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門前集会で締結状況確認の必要性を訴える池住代表代行(2017.1.16筆者撮影)
元記事
http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1920258.html
環太平洋連携協定(TPP)の違憲確認などを求める「TPP交渉差止・違憲訴訟」が16日、東京地裁(中村さとみ裁判長)で結審した。7回目の口頭弁論として更新弁論と原告による口頭陳述が行われたが、裁判長が突如「終結」を宣言。原告側が釈明を求めた締結状況は示されなかった。
2時間の弁論期日を確保した今回、最初の45分は更新弁論に充てられた。昨年11月の第6回弁論で、通知なく裁判長が変わっていたからである。更新手続きを要求した結果、今回は裁判長に対し、これまでの原告の主張の概要を改めて説明した。
民事訴訟法249条が定める直接主義に基づき、酒田芳人弁護士がISDS(投資家対国家紛争解決)条項の問題点や食品、医療、農業、政府調達に及ぼす影響を説明。岩月浩二弁護士は過去の陳述を要約しながら、TPPが憲法の定める国民主権の原則をグローバル企業主権の原則に置き換えるものだと強調した。
原告本人による陳述として、アジア太平洋資料センターの内田聖子(うちだしょうこ)事務局長と経済学者の植草一秀氏が合わせて20分ほど、批准による損害を証言した。
内田氏は「英文で8000ページ以上の協定文の全容と問題点が今も明らかにされてない」と秘密主義を批判。「甘利−フロマンの交渉記録も開示されると真っ黒に塗られて出て来て、『外交上の秘密でお答えできない』という。国民の知る権利に対する大きな侵害がある」と指摘した。
植草氏は、憲法が保障する国民諸権利を挙げて憲法が「国の最高法規」であると定める同98条を朗読。その上でTPPは@もたらす結果が不明確A強い隠蔽(いんぺい)性を持つBISDSにより主権が失われると指摘。Bは司法権をも奪うとくぎを刺した。
山田正彦・和田聖仁両弁護士らが代理人として、漁業権への悪影響や越境サービス分野に生じる問題点を説明した。
突然の「終結」、締結状況への関心
この日のもう1つの争点は今後の進行協議だった。原告弁護団は1つの戦略を持っていた。それは、TPP協定の締結手続きの現状を明らかにすること。TPP違憲訴訟は15年5月の提訴時に「交渉差し止め」も求めていたが、16年2月の署名を受け、この部分を「締結差し止め」に変更。それでも被告の国は「批准していないから権利侵害はない」と棄却を求めてきた。
「批准」とは一般に、国が条約に拘束されることに同意を表明する行為を指す。門前集会で「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」池住義憲代表代行は表明していた。
「締結には細かく閣議決定や天皇の認証があり、寄託国ニュージーランドに文書を出しているのか。報道を見ても、日本側が正式手続きを取っているのか分からない。それをきょう、法廷ではっきりさせましょう」
被告の国が回答する状況によって、次の主張を準備書面に盛り込む構えだった。
法廷では更新弁論の後、原告弁護団が釈明を求めた。「国はどこまで手続きを終えたのか」「ニュージーランドに何が寄託されたのか」。国側は答えた。「TPPの締結はなされていない」「寄託国のニュージーランドに、関連する国内法が完了した旨、通報はなされていない」。
「閣議決定や天皇による認証は未整理か」(原告)
「TPP協定は批准ではなく、寄託による。天皇による認証手続きはない。書面で寄託者に通報する」(被告)
「閣議決定は必要ないのか」(原告)
「この場では回答できない」(被告)
原告本人陳述を挟み、原告弁護団は締結手続きの現状について「書面で質問する」と回答を求めた。被告の国側も「出された書面を見て回答するかどうか決めたい」と応じた。
しかし、国側は続けて「きょうで終結していただきたい」と求めると同時に、「書面提出の意図はどこにあるのか。聞いて何をしたいのか」と尋ねる。原告は「権利侵害がどの段階にあるかは重要。時間的切迫性を明らかにしたい」と答えた。裁判長が発言する。
「その必要性はない。審理は尽くした」
「異議あり」
原告側がもう1期日の設定を求め、膠着(こうちゃく)状態に。休廷に入る。
5分ほどたって戻った裁判長は間髪入れず、告げた。
「弁論を終結したい」
その一言で退出する3人の裁判官に怒号が飛ぶ。
「ひどい」
「これが裁判かよ」
「予想していたことだが、残念。審理は尽くされたと言うが、こちらが主張する実被害について、国は全く反論をしていない。棄却を求めるにも、批准手続きがどこまで進んでいるのか示す必要があった。結論ありきの判決」と原告側の三雲崇正弁護士は肩を落とした。
「司法が劣化」、裁判官忌避も
元農水相で「訴訟の会」幹事長の山田氏は報告集会で、「日本の司法制度がここまで劣化したか」と嘆いた。一方で、「きょう明らかになったことは、批准できてないという事実」と成果を挙げた。
岩月氏は「国会承認を急いだにもかかわらず、後の締結行為がされたとの報道がない」と指摘。内田氏は12日の産経新聞電子版「TPP手続き完了 政府、月内にもNZへ通告へ」の記事を取り上げ、「国会手続きの不要な政省令改正案などで意見公募手続きが進んでいるとあるが、全く私たちに見えていない。可視化が必要」と訴えた。
原告は、3日以内に裁判官忌避の申し立てを行う予定。行政訴訟も検討している。国内政省令が権利侵害をしているとの論法である。
同訴訟は15年5月、@TPP交渉の差し止めA同交渉の違憲確認B国家賠償の3点を求め、原告1063人によって起こされた。2次提訴も行われ、原告は国会議員8人を含め総勢2290人(16年11月30日現在)に及ぶ。
TPP協定文の第30章の5条によれば、発効には全原署名12カ国が寄託者(ニュージーランド)に国内手続き完了を通報するか、署名後2年以内に域内の国内総生産(GDP)合計の85%以上を占める6カ国以上が通報することを必要とする。
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