『日本政治の深刻な「ねじれ」解消が急務』という別スレで、植草一秀氏が次のような一文を寄せている。* * * 安倍首相夫人である安倍昭恵氏が名誉校長を務める 「瑞穂の國記念小學院」の運営法人である学校法人森友学園が、 大阪府豊中市内の国有地を不当な安価で買取した問題が明るみに出たのである。 豊中市の木村真市議が情報公開請求したことにより、この問題に光が当てられた。 この問題を調査し、スクープ報道したのが朝日新聞である。 大阪府豊中市野田町の空き地だった約8770平方メートルの土地を、 国が2016年6月、この土地に小学校の開設を計画した学校法人「森友学園」(大阪市)に 随意契約で売却した。 木村市議は2016年9月に、情報公開法に基づき価格の開示を求めたが、 木村市議による情報公開請求は通らなかった。 近畿財務局が「学園側から非公表を強く申し入れられた。 公表によって学校運営に悪影響が出る恐れがある」として情報公開を拒絶したと朝日新聞は報じた。 朝日新聞が登記簿などを調べた結果、 森友学園側に契約違反があった場合、国が「1億3400万円」で買い戻す特約がついていたことが判明した。 買い戻し特約の代金は売却額と同じ額におおむねなることが多く、 森友学園の籠池泰典理事長が、売却額が買い戻し特約と同額と認めたため、 売却価格は1億3400万円であることが判明した。 朝日新聞の報道によると、 財務局が森友学園に売った土地の東側にも国有地(9492平方メートル)があったが、 この土地は2010年に公共随契で豊中市に売却された。 価格は約14億2300万円。 森友学園への売却額の約10倍とみられると報じている。 この土地は公園として整備された。 つまり、安倍首相の夫人が名誉校長を務める小学校の運営法人に対して、 国が随意契約で近隣地の10分の1の価格で土地を払い下げていた事実が発覚したのである。 森友学園が買った土地には、2017年春に同学園が運営し、 安倍昭恵氏が名誉校長を務める「瑞穂の國記念小學院」が開校する予定である。 森友学園の籠池泰典理事長は憲法改定を求めている日本会議大阪の役員で、 「瑞穂の国小学校」のホームページによると、同校は「日本初で唯一の神道の小学校」とし、 教育理念に「日本人としての礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる」と掲げている。 また、森友学園が運営する大阪の塚本幼稚園は、園児に毎朝教育勅語を唱えさせることで知られている。 安倍首相に直結する巨大スキャンダルの表面化であると見ることができる。 近畿財務局は法人側の事業に影響があるとして非開示を決めたと説明していたが、 朝日新聞によるスクープ報道後に、近畿財務局は売却価格を公表した。 近畿財務局は安価な売却価格と価格非公表の理由について、次のような説明を示している。 問題の土地には地下埋設物があり、その埋設物撤去費用を差し引く必要があったため、 売却価格が廉価になった。 他方、森友学園より、地下埋設物の存在が周知されることにより 小学校に入学する保護者等への風評リスクが懸念されるとの理由で、 売却価格非公開の要請があった、としている。 * * * (以上、http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/626.htmlよりの抜粋) 安倍政権批判には何らかの理由で及び腰の同紙であるが、足を使った執念の取材で得た証拠文書に基づき、上記スクープは生れた。これによって政治部の及び腰が免罪されるわけではないが、良い仕事をした時にはよくやったと応援するのがよいだろう。そういう読者の声が高まれば、社内の勢力バランスにも変化が生まれる可能性が出てくる。読者が反応しなければ、このような良い仕事も、それっきりになってしまうおそれがある。 https://digital.asahi.com/info/inquiry/asadigi/shimbun.php (←意見送信フォーム) 記事全文は以下の通り。 http://www.asahi.com/articles/ASK264H4YK26PPTB00J.html 学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か 吉村治彦、飯島健太 2017年2月9日05時03分 財務省近畿財務局が学校法人に払い下げた大阪府豊中市内の国有地をめぐり、財務局が売却額などを非公表にしていることが分かった。朝日新聞が調査したところ、売却額は同じ規模の近隣国有地の10分の1だった。国有地の売却は透明性の観点から「原則公表」とされており、地元市議は8日、非公表とした財務局の決定の取り消しを求めて大阪地裁に提訴した。
売却されたのは、豊中市野田町の約8770平方メートルの国有地。近畿財務局が2013年6〜9月に売却先を公募し、昨年6月に大阪市内で幼稚園を営む学校法人「森友学園」に売った。契約方法は、公益目的で購入を希望する自治体や学校法人、社会福祉法人などを優先する「公共随意契約」がとられた。 この契約について、地元の豊中市議が昨年9月に情報公開請求したところ、財務局は売却額などを非公表とした。朝日新聞も同年12月に公開請求したが、今年1月に同じく非公表とされた。国有地の売却結果は透明性と公正性を図る観点から、1999年の旧大蔵省理財局長通達で原則として公表するとされている。だが、財務局は取材に「学園側から非公表を強く申し入れられた。公表によって学校運営に悪影響が出るおそれがある」と説明した。 朝日新聞が登記簿などを調べると、森友学園側に契約違反があった場合、国が「1億3400万円」で買い戻す特約がついていた。公益財団法人の不動産流通推進センターによると、買い戻し特約の代金は売却額と同じ額におおむねなるという。森友学園の籠池泰典理事長も売却額が買い戻し特約と同額と認めた。 一方、財務局が森友学園に売った土地の東側にも、国有地(9492平方メートル)があった。財務局が10年に公共随契で豊中市に売ったが、価格は約14億2300万円。森友学園への売却額の約10倍とみられる。ここは公園として整備された。 ■「日本初、神道の小学校」開校の予定 森友学園が買った土地には、今春に同学園が運営する小学校が開校する予定。籠池理事長は憲法改正を求めている日本会議大阪の役員で、ホームページによると、同校は「日本初で唯一の神道の小学校」とし、教育理念に「日本人としての礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる」と掲げている。同校の名誉校長は安倍晋三首相の妻・昭恵氏。 籠池氏は取材に「(非公表を)強く求めていない。はっきりではないが、具体的な売却額は財務局が出したと記憶している」と説明している。昭恵氏には安倍事務所を通じて文書で質問状を送ったが、回答は届いていない。 ■7億円での購入「価格が低すぎる」と断られた法人も 朝日新聞の調べでは、近畿財務局は14〜16年度、森友学園と同じ公共随意契約で計36件の国有地を売却。このうち35件は売却額を開示している一方、森友学園への売却分だけを非公表とした。8日に提訴した豊中市の木村真市議(52)は記者会見で「異常な扱いだ。訴訟では金額を公開するか否かを争うが、背景に何があるのか見極めないといけない」と述べた。 財務局が森友学園に売った国有地は、国土交通省大阪航空局管理の未利用地だった。路線価に基づく国有財産台帳の台帳価格は12年時点で8億7472万円、13年時点で7億6302万円。一方、国有財産特別措置法には、売却額を減らすことができる対象に学校施設が含まれている。 財務局の統括国有財産管理官は、今回の国有地売買は減額対象とせず、不動産鑑定士が算定した時価に沿って売却したと説明。森友学園への売却額と近隣の国有地、あるいは台帳価格との間に大きな差が生じたことについては、「土地の個別事情を踏まえた。その事情が何かは答えられない」と話している。 森友学園が買った国有地に関しては、別の学校法人が森友学園より前に校舎用地として取得を希望し、路線価などを参考に「7億円前後」での売却を財務局に求めていた。これに対し、財務局から「価格が低い」との指摘を受け、12年7月に購入を断念したという。 それから約4年後、近畿財務局は同学園に1億3400万円でこの国有地を売却したとみられている。こうした経緯について、一時は取得を望んだ学校法人の担当者は取材に「違和感がある」と話している。 ■近畿財務局が森友学園に売却した大阪府豊中市の国有地(8770平方メートル)をめぐる経緯 ・2010年3月 豊中市が東隣の国有地9492平方メートルを約14億2300万円で購入 ・11年7月ごろ 8770平方メートルの国有地について、別の学校法人が7億円前後の価格を財務局に提示。価格交渉が折り合わず、同法人は約1年後に取得を断念 ・13年6〜9月 財務局が8770平方メートルの国有地の取得希望者を公募。森友学園が小学校用地として取得を要望 ・16年6月 財務局と森友学園との間で売買契約が成立 ・9月 豊中市議の情報公開請求に対し、財務局が売却額の非公表決定 ・17年1月 朝日新聞の情報公開請求に対しても非公表決定 ・4月 私立小学校が開校予定
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