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世界が抗議の中の軽挙妄動 日米首脳会談の危うさと醜悪
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/198587
2017年1月31日 日刊ゲンダイ
トランプに怯え、「コメントする立場にない」と逃げる安倍首相(C)AP
全米が騒然としている。トランプが発した「大統領令」に対する抗議の声がどんどん広がっている。
ニューヨーク・ケネディ国際空港では数千人が「彼らを入国させろ」と抗議。デモはワシントン、シカゴ、サンフランシスコなど40都市の空港や市内で行われ、ロイター通信は数万人が参加したと報じている。
批判が渦巻くのも当然である。トランプが発令した「大統領令」は、いくらなんでもムチャクチャだ。
中東7カ国の国民は全員、1月27日から90日間にわたってアメリカへの入国を突然、禁止された。アメリカでの永住権を保有していても例外ではない。アメリカに住居を構え、納税していても、いったん出国したら、再入国できない。7カ国の永住権保有者は50万人に達するというから影響は半端じゃない。さらに、難民については、全世界からの受け入れを120日間にわたって全面的に停止した。
トランプ大統領への批判が強まっているのは、イスラム教徒を狙い撃ちにしているからだ。さすがに、ニューヨーク州など各州の司法長官は「大統領令は違憲だ」と一斉に非難している。
アメリカの主要な同盟国も黙っていない。ドイツのメルケル首相と、フランスのオランド大統領は直接、電話で抗議。イギリスのメイ首相は「同意できない」と声明を発表し、カナダのトルドー首相は「多様性こそ我々の力だ」とツイートしている。トランプ大統領に怯えて「コメントする立場にない」と逃げているのは、日本の安倍首相ぐらいだ。
「抗議の声は、簡単には収まらないでしょう。テロと無関係な一般国民まで90日間も入国を禁じるのは乱暴すぎます。世界中が“やっぱりトランプは危険なヤツだ”と感じたはず。厄介なのは、トランプ本人が『国の安全を保つためだ』と引く気がないこと。これでは混乱は収まりませんよ」(外交評論家・小山貴氏)
四面楚歌のトランプ大統領(C)AP
2月10日は最悪のタイミング
まったく間が悪いと言うか、最悪なのは、10日後の2月10日に「日米首脳会談」が行われることだ。世界中が怒りの声を上げている時に、安倍首相はトランプ大統領と会うことになる。トランプに対して、日本のリーダーがなにを語るのか、注目を集めるのは間違いない。
もちろん、ドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領のように、ガツンと説教してやれば、日本は尊敬を集めるだろう。しかし、トランプを「信頼できるリーダーだ」と褒めちぎり、早期の首脳会談を切望してきた安倍首相に、抗議などできるはずがない。
28日の電話会談でも、〈就任直後から精力的に活動され、トランプ時代の幕開けを印象づけました〉〈大統領の一挙手一投足に世界が注目していますよ〉などと、恥ずかしいほど、ヨイショしていた。対面したら、揉み手でスリ寄るのは目に見えている。
ノーテンキな安倍周辺は「2人は相性がいい」などと評しているが、世界が危険視しているトランプ大統領との親密さを世界にアピールすることが、はたして国益になるのか疑問だらけだ。
「英、仏、独、加……と、これだけ世界のリーダーが抗議しているのに、もし安倍首相が“入国禁止”の大統領令について抗議せず、笑顔で握手したら、日本のイメージは一気にダウンしますよ。普段、安倍首相が“我々は、自由、民主主義、法の支配という共通の価値観で結ばれている”などとエラソーなことを口にしているからなおさらです。トランプの大統領令は、法の支配にも民主主義にも逆行しますからね。しかし、大統領当選直後の昨年11月、トランプに会うためにニューヨークまで飛んで行った安倍首相が、面と向かって抗議できるのか、非常に不安です」(政治学者・五十嵐仁氏)
■窮地のトランプは強硬姿勢
首脳会談のタイミングが悪いのは、それだけじゃない。ヤバイのは、窮地に立たされたトランプが、必要以上に日本に対して強硬に出てくると予想されていることだ。
アメリカ国民が抗議デモを起こし、同盟国から非難されているトランプ大統領は、いま四面楚歌にある。挽回するために、実績づくりを急ぐのは間違いない。2月10日に会う安倍首相は、格好のターゲットになりかねないのだ。元外交官の天木直人氏がこう言う。
「今度の日米首脳会談は、過去に例のない異常なものになると思う。通常、首脳会談は事前に“議題”と“落としどころ”を決めて、成功を演出します。しかし、今回は、ぶっつけ本番になる恐れがある。トランプ政権が発足直後のうえ、混乱への対応に追われ、日本とゆっくり話し合う余裕がないからです。安倍首相は、シナリオがないまま、トランプ大統領と向き合うことになるのではないか。その時、実績をつくりたいトランプ大統領が次々に要求を突きつけてくるのは確実です。力関係を考えたら、安倍首相は断れないと思う。気がかりなのは、いつの間にか“譲歩するのは仕方ない”という空気が日本国内に広がっていること。尖閣諸島への日米安保の適用を明言してもらうために、片っ端から要求をのむ恐れがあります」
それにしても、2月10日の首脳会談はタイミングが悪すぎる。もう少し、トランプという男を観察してからでも遅くなかったのではないか。「早く会いたい」と、早期の日米会談を切望した安倍首相の軽挙妄動が、完全に裏目に出た形だ。しかも、あれだけ「一番乗り」に腐心していたのに、イギリスに奪われ、28日の電話会談も6番目だったのだから、完全にコケにされている。
■自動車産業がイケニエに
はたして2月10日の首脳会談はどうなるのか。日本はなにを要求されるのか。自動車産業がイケニエになるのは、ほぼ確実視されている。
28日の電話会談で、トランプ大統領は〈アメリカ国内に雇用をつくりたい。日本の自動車産業にも、ぜひアメリカで雇用を生み出してほしい〉〈日米2国間の経済関係はとても大事だ。会った時にじっくり話し合おう〉と具体的に要求してきたという。
安倍首相も〈日米で協力すればいろいろな計画が考えられる〉と、答えている。
イケニエになることを了承してもらうためなのか、安倍首相は2月3日、トヨタ自動車の豊田章男社長と会談する予定だ。
「日米自動車交渉が激化した1995年の時と同じことが起こるかもしれません。アメリカが日本車の輸入に100%の関税をかけると突然通告してきて、困り果てた日本側は、窮余の策として自動車メーカーが現地生産を拡大するという“自主計画”を発表した。本来、民間企業に負担を強いるのはスジ違いですが、“モノ作りはアメリカで行い、アメリカ人の労働者を使え”と訴えているトランプ大統領の要求に応えるには、そのくらいしか方法が見つからない。理不尽な話だし、市場原理とは程遠いが、日本の自動車メーカーが、現地での生産拡大を了承させられる可能性があります」(天木直人氏=前出)
いったい、安倍首相は誰のためにアメリカに行くのか。トランプ米国が、これまで以上の貢献と負担を日本に強要する――。2月10日の首脳会談は、この先の日米関係を決定づけることになるのではないか。
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