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小池都知事の“論点ずらし”は作戦か
会議が変われば、仕事が変わる
的確な議題設定は会議充実の第一歩
2017年3月13日(月)
横田 伊佐男
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2011年3月11日の東日本震災から早6年がたちました。未曾有の状況下、人はなかなか物事を取り決められないものです。あの当時も官邸、官僚、現場の方々は、1人では解決できない状況の中、幾多の会議を使い暗中模索しながら、問題解決に取り組んでいたことでしょう。
危機的状況こそ、会議が活用されるのです。しかし、待ったなしの状況で果たして会議が「有効活用」されるかどうか、これは別の話です。
私は、会議術を使って仕事を変えたいというビジネスパーソン向けの講義の最後に「笑えない会議」の実話を紹介します。
危機的状況の中、彼らは何を論じていたか
「笑えない会議」とは、今から30年以上前の会議の話です。1986年11月15日に伊豆七島大島の三原山が噴火しました。1777年の噴火に匹敵する209年ぶりの大噴火は、溶岩となって1万3000人を超える島民と観光客に迫ろうとしていました。
一刻も早く島民を避難させなければ大惨事になります。その様子は、官邸にはもちろん、テレビを通じて国民にも届いていました。しかし、一向に避難活動が始まる様子はありません。その時、避難活動を管轄する国土庁は、19省庁の役人を集め、延々と会議をしてなかなか連絡が取れなかったのです。
当時の中曽根内閣官房長官である後藤田正晴氏は、内閣安全保障室長の佐々淳行氏に「何の会議をやっておるのか、議題は何か、すぐ聞け」と命令し、確認したところ驚くべき議題が論じられていることが発覚しました。
第1議題:災害対策本部の名称は、「大島対策本部」か「三原山対策本部」にするか。
第2議題:(災害発生年次を)元号(昭和61年)とするか、(昭和天皇が高齢のため)西暦(1986年)を使うか。
第3議題:臨時閣議を招集するか、持ち回り閣議にするか。
溶岩が島民に迫り、大惨事が想定される中「島民をいかに避難させるか」という本質的な「幹」の議題ではなく、どうでもいい「枝」の議題に時間を費やしていたのです。
本当に笑えますか
この話をするたび、受講生から失笑が漏れます。確かに、「幹」を論ぜず、「枝」に終始する会議は、滑稽そのものです。そこで私は受講者の失笑がおさまるのを待って、語気強くこのように斬り込みます。
「しかし、この笑い話、本当に笑えますか。皆さんもこんな会議しているのではないですか」
受講者から失笑が消え、たちまち表情が凍りつくのは、会社の会議でも「幹」から離れ、「枝」の議論を繰り返している経験があるからです。
三原山の話に戻します。国土庁の「枝」の会議が終わる深夜には、1万3000人を超える島民と観光客の避難が始まっていました。「枝」を一切無視し「幹」の論点で動いた中曽根総理、後藤田官房長官、佐々氏を中心として、役人たちの会議より早く行動していたからです(参考文献:佐々淳行著 『わが上司 後藤田正晴 決断するペシスミスト』 文春文庫、2002年)。
では、頭が良いはずの役人達は、どうして意味のない会議に時間を費やしていたのでしょうか。
「〜について」ではなく「〜なのか」
三原山の緊急会議が意味のない会議になってしまったのは、論点がズレていたからです。島民避難という「幹」を論ぜず、どうでもいい「枝」が論点になっていたことに尽きます。
会議には、考えるべき「論点」が必ずあります。その論点は、「〜について」という題目ではなく、「〜なのか」という疑問文でなければなりません。会議は、その疑問文に答える内容が論じられるべきなのです。
その意味で、「論点選び」は極めて重要だと言えます。しかし、これが難しい。繰り返しますが、数多くのことから考えるべき論点=疑問点を抜き出すことが大変難しいのです。
会議術を学ぶ受講生には、良い論点、論じるべき価値のある論点を見つける簡単な公式を教えています。
論点を導く公式=数値を入れて比較する
2つほどケースを掲げて、それぞれに悪い例、良い例を挙げましょう。
【Aケース:ダイエット】
◆悪い論点:効果的なダイエットについて
◆良い論点:どうやって現在70kgの体重を3カ月で、60kgにするか。
(解説)
悪い論点は、疑問文になっておらず具体的でないため、会議をしたとしても良い議論にはならないでしょう。良い論点は、3カ月で10kg減量するという具体的な目標、それも厳し目の目標があります。論じられる内容もダイエットの他に運動も加えるなど、具体的になることが期待できます。
【Bケース:マラソンの走力アップ】
◆悪い論点:マラソンタイムを短縮することについて
◆良い論点:1年後の大会までに、フルマラソンのベストタイム(4時間)を30分短縮するためには、どんなトレーニングをすべきか。
(解説)
これも悪い論点は、疑問文ではなく、論点自体が抽象的でシャープではありません。良い論点は、1年間かけて30分短縮するかが論点なので、1か月で2分強、短縮するための案などを論じることが可能になります。
両方のケースとも、「数値を入れて比較する」という公式で論点化されています。先の三原山のケースの場合はどうでしょうか。
◆悪い論点:災害対策本部の名称は、「大島対策本部」と「三原山対策本部」のどちらにするか。
◆良い論点:3時間以内に、1万3000人超の島民を避難させるための船は何隻必要になるか。また、どうやって手配すればよいか。
このように論点を絞り込んでいたら、長時間の会議にならず、役人たちは島民を避難させるヒーローになっていたかもしれません。会議を有効活用するには、良い「論点」が重要なのです。
適切な論点を早い段階でつかまえている
論点を見極める格好の材料は、政治家です。彼らの論点次第で、予算が大きく変化し、国民である我々に大きく関わってきます。
私も都民の一人として、小池都知事の論点、つまり、今考えていることに注目しています。彼女は、機を見るに敏であり、適切な論点を早い段階でつかまえているように見えます。
中でも際立ったのが、都知事着任後の2016年8月2日、同年11月7日に移転が決まっていた築地市場移転(豊洲市場移転) 問題に切り込み、論点化したことでした。
なぜ見事かというと、「現状案:安全確認なしに予定通り11月7日に移転」と「あるべき案:安全確認した上で移転。できなければ11月7日を延期」を比較していたからです。
結果として、2017年1月の地下水モニタリング結果を見て判断するとして、移転を延期したところまでは、あっぱれでした。しかし、この問題は2つの時限爆弾付きで、次第に取り扱いが難しくなってきます。
論点は注意深くピンで押さえ込む
1つ目の爆弾は、水産業者の悲鳴です。移転を前提にしていた水産業者は豊洲と築地への二重設備コストがかかってきて、待ったなしです。
2つ目の爆弾は、環状2号線です。環状2号線は2020年の東京五輪で選手村や競技会場と都心を結ぶことになる道路で、オリンピックを成功させるうえで重要な役割を担います。その環状2号線は、築地市場の跡地を通ることが計画されており、完成させるには2016年11月7日移転でもぎりぎりのタイミングであると言われています。
そこで、本来考えるべき論点は、「豊洲での汚染が確認された今、いつどこへ移転するのか。築地のままでいるべきか」という喫緊の論点に立ち向かわなければなりません。
ところが、現在の論点は、「誰が豊洲市場への移転を決定したのか」について、石原元知事を参考人として、論じられようとしています。
私には、2つの爆弾を解決する「幹」の論点から、次第に犯人探しという「枝」の論点にズレているような気がしてなりません。
論点は微妙にズレます。注意深くピンで押さえ込まないと流されてしまうことがあります。会議を上手に仕切るためにも、傍観者として論点の修正を具申するためにも、日々の生活やニュースから、「この論点は何か」を意識することが大切だと思います。すると、次第に切れの良い論点選びができるようになってきます。
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会議が変われば、仕事が変わる
会議に次ぐ会議…。ビジネスパーソンにとって「会議」は必要不可欠な活動ですが、忙しければ忙しいほど、非効率な会議は避けたくなるものです。効率的かつ生産性のある「会議」は、上級管理職から一般社員まで共通の願い。とはいえ、理想にほど遠いのが現状でしょう。
このコラムでは、その課題を解決しつつ、「受動的」に会議にぶら下がる社員から、「能動的」に会議を仕切るビジネスパーソンに生まれ変わるため、カンタンかつ最強の会議術を修得してもらおうと考えています。
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小池百合子を支える「アマゾネス軍団」9人の顔と履歴書
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2017年3月12日 12時0分 Smart FLASH
「試験を受けたのは一般の人だけでなく、ほかの党・会派に所属する都議や区議、大阪や九州など地方都市の現役議員も多数、いました」
「希望の塾」塾生のひとりが、「小池フィーバー」の求心力の大きさに驚き、そう話す。政界とは無縁と思われていた主婦やOLが、都議選候補者として名乗りを上げ始めたのだ。戦々恐々としているのは、抵抗勢力として名指しされる都議会自民党だけではない。
「民進党議員の多くが『希望の塾』に参加し、選抜試験に合格している。どこの区から、誰が立候補するのかの探り合いが始まっており、党の存亡に関わる状況だ」(民進党関係者)
「都民ファーストの会」はすでに8人の公認を発表。
「塾生たちは、将来的に小池陣営が国政に打って出ると思っていますよ」(前出・塾生)と展望を語る。吹きやまない小池旋風が政界再編を巻き起こす日は近い。
●龍円愛梨(39・元テレビ朝日アナウンサー)
『龍円愛梨』
「希望の塾」では「政策立案に参加したい」と言う彼女。ダウン症の長男の存在が大きい。「障がいを持つ子供と健常者の間の垣根を取りたい。’20年の東京五輪でも、障がいを持つ人に対して支援体制を作っていきたい」と語り、現在も障がい児への偏見をなくす活動を続けている。
●若林利咲(30・タレント)
『若林利咲』
「大学を出て8年、まだ不安ですが、都議をやってみたい」と本人。過去には、「CanCam」(小学館)、「ROLA」(講談社)などファッション誌のモデルから舞台、映画を中
心に活動する女優に転じ、会社経営も手がける。「希望の塾」塾生のなかでは、早くから注目されていた。
●榎本あゆみ(33・港区議)
『榎本あゆみ』
’15年に港区議に初当選。維新の会に所属したが、会派消滅で民進党へ。「いずれは国政を目指しています。こんなチャンスはほとんどないのでチャレンジしたいんです」。党の先輩議員からは慎重になるよう諫められたが…。
「それでも、塾に参加してよかったと思います」
●中村彩(27・会社員)
『中村彩』
「もともと政治家志望でした。候補者の選抜試験に合格してか
らは、俄然やる気が出ています。『希望の塾』の講義は勉強になります」。現在は金融関係の会社で働いている。持ち前の熱心さで、20代の都議を目指す慶応大卒の才媛!
●佐々木里加(40代・美大講師)
『佐々木里加』
「小池先生は日々、都政で戦っているのに笑顔で明るい。タフですしね」と、小池氏の活躍ぶりに惚れ込み参加した。美大で教鞭を執っている。
「美術は人の心を潤す。文化芸術の充実を訴えていきたい」と政策は具体的。
●上田令子(51・都議)
『上田令子』
江戸川区議を経て’13年から都議。都議会会派「かがやけTo
kyo」から「都民ファーストの会」に合流し、中心的メンバ
ーに。自身も筆記試験を受け、1月23日に公認候補となった一
人。現在は候補を選ぶ側だ。
●茜ケ久保嘉代子(41・教育コンサルタント)
『茜ケ久保嘉代子』
インターネットを中心に、教育コンサルタント業に携わる。「教育問題などを改革する手段として、政治があるんだとあらためて思いました。講義については、100%理解できてはいませんが…。中途半端かもしれませんが、挑戦する意欲はあります」と謙虚に語った。
●平田優美(35・起業家)
『平田優美』
一児の母で、起業家として婚活などのコンサルタント業を手がけている。「子育てをしているお母さんを支援する政策に関わっていきたいです。都知事選での小池さんの戦いぶりを、憧れを持って見ていました」と語る。有力なママさん候補のひとりになりそうだ。
●エド・はるみ(52・タレント)
『エド・はるみ』
現在は慶応大学大学院に在学中。「『希望の塾』はあくまでも勉強」と言い、都議選への意欲を聞かれても煙に巻いた。開塾式で、お馴染み「グ〜」のポーズを控えめに披露した彼女。
しばらくは、ギャグを封印するようだ。
(週刊FLASH 2017年2月28日号)
Smart FLASH
外部サイト
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小池百合子が本誌だけに語った「伏魔殿」東京都庁の問題点
小池百合子「女子の本懐」を支える「最高の能力」とは?
http://news.livedoor.com/article/detail/12786962/
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