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小池百合子東京都知事。千代田区長選では小池氏が支援した現職が、自民党が推す候補を大差で敗り、今後の政局に影響を与えることは必至。
トランプと小池百合子と橋下徹は同根のおぞましさ。「大衆扇動と炎上」の論理
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170207-00004561-besttimes-pol
BEST TIMES 2/7(火) 17:00配信
トランプ米国大統領の発言が連日世界を揺るがしている。
アメリカが反グローバリズム路線に舵を切る中、
安倍政権は移民政策をはじめ、グローバリズム路線を突き進もうとしている。
作家・適菜収氏は話題の近著『安倍でもわかる政治思想入門』で今の日本の姿に警鐘をならした。
内閣官房参与・藤井聡氏も国の行方を憂えている。
そんな二人が「2017年、日本はどうなるのか?」を徹底放談。
トランプ現象と橋下現象は同根
適菜 歴史がきちんと見える人は少ない。トクヴィルは20代でアメリカに行って、全体主義の到来を予見した。ああいうのは例外中の例外です。だったら、凡人は見える人間に学べばいいんです。
藤井 ほんと、おっしゃる通りです。単にそれだけの話です。
適菜 問題は、見抜いている人間に学ぼうという姿勢自体がなくなっていることです。
藤井 子供の頃からの「知性の発達」の全ての基本は「耳を傾ける」ことです。聞いたことがないことやすぐに理解できないことがあれば、耳をふさぐのではなく、まずは耳を傾ける。その上ですごいと思っても良いし、疑問に思っても良い。分からないと思っても良い。分からなければ覚えておいて、後で考えれば良い。それは「知的好奇心」と言うこともできるし、「謙虚な姿勢」と呼べる。それがいまの日本にはほとんどなくなりました。
適菜 その姿勢こそが、辛うじて文明社会を成り立たせているにもかかわらず。
藤井 仰る通りです。最近は理解出来ない事があれば、耳を傾ける前に、すぐ批判したり罵倒したりする。それは文明人ではなく単なる野蛮人。そうなると、金持ちや権力者、声の大きい人間が世界を牛耳ることになる。これはニヒリズム(虚無主義:善と悪、真と偽の区別なんて何も無い、という立場、ないしは気分)です。援助交際の構造と同じで、カネさえもらえるなら、利益さえ得られるなら、糞も味噌も皆一緒でいいなんてことになる。悲しい話です。
適菜 オルテガが、大衆人の定義をしています。その主な特徴は、自分自身凡庸であることを自覚しつつ、凡庸たることの権利を主張し、自分より高い次元からの示唆に耳をかすことを拒否していることだと。
藤井 いまの多くの政治家は、大衆を扇動すれば権力を握れることに気づいてしまったんです。その典型が、小泉純一郎元首相であり、橋下徹氏であり、小池百合子知事であり。
適菜 安倍晋三であると。もっとも政治家になってはいけない人間が政治家になってしまった。
藤井 例えば小泉のように、「単なる大衆扇動家」が総理にまでなるとメディアに影響を与えることができる。そこで言葉のノリだけで、真実を度外視して、雰囲気だけで政治をやろうとする。
適菜 かつての自民党と今の自民党は完全に別物ですね。支持基盤自体が変わってますから。
藤井 農業の票も離れてますね。それはつまり、「瑞穂の国」の民が支持していないという事です。
適菜 自民党や安倍政権は、大地に立脚した農家の声であったり、自分たちの住む場所を守ろうとする庶民の声を拾おうとする努力を放棄した。それで完全に都市政党、イデオロギー政党になってしまった。イメージ選挙で大衆を誘導したほうが手っ取り早いと思っているから。
藤井 日本が「橋下化」しているんです。つまり、もっともらしく聞こえる詭弁をうまく使って大衆の「感情」を煽って行う炎上政治がどんどん幅をきかすようになってきた。その背後には、嘘や誠、善や悪の区別なんて何も無い、というニヒリズムがある。だから、「詭弁」をいくら使っても気にならないし、聞いてる方も何も気にしない。社会全体がそうなるのが橋下化。もちろん人間は「感情の生物」だから、感情に訴えかける事それ自体は悪いことではない。でもだからといって「理性」を無視していいとはならない。やっぱりウソはウソであり詭弁は詭弁。ウソや詭弁がまかり通れば早晩、皆が不幸になって、必ず、皆が地獄を見るようになる。だから政治でも自分の人生でも、どこかで必ず「理性」の力で嘘と誠、善や悪、美や醜を区別する姿勢が求められる。なのに橋下化した社会では、「今までインテリどもは甘っちょろい理性だとか知性だとか言って政治をやろうとしてきた、だけど、人間の本性はもっと醜いものなんだよ!」と、知性や理性が否定される。その上で、大衆を扇動できる「感情」だけを尊重し、理性を軽視、ないしは無視し、糞も味噌も全て一緒に扱う政治が横行するようになる。しかしおおよそ人間は「善」でも「悪」でもない。「善」でもあれば「悪」でもある。だから橋下化で否定される性善説も、橋下化で肯定される性悪説もどちらもおぞましいニヒリズム。そもそも人間は多面的な存在。だから文学、哲学、音楽、演劇、風俗、すべて含んだうえで人間を捉えなければ、まともな政治なんて出来るはずが無い。
適菜 いろいろ考えるのが皆面倒なんですよ。だから、大衆は合理や理性や抽象や理念を愛好する。
藤井 だから、善悪判断はさておき、断定的に「さっぱりと否定する」だけの人間が、人気を浴びる。それがトランプ現象であり、橋下現象であり、小池現象。確かに、森元首相や内田都議を見て、イライラする。それは分かる。でも、そんな「イライラ」だけを燃料にした炎上が延々と続いていると、その内、その炎上に対する不満も新しくまた出てくる。だから今度はそこに火をつけることができれば、「逆炎上」が発生する。そうなれば、火をもって火を制す、ということになって、もともとあった炎上が消えていくことになる。例えば大阪都構想のときも豊洲の盛土問題のときも、「都構想に対する不満」や「豊洲批判、に対する不満」というエネルギーに働きかけたら、逆の方向に燃え始めて、世論が変わっていったわけです。
適菜 今の自称保守陣営がやっているのも似ていますね。お花畑左翼を見ていると単純すぎて普通の人はイライラする。そこに火をつけて商売にするわけです。
藤井 そうですね。ただし、そんな炎上が「ウソ」に塗れたものなら結局不満が必ず出てくる。例えば今は、左翼は力がなくなってきたので、「保守」が主流。そうすると、「保守」という陳腐な物語に対する不満エネルギーがたまっているのが現状です。でも、シールズ的な左翼も賞味期限が切れているので、そのアプローチではその保守に対する不満エネルギーには着火できない。だから、本来の保守的な人間が、今の自称保守に対する不満に火をつける可能性があります。つまり、「真実」の下に火をつけるわけです。まあそれが一番難しいんですが、それをやろうとするのが、本来の政治、というものです。
適菜 左翼の安倍批判が頓珍漢なのは、根が同じだからです。近代理念やグローバリズム路線に疑いを持っていない。安倍をきちんと批判するロジックをもっているのは、真っ当な保守だけだと思います。
※藤井聡(内閣官房参与)×適菜収(作家)新春対談「2017年、日本はどうなるのか?」第5回につづく
【著者プロフィール】
◉藤井聡(ふじい・さとし)
1968年、奈良県生まれ。京都大学大学院工学研究科教授。11年より京都大学レジリエンス研究ユニット長、ならびに第二次安倍内閣・内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)。著書に『大衆社会の処方箋 実学としての社会哲学』『社会的ジレンマの処方箋 都市・交通・環境問題のための心理学』『大阪都構想が日本を破壊する』『〈凡庸〉という悪魔』『超インフラ論』、適菜収氏との共著『デモクラシーの毒』『ブラック・デモクラシー』など。
◉適菜 収(てきな・おさむ)
1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)など。安倍晋三の正体を暴いた渾身の最新刊『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)が発売即重版。3月に続編『安倍でもわかる保守思想入門』が発売予定。
写真:アフロ
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