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安倍首相 4カ国歴訪でも透けて見えた「共栄圏」の亡霊 日本経済一歩先の真相
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197813
2017年1月20日 日刊ゲンダイ
ベトナムで「TPP早期発効を目指す」と発言(C)AP
なぜ、このタイミングだったのかといぶかしんでしまう。東南アジアなど4カ国歴訪を終えた安倍首相のことである。
世界各地で新旧両勢力の対立が激発しそうな情勢の中、多くの国と友好関係の構築に励むのは結構なことではある。ただ、今回の外遊先のフィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムは、とりわけ日本との関係が良好な国々だ。信頼関係の醸成を狙うためだけに新年早々、わざわざ各国を訪れる必要性はそれほど感じられない。
最後の訪問先となったベトナムで、安倍首相は「TPP早期発効を目指すことを今回の訪問で確認した。日本は常に自由貿易体制の旗手であり続けたい」と発言した。グエン・スアン・フック首相との首脳会談でも、TPP発効の国内手続きを進めるよう促したとのことだ。安倍首相はオーストラリアに対してもTPPの国内手続きを猛プッシュしていた。
安倍首相のこの動きを「TPP離脱を表明しているトランプ米次期大統領を心変わりさせる材料にしたい考え」とメディアは解説。今回の4カ国歴訪を「TPP外遊」と名づけたが、次期大統領はこの程度で心を揺さぶられるようなナイーブなご仁ではあるまい。むしろ正式就任を間近に控え、「オレへのあてこすりか」と思われるのがオチであろう。
以前も当欄で指摘したことだが、やはり安倍首相は米国不参加のTPP第2バージョンで、21世紀型の大東亜共栄圏をもくろんでいるのではないか。米国第一主義を掲げるトランプ流の強烈な保護貿易政策への対応を名目として、「自由貿易」を旗印に掲げ、「大東亜」ならぬ「西南太平洋共栄圏」を目指しているように見えるのだ。
気がかりなのは、安倍首相が経済面に限らず、軍事面でも「共栄圏」を夢見ているフシが感じられることである。
ベトナムでの首脳会談では、中国の南洋進出をにらみ、新たに製造した大型巡視船6隻を供与する方針を伝達した。何しろ、平和憲法を度外視して集団的自衛権の行使容認に邁進した首相なのである。「中国の脅威」を口実にあらぬ波風を立て、一気に憲法を改正して軍事力を手に入れ、それこそ戦前の日本の轍をもう一度踏むことにならなければいいのだが。
安倍首相の祖父で、A級戦犯容疑で収監された岸信介元首相は、戦前の「大東亜共栄圏」構想に貢献した人物だ。首相は「祖父の夢よ、もう一度」とばかりに「共栄圏」の実現に突き進むつもりなのだろうか。とてつもない危うさを感じ、何とも落ち着かない気持ちにさせられるのだ。
高橋乗宣 エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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