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Cristian Martini Grimaldi 日本の子どもは、戦争の準備万端だ
投稿日: 2017年02月08日 10時45分 JST 更新: 2017年02月08日 11時48分 JST
ジャーナリズムが崩壊しつつある、という批判は、もう目新しいものではない。
多様なメディアの「ジャーナリズムごっこ」に、惑わされた経験のある人は少なくないだろう。さらに、ジャーナリズムそのものが、誤解や嘘を広めている元凶となれば、救いようのないことだ。
先日、イタリアの主要雑誌に載った、ある記事のタイトルが目を引いた。
『日本では、幼稚園から愛国者を育てている』
magazine
何かの間違いかと思ったが、記事を読み進めて、さらに驚嘆した。
このイタリア語で書かれた記事は、国際的ニュース通信社ロイターの記事の「丸パクリ」だった。
そして、その元となった記事(英語版)は、日本のニュースサイトに2年前に掲載された記事と、ほぼ同じ内容なのだ。正確に言えば、一部を抜粋し、トーンを変えたもの、と言えるだろう。
2年前に日本のニュースサイトに載せられた記事は、
『安倍首相夫人·アッキーも感涙...園児に教育勅語教える"愛国"幼稚園 「卒園後、子供たちが潰される」と小学校も運営へ』というタイトルで、2015年1月に投稿されている。
ところが、2016年12月にロイターに投稿された記事(英語版)のタイトルは、
『日本の幼稚園では、戦前の国家主義を教えている』となっている。
タイトルだけを読み流す読者だっているだろう。彼らを騙そうとでもしているのだろうか。
(実際に、ワシントンポストの調査では、約60%のアメリカ人読者がタイトルしか読まないと言われている。)
さらに、記事を読み進んでみると、
「立ち止まり、裕仁天皇と香淳皇后の御真影の前でお辞儀をする園児」
というキャプション付きで、(階段を登っているようにも見える)園児の写真を載せ、
「"父母に孝行し、兄弟仲良くし、もし危急の事態が生じたら、公のために奉仕する"と園児は唱える」
と、教育勅語の一部を抜粋し、勝手に繋げた形で紹介しているのだ。
japanese hirohito
ロイターに載せられた記事では、
戦後に日本国憲法に基づいて教育改革が行われた、ということは説明されているものの、
この幼稚園で行われている、「御真影へのお辞儀」や「日本国旗の前での君が代斉唱」、「教育勅語や五箇条の御誓文の朗唱」が、日本中の幼稚園で行われているわけではない、とは明記されていない。
そして、イタリア語に翻訳された記事は、さらにもっと極端なものとなり、
戦後の教育改革についての記述すらも削除され、
「日本では3〜5歳の幼児に、愛国心を育み、国家のために犠牲となるよう教育している」
とも思わせてしまうような書きっぷりをしているのだ。
さらに、タイトルの上に赤色で書かれた、「NUOVI SAMURAI(新生侍)」の文字を見つけた時は、驚きを通り越して、呆れてしまった。
要するに何が言いたいかというと、
首相夫人が訪問したという、おそらく日本でも珍しいであろう、「超ユニークな」(実際、2年前の日本の記事ではこの言葉が使われている)幼稚園に関する地域のニュースが、
翻訳編集を重ねられ、2年後には、「日本の教育は、生徒に、天皇陛下と国家への服従と道徳心を教えている」なんていう、極端な誤情報を伝える記事となり、国際的な注目に値するとして、世界に出回ったのだ。
『日本の子どもは、戦争の準備万端だ』
なんて記事が、どこかの国で出回る日が来るかもしれない。
メディアの「ジャーナリズムごっこ」は、「伝言ゲーム」のようになってしまっている。
新しいニュースが出れば、メディアはそれを翻訳編集し、伝えていく。
もしも、意図的に内容を変えているというならば、
伝わらないからこそおもしろくなる、流行りの「イヤホンガンガン伝言ゲーム」に近いのかもしれない。
誤解や、ステレオタイプ、偏見がどうやって生み出され、どうやって広まるのか、
疑問に思っていたのなら、この例で答えの一つが分かるだろう。
Cristian Martini GrimaldiさんをTwitterでフォローする: www.twitter.com/martinigrimaldi
もっと見る: 社会 メディア ジャーナリズム ロイター イタリア 教育
議論
くろかわ けんたろう
大げさや興味本意ではいけませんね。なかなか正確な理解、外国の方に知ってもらい理解を広げていくのも、一朝ではいかないかもしれませんね。写真で見る限りでは、健全なナショナリズムの範囲内ではないでしょうか。社会全体が高齢化し、リベラル民主主義が定着した国では、あまり好戦的にはならないのがよくあることと思います。よく公立でも、国旗や国歌、あるいは伝統文化をイデオロギーとして強調するというのは、賛否ありますが、やはり外部に脅威を感じはじめており、国家としての団結を図りたいという希望があるのかもしれません。
いいね! · 返信 · 2017年2月7日 23:28
立木 光 · 岩手県 盛岡市
タイトルで嘘をつく、この Huffington Post Japan の得意技ですね。
いいね! · 返信 · 4 · 2017年2月8日 2:41
Eric Figuière
フランス語版もそうですし、HuffPostは全体的に釣りタイトルのプロだと思います。
いいね! · 返信 · 2017年2月9日 6:26
Koji Yagasaki
集団主義、制服、行進、校内清掃、上下関係の強勢。
これだけで他国から見れば十分に『日本の子どもは、戦争の準備万端だ』といえる。私の住むスウェーデンで育った子どもよりも戦争への順応が早いのは間違いない。
いいね! · 返信 · 3 · 2017年2月8日 5:27
Katuhiro Fujii · 京都市
すごく興味深いご意見です。
私たちが当然のように過ごしてきた環境ってそういう見方が出来るんですね。成る程。納得。
いいね! · 返信 · 2017年2月8日 23:48
田中一郎
最近は「捏造」と言わずに「フェイクニュース」とまろやかな言葉に言い換えるようになりましたね
この伝言ゲームのような話もやってるのは日本人だったりするので、そこまで追っかけてもらえたら面白かったのに
国連に「日本人の女子高生は30%が売春している」という嘘の報告をあげたのも日本人でしたね
いいね! · 返信 · 3 · 2017年2月8日 6:24
Ryu Tanabe
塚本幼稚園のことですね。
カルト宗教である「日本会議」系列で、日本の戦前体制を模倣した軍国主義思想を園児に教え込むトンデモ幼稚園として私も名前を知っています。園児たちに教育勅語や五箇条のご誓文などを復唱させる教育に身の毛がよだちますね。私はイタリア語を読めませんが、要するに「日本中の幼稚園が昔の軍国カルト教育に逆戻りした」という記事の内容だと思います。現時点ではもちろん違います。
しかし、安倍首相と日本会議が目指しているのは、記事の通りの日本の姿です。おそらく、その記事を書いた記者は、日本の将来をとても憂慮されているのだと思います。現実問題、安倍首相と日本会議の勢力による政治工作・世論工作によって、日本は戦前体制に逆戻りさせられる瀬戸際に追い詰められています。もしも、安倍首相の目論見通り、憲法改正(=憲法改悪)が実現したら、日本の民主主義は終わりを遂げ、戦前とソックリの軍事国家が復活します。
そのような日本の姿を私は観たくありません。
いいね! · 返信 · 8 · 2017年2月8日 7:13 · 編集済み
Nobutaka Tanaka · 明治大学
「フェイク」ニュースに関しては、「ポストトゥルース→オルタナティブ・ファクト」と言う「ご都合解釈」そのモノを「米国現政権は認める」と言う時点で、事実の「捏造」か「裏ずけ無き誤認」かまたは「拡大解釈」か?だけに私たちは「注目」してる。米国大統領が公式記者会見でCNNを「フェイク!」と罵る時代なのだ。とても残念な事に。
メリル・ストリープは「国家のリーダーが他者を虐めるとは此の行為にお墨付きを与える事」と警告した様に、私たちは「此の報道」を単に「当方への言われなき批判」と言う受け止め方で「此の現況」の是非を問うてはならない。
「此の報道」から読み手に「真の」読解力が有るならば(1)日本の或る幼稚園は戦前の「間違った」教育を復活させた。(2)安倍照江と言うなんと「現職首相夫人」が此の幼稚園を訪れ戦前教育を非難どころかその「復活」に讃を唱えた。(3)然るに日本は戦前ファシズムが「復活」為ると言う「怪しく危険な」国に成ってる様だ。さらに(4)日本と言う国の今後の動向と此の国の「民主主義の危機」を憂う。と言う4点にのみ「注目」為るのが本筋と心得る。
いいね! · 返信 · 4 · 2017年2月8日 16:13
Masachika Ishiguro
世界の混乱は、マスコミが作っているようにしか思えないな。
その根底にあるのは、どんな欲なんだろう。
社会学の研究に値するものだとおもうし、その原因を潰すことが出来れば、社会はよりよくなるように思える。
いずれにしろ、取材コスト、裏付けコストをかけないマスコミは消えるべきだな。
いいね! · 返信 · 4 · 2017年2月8日 21:30
Taichi Ono · 自営業(個人事業主) フリーランス
これら捏造記事が全て「人種差別による偏見」だということを指摘する日本人がいない点が、日本人の国際感覚のなさ、ガラパゴスを示している。
>2016年12月にロイターに投稿された記事(英語版)のタイトルは、
>『日本の幼稚園では、戦前の国家主義を教えている』となっている。
>イタリア語に翻訳された記事は、さらにもっと極端なものとなり、
>「日本では3〜5歳の幼児に、愛国心を育み、国家のために犠牲となるよう教育している」
>さらに、タイトルの上に赤色で書かれた、「NUOVI SAMURAI(新生侍)」の文字
以上も全て欧米白人国家のメディアだ。
中韓のメディアは確かに日本への感情的な憎悪による酷い差別記事が多いが、このように「野蛮で遅れた国民だ」という前提による書き方のものは少ない。...もっと見る
いいね! · 返信 · 2 · 2017年2月9日 17:21 · 編集済み
Tomo Moriya · 勤務先: 自由業
国連特別報告者マオド・ド・ブーア=ブキッキオ氏の援助交際13%発言も似たようなケースだね。
いいね! · 返信 · 1 · 2017年2月9日 19:54
http://www.huffingtonpost.jp/cristian-martini-grimaldi/chinese-whispers-journalism_b_14633476.html
「憤慨する国家主義」の独善化
2017/02/14
岡崎研究所
フィナンシャル・タイムズ紙主任経済コメンテーターのマーティン・ウルフが、1月17日付同紙にて、今の世界には世の中に憤慨する者を基礎とする国家主義がはびこり、選挙を踏まえた独裁主義が生まれつつある、と警告しています。要旨、次の通り。
(iStock)
国家は共同体の中で最も強い絆を与える。歴史的に国家は戦争をするか、貿易をしてきた。貿易は協力と繁栄をもたらす。しかし、貿易は国家に対する忠誠を弱める。それと同時に、グローバル化の勝ち組は、勝たなかった者への関心を怠った。また勝ち組は金融危機をもたらし、彼らの誠実さと能力の評価は地に落ちた。
これを背景に、「憤慨する国家主義」と称すべきものが扇動された。社会的、経済的変化で世界が変わってしまったと見る者が、憤慨する国家主義と保護主義に走るのは不思議ではない。憤慨する国家主義は、下からのものだけではなく、権力を求める者の戦術でもある。彼らは彼らを支持する「真の国民」と、「国民の敵」を区別する。彼らにとって毎日が戦争であり、戦争ではすべてが正当化される。
そして彼らは自由民主主義を「国民投票に基づく独裁主義」に変えるのは当然であると考える。ポーランドやトルコがいい例である。独立の情報源は腐敗しているとみなされる。トランプはどこまで国民投票に基づく独裁主義への道を歩むのであろうか。
大方は米国の諸制度がしっかりしているので、たいして進まないだろうと見ている。しかし制度の強さはその制度を運用する人による。米国の司法は言論の自由を守るだろうか。議会は投票権を守るだろうか。トランプは彼に反対する者を脅して黙らせるだろうか。
イスラエルの思想家のYuval Harariは、自由民主主義と自由市場に幻滅を感じたと言っても、誰もそれに代わる世界的に魅力のあるビジョンを打ち出していない、と言った。しかし「権威主義的国家主義」がそれに代わり得る。いまや権威主義的国家主義が世界体制の中心に座るようになった。
出典:Martin Wolf,‘The economic peril of aggrieved nationalism’(Financial Times, January 17, 2017)
https://www.ft.com/content/5c7c6a26-db0a-11e6-9d7c-be108f1c1dce
ウルフはこの論説で、2つの新造語により、世界の現状を説明しようとしています。一つは「憤慨する国家主義」で、これはグローバル化に取り残された層の怒りを基礎とする国家主義という意味のようです。もう一つは「国民投票に基づく独裁主義」で、選挙に基づいてはいるが、言論の自由の規制などで事実上独裁政治を行うことを意味していると思われます。今の西側世界の潮流が、反グローバル化、反移民で国家主義の色彩を濃く帯びているのは事実です。トランプも「アメリカ第一主義」を唱えるなど、その主張は国家主義的と言わざるを得ません。
明白となった米国内の分裂
ウルフは米国も、「国民投票に基づく独裁主義」に陥る危険なしとしない、と警告しています。確かに、トランプは彼に批判的なメディアや反対意見を激しく攻撃しています。しかし、ウルフ自身が引用しているように、米国は諸制度がしっかりしており、しかも、その制度を支える人の多くは良識に富んでいます。米国をポーランドやトルコと同列に論じるのは行き過ぎでしょう。
米国の問題は、むしろ大統領選挙を通じて明白となった国内の分裂ではないかと思われます。トランプは就任演説で、国民の融和について何の言及もしませんでした。トランプの就任式の日、そしてその後の激しいデモが象徴するような分裂は根が深く、当分続くと見られます。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/8865
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