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2017年01月18日 「ジャーナリスト同盟」通信
<恐ろしい極右首相>
遂に、ここまできたのか。恐ろしい極右首相に愕然とするばかりだ。こともあろうに、戦争のためのミサイルを供与したい、と外国に申し込んでいた!A級戦犯の申し子の本領発揮であろう。戦争放棄の憲法を擁護する義務のある日本国首相の行動である。相手国指導者は「第三次世界大戦を見たくない」といって、極右首相の申し入れを断った。危ういところで、深刻な事態は回避できたが、この事実が消えることはない。中曽根の不沈空母発言どころではない。ボールは、日本の新聞テレビ・議会・司法・日本国民に投げらている。どう始末をつけられるか。
<フィリピンにミサイル供与>
1月15日付のフィリピン英字紙「フィリピン・スター」は、ドゥテルテ大統領が安倍からの「ミサイル供与」の申し入れを拒絶した、と仰天するような特ダネを報じた。クリスティナ・メンデス記者が本人確認の上で記事にしたものだ。
1兆円のカネだけではなかったのだ。「武器弾薬も上げますよ。そこいらの鉄砲ではない。性能のいいミサイルですよ。南シナ海の有事に効果的ですよ」という解説もつけたかもしれない。金に弱い外国の指導者を熟知している極右首相の手口には、空いた口が閉まらない。
筆者は1月16日の夜の中国テレビの国際ニュース報道を、友人が教えてくれた。「まさか」といって即座に信じられなかった。誤報ではないか、と疑ってしまい、翌日のネットで調べてみると、フィリピン新聞の特ダネは、日本のネットで炎上していた。
「きちがいに刃物」ということわざがある。極右に権力を委ねる恐怖を裏付けている。改めて恐ろしい日本国首相に怒りを覚える。
TPP・カジノ解禁どころの騒ぎではない。
<死の商人顔負け>
危険な原子力発電所の売り込みに必死の安倍は、武器弾薬の売り込みにも必死で奔走していることも判明した。
極右首相の支え役は、極右の大阪維新ではない。神社本庁の日本会議と創価学会である。信濃町が正道に戻らない限り、いくら小沢一郎が野党共闘をわめいてみても、極右政権を退陣させることは出来ない。3分の2議席の主役は創価学会である。
創価学会の御利益?を独り占めにしている安倍晋三なのだ。安倍ー太田昭宏ラインが、諸悪の根源である。安倍を、死の商人顔負けの暴走を許している創価学会に、国民は改めて衝撃を受けている。
宗教は怖い。道を外れると、本当に脅威である。極右の支え役は宗教団体・カルト教団なのである。イスラム過激派を非難など出来まい。
<不沈空母発言を超える>
日本の戦後の右翼人脈は、東條内閣の商工大臣を歴任した岸信介にさかのぼる。CIAが復活させた反共政治家で知られる。二番手が中曽根康弘である。98歳で、読売の渡辺恒雄の盟友である。共に「ロッキード事件を乗り切った同志的結合」と指摘する向きもある。
その中曽根が、訪米時に「日本列島は不沈空母」「日米は運命共同体」と叫んで、レーガン大統領を喜ばせたが、だからといって、中曽根が中国攻撃に武器を供与するという行動に出たことはない。彼なりに、日本国憲法を学んでいたせいでもあろう。
だが、日本会議と創価学会が支える安倍は、ろくろく学問を身に着けていない。知的な資質が欠落している。「憲法を知らないまま大人になってしまった」が、安倍家を知るジャーナリストの指摘である。
日本国憲法は、占領軍が数日にして実現したものという、軽薄な知識としてしか理解していない。
日本会議が、安倍の利用価値を認める理由なのであろう。背後の黒い勢力の思惑が潜んでいるのだろう。ここまでは小泉純一郎には踏み込めない。いわんや同じ人脈とはいえ、福田康夫にとって、安倍は天敵のような存在なのだ。福田は靖国参拝は大反対だった。
<執念の中国敵視>
福田は、いまも中国との関係は悪くない。むしろ、いい方である。日中友好団体が総崩れとなってしまった中で、福田と鳩山由紀夫が健闘している。もちろん、両者と岸の孫は水と油の関係である。
岸の申し子である孫の安倍は、中国敵視で凝り固まっている。台湾の李登輝の薫陶も受けて、執念の中国敵視人物なのだ。石原慎太郎レベルだから、安倍は「石原犯罪」に蓋をかけている、と指摘される始末だ。
日本会議の息は、野党・民進党にも吹き込まれている。蓮舫と野田のコンビには、玄人筋に「官邸の野望」をみてとれる。石原の尖閣表面化に手を貸したのは、ほかならぬ野田である。野田に対する自衛隊員の父親の教育は、その後、松下政経塾での右翼・民族主義の洗礼を受けて、これまた反共主義者で知られる。
野党共闘は本物にならない。安倍暴走の構図なのだ。極右が開花した日本を、米国の良心は北京と同様に警戒している。
米中首脳会談を実現させたキッシンジャーが「世界で一番危険な人物は日本会議の安倍だ」と指摘する事情も理解できる。東京のCIAがどう動くのか?
<金と武器で中国包囲>
安倍の中国包囲網への執念は、日米関係を強固にして、米国を反中の枠の中に抑え込む。そのために、ワシントンの産軍体制との共闘を強固にする。したがって、軍拡路線(武器輸入)で彼らを満足させる。
そのうえで、ASEANなどにカネをばらまいて、かの国々の甘心を買う。それだけではない。武器弾薬を供与、日本製の武器輸出先も確保する。安倍家と三菱財閥の長くて深い関係が、もろに吹きだすことになる。
<狙いは平和憲法破壊>
中国との緊張関係の継続は、日本人の民族主義化・ナショナリズムの台頭を呼び起こそうというものだ。その先に平和憲法を破壊する狙いがある。
国家神道の日本・教育勅語の日本・大日本帝国憲法の日本へと引きずり込もうというのである。薩長時代の明治に引きずり込もうという壮大なる野望である。
その手口は、ヒトラーのワイマール体制崩壊をまねている。時に労働者などに甘い言葉で誘惑するのである。むろん、婦女子への対策もそうである。
日本会議の中枢は、ヒトラー研究者が多いようだ。国民は愚民扱いされている。
<新聞テレビ報道封じ込め>
一番厄介な存在は、新聞テレビである。これが健全・まともであると、極右の野望は挫折することになる。健全な言論を封じ込めることが、右翼の最大の眼目なのである。
幸いなことに、既に読売と産経グループは右翼化していた。日経も後追いしてきた。毎日は信濃町新聞に変化していた。残るは朝日である。従軍慰安婦問題をうまくからめて、官民挙げて攻撃して、見事に屈服させてしまった。
これに電通による個々の記事への弾圧でもって、日本列島からジャーナリズムは消えてしまった。
今回のフィリピン事件を、どう報道しているのか、大いに気になるところであるが、国民が納得するような真実の報道は期待できないかもしれない。
金と武器を売り込んでの中国封じは、事と次第によっては第三次世界大戦を引き起こす可能性を否定できない。
野党を補完勢力にしての2017年も、悲しいかな暗い。
2017年1月18日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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