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「敵基地攻撃能力」には意味がない4つの理由 自衛隊:ソ連・中国の進出を阻止 森友学園の子供たちはヒトラー礼賛と米国人学者
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/747.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 23 日 02:49:05: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

「敵基地攻撃能力」には意味がない4つの理由
投資すべき分野は他にいくらでもある
2017.3.22(水) 部谷 直亮
ミサイル発射は「在日米軍基地狙った演習」 北朝鮮国営通信
北朝鮮が軍事演習で発射した弾道ミサイルを撮影したとされる朝鮮中央テレビ(KCTV)の映像(撮影地不明、2017年3月7日公開、資料写真)。(c)AFP/KCTV〔AFPBB News〕
近年、政府与党内や一部の野党も含めた永田町界隈で「敵基地攻撃能力」を保有するべきとの意見が盛り上がっている。

稲田防衛大臣は3月9日の衆院安全保障委員会で、敵地攻撃能力の保有を示唆した。また、3月8日のロイター通信は「(敵基地攻撃能力保有について)自民党は、抑止力が高まるとして今年夏前までに政府への提言を再びまとめる考えだ」と報じている。

背景にあるのは、ミサイル攻撃力を顕著に高めている北朝鮮の存在である。そして東シナ海で日本を威嚇し、日本を射程圏内に収める弾道ミサイルを大量に配備している中国の脅威もある。「敵基地攻撃能力」の保有を唱える人々はそうした背景を踏まえ、(1)抑止力が向上する、(2)MD(Missile Defense:ミサイル防衛)を配備するよりもコストが安くつく、としている。

しかし実際には、“現時点での”敵基地攻撃能力は、抑止力を向上させることはないし、コストは安いものではない。

以下では、敵基地攻撃能力の構築には意味がない4つの大きな理由を見てみよう。

【理由:その1】米国が敵地攻撃を許さない

仮に北朝鮮なり中国への敵基地攻撃を実施する必要に迫られたとしよう。そこで日本政府は敵地攻撃を敢行できるのだろうか。結論から言えば無理だろう。

北朝鮮への攻撃の場合は米中韓が、中国への場合は米国が間違いなく強硬に停止を求めてくるからだ。日本の都合で予期しない全面戦争への引き金を起こされて喜ぶ国はない。

実際、韓国は2010年3月の天安事件や10月の延坪島事件に際して、米国の圧力によって報復できなかった(延坪島事件では即応の砲撃のみ実施)。ゲーツ元国防長官は回顧録で、韓国側が空爆・砲撃を実施しようとしたが、大統領、国務長官、国防長官、JCS議長が何日間も電話して辞めさせたと述べている。

要するに日本単独で使用できる状況はほとんどないのである。

【理由:その2】相手の全面攻撃を惹起しかねない

エスカレーション管理上の懸念もある。政経中枢地域や軍事施設などへの攻撃は相手の反撃を呼ぶことを忘れてはならない。中国の場合は、たとえOTHレーダーのような施設であっても、本土への攻撃を許したことで間違いなくナショナリズムが沸騰し、指導部は責任問題を恐れるために何百発ものミサイル攻撃や重要施設へのゲリラコマンド攻撃を選択するだろう。

また、北朝鮮の場合は、ミサイル戦力等が破壊されることによるダメージを軽減するために、もしくは権威の象徴である建造物(日本のわずかな戦力で軍事以外の固定目標を狙うならそこだが)を破壊されたことによる威信の低下を補うために、一気に弾道ミサイル攻撃に踏み切るだろう。その場合、MDでは対応不可能な何十発(下手をすれば百発以上)もの攻撃となり、国民保護体制の整っていない日本としては重大な事態になりかねない。

この意味でも、やはり敵地攻撃能力は使い方が難しい。

【理由:その3】北朝鮮のミサイル発射機の捕捉は困難

現在議論に上がっている敵地攻撃能力は航空機による空爆もしくは巡航ミサイルである。だが、これらは着弾まで1〜2時間かかることを忘れてはならない。

当然、北朝鮮側は各種通信傍受やレーダーで監視しているだろうし、日本各地で監視している工作員などが、爆装したF-2支援戦闘機の発進や巡航ミサイルの発射を報じるであろう。それによって北朝鮮の弾道ミサイル部隊はさっさと移動し、防空壕に退避してしまうだろう。

北朝鮮のミサイル戦力の大部分は車載式である。そして、彼らは国中で強靭な防空壕を建設している。たとえ防空壕に入らなくても、移動する車両を航空機で射貫くのは難しく、固定目標を前提とする巡航ミサイルでは不可能である。なぜならば、発見から攻撃までの時間がわずか30分だとしても、スカッドミサイル発射機の車両は最大時速60キロメートルなので、30キロメートル移動してしまう。1時間ならば60キロメートル移動してしまうのだ(注)。

実際、あの米軍ですら、湾岸戦争やイラク戦争で大々的なスカッドミサイル狩りを繰り返し敢行したが、湾岸戦争ではデコイやタンクローリーばかりを破壊するにとどまるか、発射を探知しても攻撃機が間に合わなかったという。イラク戦争では55%の発射機の破壊に成功したが、それでも第一撃の発射を阻止できてない(注)。

特に北朝鮮は、平地の多いイラクと違って山岳に恵まれている。また、イラク軍と異なり、デコイと防空壕の配備に抜かりなく、GPS妨害等の電子戦能力も高い。そんな北朝鮮の移動式ミサイル発射機を、米軍に比べて質量ともに不十分な航空自衛隊の攻撃力で壊滅させられるだろうか(最新の米国防総省の報告書によれば北朝鮮の弾道ミサイルの移動式発射機は200を超えるとされている)。

(注)高橋杉雄「専守防衛下の敵地攻撃能力をめぐって――弾道ミサイル脅威への1つの対応――」『防衛研究所紀要』第8巻第1号、2005年10月、105〜121ページ。

【理由:その4】莫大なコストがかかる

何より、敵基地攻撃能力は莫大なコストがかかる。ミサイル防衛よりも安いというのは大きな誤りである。

一口に「敵基地攻撃能力」と言っても、以下の通り必要なアセットは多岐にわたる。

・偵察衛星の新たな打ち上げ
・対地早期警戒管制機の配備
・グローバルホークのような無人偵察機の増勢
・敵防空網を制圧するSEAD機部隊の配備と人員の教育
・巡航ミサイル部隊の編制
・電子戦機(現状は老朽化したYS-11やC-1改造の訓練機が若干あるのみ)の増勢
・偵察・電子戦機の護衛部隊の編制と訓練
・有人機が墜落した際のパイロット救出のための体制構築

これらには言うまでもなく高額なコストがかかる。また、これらを揃えたとしても破壊できる発射機はたかが知れている。そもそも、これらが戦力化するのは早くて2030年以降だろうが、その時期に日本の財政はもっているのか。これらの維持費や後年度負担は膨大な額であり、防衛費を2倍にしても追いつかない。北朝鮮という国家自体が存続しているのかという根本的な疑問も拭い去れない。

日本が注力すべき2つの施策とは

このように考えてみれば、日本の敵基地攻撃能力に実効性がないことは明らかである。では、いかにして北朝鮮などの弾道ミサイル戦力に備えるべきか。MDを単純に強化するというのもすでに限界なのは、指摘としてもっともな面も多い(将来的なレーザー方式は別として)。

第1に注力すべきは、やはりサイバー戦能力の構築である。

例えば米国は、リビア空爆に際して敵防空網制圧にサイバー攻撃を検討した(政治的判断で実施はしなかった)。また、イスラエルはイランの核濃縮施設の遠心分離機をスタックスネットで破壊している。

サイバー戦能力は、優秀なハッカー集団を獲得し組織化することによって構築できる。確かに設備投資や何より人件費は必要だが、100億円以上のF-35を1機増やすよりは費用対効果ははるかに上回る。何よりも北朝鮮軍は上意下達であることを考えれば、ミサイル軍と党指導部間の通信網の切断やサイバー部隊への打撃はきわめて有効であり、それこそ大きな抑止力となるだろう。今や我が国よりも電子ネットワークに大きく依存した作戦展開を行っている中国軍への有効性の高さは言うまでもない。

第2に注力すべきなのは、日本における国民保護計画の見直しである。現状の国民保護計画は非常にお粗末であり、そもそも訓練もほとんど行われていない。我々はそうした現状を冷静に見つめ、ミサイル防衛や敵基地攻撃の効果の限界を受け止めなければならない。つまり、着弾を前提とした被害極限の施策を充実させる必要があるということである。

繰り返しになるが、現状で議論されている敵基地攻撃能力は、本当に必要な装備や人への投資を阻害し、その高額な維持費で少ない予算をさらに圧迫する有害無益なものでしかなく、むしろ抑止力を低下させかねない。そろそろ、脊髄反射的に一手先を議論するのではなく、実効性や相手の反応や維持費も含めた二手三手先を読んだ防衛論議に移行すべき時期だろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49480

徹底解説自衛隊:ソ連・中国の進出を阻止した実力
自衛隊の歴史を読み直す(2)〜国内における行動実績
2017.3.22(水) 田中 伸昌
さよなら国立競技場、ブルーインパルスが展示飛行
国立競技場(東京都新宿区)が解体されるのを前に、上空を展示飛行する航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス(Blue Impulse)」(2014年5月31日撮影)〔AFPBB News〕
先週から毎週水曜日にお伝えしている徹底解説自衛隊。前回は終戦後に自衛隊がなぜ創設されたのか、その経緯を詳しく述べた。

また朝鮮戦争を契機として、我が国の防衛産業が産業として確立、世界トップレベルの実力を手にするところまでを見てきた。

今回は、冷戦期から中国軍の海洋進出が激しくなるまで、航空自衛隊と海上自衛隊が果たしてきた役割を解説する。ソ連と中国の圧力をはねつけてきた実力に迫る。

航空自衛隊による対領空侵犯措置

自衛隊法において、防衛大臣は、「国際法に違反又は航空法その他の法令に違反して我が国領域上空に侵入した外国の航空機に対して、着陸又は領域上空から退去させるための必要な措置を取らせるよう自衛隊の部隊に命じることができる」と規定されており、航空自衛隊がその任に当たっている。

この任務を遂行するために航空自衛隊は、北海道から沖縄まで日本全土の空域をカバーするよう山頂または離島などに設置されている全国28か所のレーダーサイトで昼夜を問わず24時間空域を監視している。

国籍不明と識別された航空機に対して、北海道千歳基地から沖縄那覇基地に至る全国7か所の航空基地で昼夜を問わず緊急発進できる2機態勢で待機している要撃機を発進させ、国籍の確認など、法に則った措置を実施している。

航空自衛隊は、昭和33年(1958年)に米軍から対領空侵犯措置任務を引き継いで今日に至るが、平成27年(2015年)度までの57年間において航空自衛隊が実施した対領空侵犯措置のための緊急発進回数は、合計2万5072回に及び、単純平均すれば1年あたり約440回緊急発進していることになる。

これをさらに分析すると、国際情勢の変化および我が国を取り巻く安全保障環境の変化に応じた次のような特徴がみられる。

第1期:昭和33(1958)〜昭和50(1975)年

朝鮮戦争休戦協定成立(1953年)後の一時的な米ソの雪解け時期を経て、キューバ危機による米ソ対立、米ソ代理戦争といわれるベトナム戦争とその終結(1975年)、中国とソ連の対立など、冷戦は複雑な変容を遂げる。

米ソが部分的核実験禁止条約を結び、その後戦略兵器制限交渉を開始するなどデタントへと向かった時代である。

我が国周辺においては、ソ連軍の活発な行動は見られず、この期間における空自機による緊急発進回数は比較的少なく、昭和33年から昭和50年までの18年間で5043回であり1年あたりでは約280回である。

第2期:昭和51(1976)〜平成3(1991)年

ベトナム戦争終結の翌年(1976年)からソ連邦の消滅(1991年)によって名実ともに冷戦が終了するまでの16年間である。この期間、空自機の緊急発進回数は最も多く、16年間で1万2082回に上る。

単純平均では1年あたり755回に上る。実に毎日2基地以上で緊急発進をしていることになる。この時代、日本周辺を飛行する軍用機はソ連空軍をおいてほかになく、そのほとんどがソ連空軍機である。

1970年代後半から1980年代後半にかけての時期、ソ連軍は極東においても我が国周辺で活発な軍事活動を続けていた。

空軍機は日本列島周回飛行や偵察飛行、あるいは訓練や演習など極めて活発な飛行活動を実施しており、これらソ連軍航空機の領空侵犯の防止並びに警戒・監視のために空自機が緊急発進しているものである。

この時期、ソ連は中央アジアでアフガニスタンへ侵攻(1979年)したが勝利を収めることなく撤退し、作戦を終結(1989年)している。同じ時期、イラン―イラク戦争(1980〜88年)も生じている。

米国は、ソ連のアフガニスタン侵攻ではアフガニスタンを支援し、イラン―イラク戦争ではイラクを支援するなどいずれにも関与している。これらを通じて米ソの対立並びにイスラム主義国との対立或いはイスラム主義国同士の対立などを経て、ソ連の財政的疲弊そしてソ連邦の消滅へと向かい冷戦は終結した。

第3期:平成4(1992)〜平成21(2009)年

ソ連邦消滅(1991年12月)に伴うポスト冷戦の時代の始まりから平成21年(2009年)までの18年間は、日本周辺における航空活動が最も低調な時期であり、空自機による緊急発進回数は累計3943回であった。

これは単純平均で1年あたり219回という極めて少ない緊急発進回数である。それでも毎週4回ないし5回の緊急発進をしていることになる。

ヨーロッパにおいて冷戦は終わったが、アジアにおいてはかつての共産主義国ソ連に代わって中華人民共和国(以下、中国)並びに朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)が存在し、冷戦構造が主役を変えて存在し続けている。

ソ連邦消滅に伴い、かつての冷戦時のようなロシア機による領空侵犯の恐れのある飛行は極端に少なくなり、空自の緊急発進回数は冷戦中期〜後期のおよそ3分の1に激減している。

これは中国がいまだ軍事力の増強過程にあって、旧ソ連に取って代わる軍事力には至っておらず、日本周辺における軍事活動にはまだ制約があるということが1つの理由であろう。

中央アジアおよび中近東において、1998年に米英軍がイラクに対する空爆を実施(「砂漠の狐作戦」)した。

次いで、世界に衝撃を与えた2001年9月11日の米国同時多発テロが発生し、これに対して米英軍は国連安保理非難決議に基づきアフガニスタンに対する攻撃を開始した(後にNATO=北大西洋条約機構も作戦に参加)。

さらに2003年3月に米英軍はイラクに対する軍事行動を開始(イラク戦争)し、同年5月にこれを制圧し、イラクおよびアフガニスタンにおける戦闘の終結を宣言した。

このような中央アジアおよび中近東情勢や国際的なテロ活動の活発化の状況、並びに共産主義国ソ連の消滅とこれに代わる共産主義国中国が軍事力増強途上であることなどのために、我が国周辺における航空活動は極めて低調に推移し、従って空自機による領空侵犯対処のための緊急発進回数が極めて少なかったと言える。

第4期:平成22(2010)〜平成27(2015)年

平成27年度版防衛白書によれば、中国は1989年(注:6月天安門事件、12月米ソ首脳による冷戦終結宣言)から現在までほぼ一貫して毎年、国防費の対前年比伸び率10%以上を継続して軍事力の近代化・増強を図ってきた。

国防費の規模は1988年度から27年間で約41倍になっている。長期にわたるこの驚異的な国防費の増額の結果、陸海空軍戦力の近代化に伴う海軍の外洋活動の活発化、新たに設定された防空識別圏の適用に見合う空軍戦力の強化、さらには海警の増強など、近年における中国の軍事力、海上警備能力の強化は目を見張るものがある。

このような中で、平成22年度(2010年度)から平成27年度(2015年度)末までの空自機による緊急発進回数は、6年間で4004回あり、年平均すると667回/1年となる。これは冷戦中期から終末期における回数に次ぐ緊急発進の多さである。

緊急発進の対象となった航空機を国別の比率でみると、平成21年度:ロシア66%、中国13%、であったものが、平成22年度:ロシア68%、中国25%となっており、中国機に対する緊急発進回数が一挙に倍増している。

中国機に対する緊急発進回数は、その後も増え続け平成24年度においては、ロシア機44%に対して中国機54%となって中国機が過半数を占めるに至っている。

さらに平成27年度には、ロシア機33%に対して中国機65%となり、中国機に対する緊急発進回数がロシア機に対するものを凌駕しており、今後ともこの傾向は続くものと思われる。

この背景としては、平成4年2月(1992年2月)に中国が尖閣諸島を中国領と明記した「領海法」を公布した後強めてきた尖閣諸島の領有権主張と、この主張を象徴するような、平成22年(2010年)9月の尖閣諸島周辺の我が国領海内で起きた中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事案以降、南西方面の海上並びに航空における中国軍および海警の活動が活発化したことの表れであろう。

併せてそのような活動を可能にする近代化された装備の充実が、その背景にある。

海上自衛隊による我が国周辺海域の警戒・監視活動

海上自衛隊には航空自衛隊の平時における対領空侵犯措置のような任務は付与されていない。

しかし、我が国の領海および排他的経済水域における警察行動を主たる任務としている海上保安庁の対応能力を超えると判断される事態がある場合には、防衛大臣は海上自衛隊に海上警備行動を発令することができるとされている。

このような平時における対応、グレーゾーン事態への対応、そして有事における本格的な侵略事態への対応など、多様を極めるあらゆる事態に対して海上自衛隊が迅速・的確に対応するためには、平素から領海およびその周辺海域を警戒・監視するとともにその情報を的確に処理し対処できる態勢を取っておかなければならない。

警戒・監視の対象は、海上保安庁が民間の船舶であるのに対して、海上自衛隊は軍隊の艦船(空母、巡洋艦、駆逐艦等水上艦および潜水艦)及び誘導弾並びに武装した民間船舶である。

警戒・監視水域は排他的経済水域と防空識別圏とを勘案して決めている。海上自衛隊による警戒・監視は、固定翼航空機約80機、回転翼航空機約90機、護衛艦、哨戒艦艇および潜水艦などによって、24時間態勢で年間を通して、北海道周辺海域から日本海そして東シナ海に至る海域全てを哨戒している。

特記すべき事象は、2012年9月に一挙に延べ13隻の中国公船などが尖閣諸島周辺において領海侵入を繰り返し、中国はそれ以後今日まで、毎月延べ10隻内外(最大で28隻、最少で4隻)の領海侵入を恒常的に繰り返していることだろう。

これに対処する海上保安庁および海上の警戒・監視に当たる海上自衛隊、並びに航空から監視する航空自衛隊航空機の行動は極めて過密なものとなっている。

潜水艦の活動については基本的に公表されるものではないので、かつて冷戦期に極東ソ連海軍潜水艦の動向の捕捉に米海軍と共同で対処し、結果として戦争の抑止、ひいては冷戦の終結に貢献した事実を、元米国防省日本課長で米国ヴァンダービルト大学名誉教授ジェームス・E・アワー氏の論文から引用する。

ソ連との冷戦末期の10年間、日本と米国の対潜水艦哨戒機P3C、125機(内訳は日本が100機、米国が25機)が統合された作戦を切れ目なく展開し、ウラジオストクを母港とするソ連軍太平洋艦隊の潜水艦100隻の1隻ごとの動向を実際に把握していたという事実である。

そして、このようにソ連軍の潜水艦の所在地を常時、捕捉し続けていたという事実が、ソ連軍の軍事計画立案を複雑なものにし、結果として戦争の抑止につながった。

こうジム・アワー氏は述べている。海上自衛隊が冷戦を通じて培った潜水艦に対する監視能力並びに米軍との共同作戦能力は、今日の中国海軍の潜水艦に対する対処において十分に余りあるものであることは論を俟たない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49486

 

森友学園の子供たちはヒトラー礼賛だと米国人学者
別の学者は反論、アメリカに飛び火した森友学園問題
2017.3.22(水) 古森 義久
安倍首相、学校法人への国有地格安売却問題で関与を否定
衆院予算委員会に出席した安倍晋三首相(右、2017年2月24日撮影、資料写真)。(c)AFP/Kazuhiro NOGI〔AFPBB News〕
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る問題が国会で取り上げられ、議論の的となっている。その森友学園の子供たちの宣誓を「『ヒトラー万歳』と叫ぶのに等しい」と断ずる論文を、米国人の歴史学者が発表した。

この女性学者は慰安婦問題で日本を長年、糾弾してきた人物である。森友学園を政治団体の日本会議に結びつけ、日本会議が安倍晋三首相を支援して日本を戦前の軍国主義や帝国主義に戻そうとしていると非難している。

一方、この主張に対して別の米国人歴史学者は「不当な日本叩きだ」と反論する。

安倍首相をヒトラーになぞらえるダデン氏

米国コネチカット大学のアレクシス・ダデン教授はオーストラリアの国立大学が刊行する東アジアの政治経済誌「東アジア・フォーラム」のインターネット版(3月12日付)に「アベがスキャンダルにはまる」と題する論文を発表した。

ダデン氏は日本歴史の研究を専門とし、ここ10年以上、慰安婦問題で韓国の主張を全面的に支持して日本を頻繁に非難してきた。特に安倍首相を激しく糾弾し、「右翼」「軍国主義者」「裸の王様」などというレッテルを貼ってきた。

ダデン氏は同論文で森友学園の問題を取り上げて、安倍昭恵・首相夫人と学園の関わりなどを批判的な表現で伝えている。

同論文で特に目につくのは、森友学園の園児が父母や安倍首相への感謝や中韓両国への非難を右手をあげながら「宣誓」として述べる姿を、「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)の姿勢」に他ならないと主張している点だ。

「ハイル・ヒトラー」はナチス・ドイツ時代にヒトラー総統への忠誠を誓った言葉で、右手を45度ぐらいの角度であげる敬礼の際に発せられていた。ダデン氏は同論文の他の個所でも「子供たちのハイル・アベの敬礼」と書いており、安倍首相をヒトラーになぞらえる意図が明確である。

またダデン氏は、森友学園の前理事長、籠池泰典氏が日本会議の会員だったことにも言及し、森友学園の教えが、明治憲法下での「天皇崇拝の狂信(カルト)」や帝国主義、軍国主義を復活させようとする日本会議の教えを基礎にしているとも述べる。

日本会議当局は「森友学園とは関係がない」と言明し、現在の活動目標はすべて民主主義の枠内であり、軍国主義を排するとしている。だがダデン氏は、日本会議が日本の政治を牛耳っており、とくに安倍政権をコントロール下に置いていると主張する。

日本の子供は横断歩道を渡るときも手をあげる

一方、ダデン氏のこうした主張への反対意見もある。

米国ウィスコンシン大学で日本の歴史を研究したジェーソン・モーガン博士は、ダデン氏の今回の論文を全面的に批判する見解を発表した。

モーガン氏は「ダデン氏は学者ではなく政治活動家であり、韓国の意を体する形で安倍晋三氏を長年叩いてきた。安倍首相をヒトラーになぞらえる今回の論文もその種の日本叩き、安倍叩きだ」と述べた。

モーガン氏はダデン論文に対する反論を、ダデン論文を掲載した「東アジア・フォーラム」編集部に投稿した。同時にその内容をブログなどで公開している。

モーガン氏はその抗議文の中で「森友学園も安倍氏もヒトラーとは明らかに無関係だ。ダデン氏がハイル・ヒトラーと決めつける子供たちの手のあげ方は、ナチスなどとはなんの関係もない。日本の子供たちは横断歩道を渡るときも、安全のために手をあげる」と指摘していた。

日本の国会での森友学園論争が思いがけないところまで飛び火したと言えそうだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49490  

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コメント
 
1. 2017年3月23日 07:31:55 : DLADQcr7Yk : WNOOpbqJt9M[32]
産経小森が何か書いているが、アメリカ国内で産経の主張に同意する者はいない。

2. 2017年3月23日 10:28:45 : quMKleKEOA : apQvoj4eROs[96]
もしこの文章が言うように日本政府がそれほど米中韓の言いなりなら、
逆にアメリカや韓国が敵基地攻撃を指令した場合にも言いなりになるのだろうから
結局「敵基地攻撃能力」の準備は必要、という結論になってしまうではないですか

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