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ホワイトハウスの大統領執務室で、署名したTPP離脱に関する大統領令を掲げるドナルド・トランプ大統領(2017年1月23日撮影)。(c)AFP/SAUL LOEB
トランプのTPP永久離脱が与野党に与えた衝撃
http://xn--gmq27weklgmp.com/2017/01/25/post-5952/
25Jan2017 天木直人のブログ
トランプ大統領が、とうとうTPPから永久に離脱する大統領令に署名した。
それをテレビの前で高らかに誇示して世界に宣言したトランプは、まさしくトランプそのものだ。
オバマケアの見直しとともに、オバマのアメリカを全否定したのだ。
しかし、衝撃はオバマの否定だけではない。
トランプは世界に見事に証明した。
政権が変われば、多国間条約でさえもあっさり捨て去る事が出来るのだと。
多国間条約でさえそうであるから、二国間協定を否定する事など朝飯前だ。
そこで想起されるのが、政権が代わっても日米同盟は不変だと言い続ける日本だ。
こんな嘘はない。
そして、私はその批判を対米従属の自民党だけに向けているのではない。
野党第一党の民進党はもとより、共産党ですら日米同盟反対を封印した。
なぜか。
世論がそう考えるからだ。
しかし、政治は世論に迎合するだけではいけない。
世論を正しく引っ張っていく使命を持たなくてはいけない。
トランプはそれを示した。
残念ながらその方向は間違っているから私はトランプを認めない。
そしてトランプの打ち出す政策は次々と世界を混乱させるに違いない。
いまこそ日本の政治はトランプに学び、トランプを乗越えなけれいけない。
賛否両論の世論を正しい方向に導き、日本を正しい方向に向かわせなければいけないのだ。
日本の政治にそれが出来れば日本は危機を乗り越えられる。
トランプの出現を千載一遇のチャンスに変えられる。
残念ながら、いまの与野党の政治家にはそれを期待することは出来ない。
トランプに右往左往だ。
ただの一人も、トランプを逆手にとって日本を優位に立たせようとするものがいない。
その象徴的な例が、トランプのTPP離脱に対する対応だ。
安倍首相はトランプが永久離脱の大統領令に署名した後も、まだTPPに未練たらたらだ。
米国抜きのTPPはあり得ないと言っている。
ここまでくればもはやご愛嬌だ。
どこまでも中国包囲網なのである。
それがいかに間違っているかは、私があらためて言うまでもない。
しかし、私がここで強調したいのはむしろ野党の対応だ。
野党は打倒安倍の最大のテーマとしてTPP反対を唱えて来た。
ところが野党の反対の最大の理由は、農水産物の保護である。
TPPの本当の危険性は、そのような貿易面ではない。
アジアの経済的支配を中国にさせない、中国にルールを書かせない、そのかわり米国流でアジア市場を支配するというとである。
日本との関係ではあらゆる分野での米国企業の日本乗っ取りだ。
私企業が国家を訴えるなどという条項が盛り込まれていることなどはその典型だ。
ところが、日本の政治における与野党の攻防はもっぱら農水産業の保護だった。
なぜか。
それは選挙の票に直結するからだ。
その意味では、自民党も野党も同じなのだ。
そしてとうとうTPPが永久凍結になった。
もはや与野党の攻防のテーマはなくなった。
もし日本の与野党が、保護主義を否定し、自由貿易を謳うなら、与党も野党も、いまこそあらたな自由貿易協定を追求すべき時だ。
いや、世界貿易機構(WTO)の原点に立ち戻るべきだ。
しかし、安倍首相は中国を敵視するあまりそれが出来ない。
野党は農業票欲しさに農産物自由化に踏み切れない。
TPPだけではなく、あらゆる自由貿易交渉においても農水産業の保護に回る。
だから対案がない。
それをごまかすために安倍政権のTPP交渉の失敗を批判するしかないのだ。
つまりトランプのTPP永久離脱は、見事に日本のTPP政局のいかさまぶりを露呈したのである。
そして、この日本の政治の矛盾は、最後は日米同盟の是非論に行き着く。
日米同盟の是非についてまともな論争が国会で起きないようでは、日本はトランプに振り回されるだけで終わる。
トランプの米国が誕生しても対米従属が続くようでは日本の政治に未来はなく、それはそのまま日本に未来はないということである。
もったいないことである(了)
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