイベントで名誉職を務めてきた。まわりの反対を押し切って東京・神田に居酒屋も開いた。
アンチ安倍の市民活動家とも笑顔で握手する気さくな姿は、首相の保守イメージをやわらげ、バランサーの役割も果たしてきた。
一方で、社会に大きな影響力を持つ首相夫人は、容易に広告塔として利用されうる立場にある。昭恵夫人の自由な振るまいは天真爛漫(らんまん)と称された。だが本来は、社会に出れば、だれもが立場に応じた義務と責任を負い、時には自制も求められる。首相夫人ならなおさらだ。森友問題で夫妻の名前が出てくること自体、政権の危機管理には問題があったし、首相が推進する女性活躍社会の足をひっぱる恐れもある。
「国政にたずさわる者を送り出すためには、自分の身を捨てても無我夢中でやる」――。安倍首相の母である洋子氏は、自著『わたしの安倍晋太郎』で政治家の妻としての厳しい覚悟を説く。洋子氏は岸信介元首相の長女で、安倍晋太郎元外相の妻。政治家3代を支えた政界のゴッドマザーとよばれる存在だ。
最近、首相の日常に変化が起きた。普段は公邸でなく私邸である渋谷区のマンションに帰る首相。上階にある洋子氏の部屋で昭恵夫人と共に朝食をとるのが日課という。ところが先週から平日は連日公邸に泊まる異例の事態が続いている。
「洋子お母さんが森友問題で怒っている。首相が公邸に寝泊まりしているのはそのためだ」と首相側近。ファーストレディーのあり方論に火を付けた森友問題は、安倍家の家庭内攻防にまで飛び火したようだ。
(政治部次長 桃井裕理)
[日経新聞3月19日朝刊P.5]
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