>>22、「教育勅語って、クサレGHQ超洗脳の賜物か、内容を知りもしないのに勝手にずっと悪いイメージを持ってたが、読んでみたら拍子抜けするほどマトモじゃん?」 とのことですが、それは、あんたが馬鹿な証拠ではありませんか? 全文読みましたか? 徳目だけ読んで言っているんじゃないでしょうね? 12番目の徳目(実は命令)の意味がよくわかってますか? 「どこが危険なのか説明してもらいたい」とのご希望ですので、以下にご説明しましょう。 教育勅語全文は以下の通りです。 「朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニコヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ演リニシテヘ育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス 爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦󠄁相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ學ヲ修メ業ヲ習󠄁ヒ以テ智能ヲ啓󠄁發シコ器ヲ成就シ進󠄁テ公󠄁uヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ 是ノ如キハ獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン 斯ノ道󠄁ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ子孫臣民ノ俱ニ遵󠄁守スヘキ所󠄁 之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ咸其コヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ 明治二十三年十月三十日 御名御璽」 まず、私たち日本人は、天皇の臣民(「臣」は役人、その他はみんな「民」)ではありません。私たちは、「君」も「臣」も「民」もなく、等しく平等に日本国の主権者です。だから、天皇に「我カ臣民」などと自分の手下や被支配民扱いされる言われはまったくありません。 冒頭に「私(天皇)は、皇室の祖先が、遠い昔日本の国を始め、深く厚い日本の道徳を確立したが、忠孝な臣民が団結してその道徳を実行してきたことこそが「国体の精華」であって、教育の起源なのだと思う」と言われても、皇室の祖先が日本の国家と日本国民の道徳を確立したわけでもなく、歴史を通じてそんな皇室の道徳を忠孝な民が団結して守ってきたわけでもなく、そんなことが日本という国の特別な良さであるわけでもなく、まして教育の起源でもないのですから、これは歴史的事実の叙述ではまったくなく、日本の歴史をそういう風に見たいという、日本では「皇国史観」と呼ばれる政治的歴史観の表明です。そんな勝手な間違った歴史観など受け入れられません。 その後に12の徳目が列挙されていますが、そのうちの11までは、どんな社会であれどんな時代であれ、人々が普通に守ってきた道徳律であり、何も目新しいことはありません。そもそも道徳律とは人々の心の内面の問題で、各個人が自分を律することで守られれるものですから、天皇であれ、内閣総理大臣であれ、国家であれ、他人から守れと命令されるものではありません。 そこへ行くと、最後の12番目は、なるほど「国に危機が迫ったなら義勇を発揮して国のため力を尽くし、それにより永遠の皇室と国体を守れ」という命令です。徳目ではありません。でも、それをあたかも徳目であるかのように、天皇がその「臣民」に対して守れと命令しているわけです。 でも、私たちは、前にも述べたように、天皇の「臣民」ではなく、日本国の主権者ですから、そんな「自分を犠牲にして皇室と国体を守れ」などと命令される筋合いもなければ義理もありません。 実際、戦前にはこの命令にしたがって、女子供を含めて300万人もの日本人が、「皇室と国体」を守るためにその命を犠牲にしましたが、肝心の皇室(「君」)にも国体である高級官僚支配層(「臣」)にもほとんど戦死者がいませんでした。これって、どういうことなのでしょうか? 「君」と「臣」が生き残るために「民」は常に犬死しろと言うことですか? こういう悲しい歴史的事実があるのですから、こんな勝手な命令に従う馬鹿はもういません。 12の徳目の列記に続いて、「(12番目の命令を含めて)これら徳目を守ることは、私(天皇)の忠良な臣民としての当然の義務であるばかりでなく、祖先が今日まで身をもって示し残された伝統的美風をさらにいっそう明らかにすることである」などと言われても、そんな勝手な言い分は理解出来ません。「自分を犠牲にして皇室と国体を守ること」は、確かに「天皇の忠良な臣民」にとっては義務かもしれませんが、私たちは、主権者であって「天皇の忠良な臣民」ではありませんから、そんなものは私たちの義務でないことは明らかです。まして、そんな天皇の勝手な命令を守って死ぬことが、祖先が今日まで身をもって示し残された伝統的美風をさらに一層高めることになるなどとは、論理も道理も通っておらず、荒唐無稽で無茶苦茶な話だというほかはありません。 末尾に、「このような道は、皇室の祖先の遺訓で、私達皇室の子孫もお前たち臣民もともに守らなければならないところであるから、この道を、昔も今も間違わず、また日本ばかりでなく外国においてもおろそかにせず、私(天皇)もまたお前たち臣民とともに、常々胸に銘記して、その徳を実現するよう心から念願する」とありますが、私たち主権者である国民が11個までの普通の道徳を守ることを願うのは勝手ですが、その12個目の「皇室と国体を守るために命を差し出せ」との命令を守ることを願われるのは迷惑なばかりか、私たちにとってはとても危険なことです。 私たちは、幸福に生きることを目的に一人一人かけがえのない命をもって生まれてきたのですから、国を守るとは、私たち一人一人のそういうかけがえのない命を守ることのはずで、皇室やその周りの高級官僚の命や地位や権力を守ることであってはならないはずです。これこそが民主主義であり、この教育勅語のような思想、国家主義は、私たち日本国の民主主義に完全に反します。 以上でよくお分りいただけましたでしょうか? お分かりにならないようなら、それはあなたが「右翼」という頭の病にかかっているからで、それは死んでも治らないかもしてませんね。 御愁傷様。
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