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政治刷新に必要不可欠な希望・夢・明るさー(植草一秀氏)
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14th Feb 2017 市村 悦延 · @hellotomhanks
次の総選挙は本年12月の可能性が高い。
米国のトランプ大統領が本年秋以降に来日する可能性が高い。
衆議院の任期満了は2018年12月。
他方、自民党総裁の任期は2018年9月に満了になる。
3月の自民党大会で党規が改定され、自民党総裁の任期制限が2期6年から3期9年に変更される。
こうなると、2018年9月に安倍晋三氏が自民党総裁に再任され、
3期目に入ると、任期満了が2021年9月になる。
2017年9月に衆院総選挙が行われると、衆院の任期満了は2021年9月になる。
こうした任期の流れを踏まえて、安倍首相は2017年9月〜12月に総選挙日程を設定する可能性が高い。
2012年、2014年に12月選挙を実施して、安倍政権与党が勝利した。
この「験(げん)を担(かつ)いで」、3度目の総選挙も12月に設定するのではないか。
この選挙にトランプ大統領来日を活用する戦略が目論まれていると推察される。
同時に、2017年12月総選挙を実施するなら、本年秋に大型経済対策を策定すると思われる。
日本の主権者は安倍政権の存続を望むのか、安倍政権の終焉を望むのか、
極めて重要な判断を迫られることになる。
2014年12月の総選挙で自民党は衆院議席総数の61.1%を獲得した。
議席数で見れば、自民党の圧勝だった。
しかし、自民党が主権者国民の圧倒的支持を得たわけではなかった。
比例代表選挙の得票率を見ると、自民党の得票率は
17.4%に過ぎなかった(全有権者比)。
日本の有権者のなかで、自民党に投票した者は6人に1人しかいない。
6人に1人しか投票していないのに、全議席の6割を占有している。
つまり、安倍自民党の基盤は強固ではなく、極めて脆弱であると言わざるを得ない。
メディアが「安倍一強」とプロパガンダ報道を展開するから、
この情報を鵜呑みにする者も多いが、安倍政権は極めて脆弱な基盤の上に立っている。
2014年12月の選挙で公明党に投票した主権者は、全体の7.2%だった。
自公の与党を合わせて、得票率は24.7%だった。
自公以外の野党勢力に投票した主権者は28.0%だった。
この得票率が議席数に反映されていれば、政権は交代していたとも言える。
しかし、結果は自民党が単独で61.1%の議席を占有。
公明党を加えると68.4%の議席を占有した。
この結果を招いた理由は次の二つだ。
第一は、野党が候補者を乱立させたこと。
第二は、投票率が52.7%にとどまったこと。
2017年秋から冬に次の総選挙が実施されることを前提に、
戦略、戦術を構築し、直ちに実行に移さねばならない。
重要なことは、安倍政権打倒を目指す勢力が「連帯」することである。
しかし、その「連帯」は「数合わせ」では駄目だ。
主権者国民が、
「この勢力に政権を担ってもらいたい」
という、
強い「想い」
が生まれなければ、政権交代は実現しない。
主権者国民を引き付ける
「大いなる希望」
を提示することが必要である。
単純に野党が連合するだけでは、主権者が積極的に投票しようということにはならないだろう。
主権者が未来に明るい希望を持つことができる、
「具体的な政策方針」
が提示されることが絶対必要条件である。
原発を稼働しない。
戦争をしない。
この二つは当然重要ではあるが、これだけでは主権者の躍動を引き出すことはできない。
一番大事なことは、
「私たちの暮らしが良くなる」
「私たちの社会が良くなる」
ことである。
夢と希望を明示する政策を提示して、主権者の連帯を形成する。
これが、次の総選挙で政権を刷新するための必要条件になると思われる。
2009年に政権交代が実現した。
この政権交代をけん引したのは小沢一郎氏と鳩山友紀夫氏である。
躍進民主党の最大の原動力は、小沢一郎氏が設定した政策の基本方針だった。
その基本方針とは、
「国民の生活が第一」
である。
国民にとって何よりも切実な問題は
生活
である。
そのなかで、
「国民の生活が第一」
と明確に打ち出したことは、極めて斬新だった。
国民からかけ離れたところで、国民の幸福にもつながらないことを、
政治が司っているというのが、それまでの政治だった。
国民にとって政治が身近になったのは、田中角栄の時代だっただろう。
庶民の目線で政治を論じた。
しかし、田中政治は旧来の支配者である官僚機構と米国の支配者によってつぶされた。
それでも、庶民の感覚を政治に生かした田中政治は人気があった。
2009年に樹立された鳩山政権は国民から圧倒的に支持された政権であった。
しかし、鳩山政権は、旧来の支配者であった官僚機構、米国の支配者、
そして強欲巨大資本によって総攻撃を受けて破壊された。
「日本政治を変える」との期待感、希望に満ちた政権だった。
2012年12月の総選挙で誕生した第2次安倍政権は
2013年7月の参院選で勝利して衆参ねじれを解消して、政権の基盤を強化した
そして、この政権基盤の強化が、その後の政権の暴走を支えることになった。
このこと自体は主権者国民にとって望ましくないことだが、
2013年7月の参院選で安倍自公勢力が勝利した一因が、
2012年11月から2013年7月にかけての円安・株高の進行にあったことは否定できない。
2013年7月の参院選では、メディアが選挙の本当の争点を隠し、
「アベノミクスの是非を問う選挙」
「ねじれ解消を実現する選挙」
として、安倍政権の大応援を展開した。
このことも、選挙結果を歪める原因になったのだが、
それでも、株価上昇という、ひとつの「明るさ」が安倍政権与党の勝利を支えたことは否めない。
何を言いたいか。
新しいものを作り出す、
政権を刷新するには、
絶対的に「明るさ」が必要である。
「明るさ」
「夢」
「希望」
が必要不可欠なのである。
原発を稼働させない。
集団的自衛権行使を容認せず、戦争をしない。
辺野古に基地を造らせない。
これらはむろんのこと重要である。
しかし、それだけでは不十分である。
すべて人々が夢と希望を持つことができる
「明るい展望」
が大事である。
これを提示するのは、やはり
「経済政策」
「分配政策」
である。
この分の具体的政策をどのように提示できるか。
これが成功の条件である。
すべての人がたしかな希望を持てる、具体的政策の提示が重要だ。
そして、その旗の下に結集し、連帯する。
こうすれば、必ず日本政治を刷新できる。
具体策の明確化、そして、党派を超えた主権者の結集を必ず実現する。
希望を前面に掲げて、年内にも実施される可能性のある次の総選挙に備えなければならない。
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