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2017年01月14日 「ジャーナリスト同盟」通信
<中曽根の不沈空母・運命共同体発言>
このほど外務省が、80年代前半の外交文書を公開した。リベラルの大平外交と右翼の中曽根外交の一部が露呈、研究者に貴重な研究材料を提供している。報道で判明したことは、83年1月の中曽根訪米にさいしての、日本列島不沈空母発言と日米運命共同体発言は、事実として記録されていた。
この中曽根発言は、当時国内に強い衝撃をもたらした。内閣支持率は急落した。国会では厳しい追及がなされた。中曽根は窮地に立たされ、あたかも新聞が勝手に報じたものであるかのようにして逃げまくった。都合の悪い発言は「なかった」という右翼の性格をさらけ出したものである。
政治家の発言ほど、いい加減なものはない。信用度の低いものである。それでも人は、それになびく。そこを上手く利用する右翼政治家は、今の安倍内閣でより露骨になっている。SEAN首脳部もモスクワ・ワシントンも注意すべきかもしれない。
<衝撃を受けた平和軍縮派>
当時、東京でこの中曽根発言を耳にした平和軍縮派の宇都宮徳馬は、それこそ腰を抜かすほど驚いた。「アメリカが、ソ連と核戦争しても日本は沈没しない。日米は運命共同体である」とレーガン大統領や米紙の朝食会で右翼首相が胸を張って見せたものだ。
いうところの右翼のハッタリ・ゴマすりを象徴した暴言であるが、それで収まるものではなかった。当時の米ソの核軍拡レースは、冷静になって止まるという様子がなかった時代である。日米貿易戦争も存在した中で、中曽根らしい本音でワシントンをなだめすかそうとした野心的暴言である。
ご存知、右翼の発言はいつも自信に満ちた態度である。受け手の耳には心地いいものだが、1億国民はたまったものではない。
右翼の言動の特徴は、常に国民の立場を忘れていることである。宇都宮の怒りを筆者も共有した。以来、中曽根批判の原稿が増えることになった。
<読売が中曽根新聞へ変質>
しかも、中立公正を基礎に新聞を発行してきたはずの読売が、何と中曽根新聞を発行しているではないか。
多少の政治知識があれば、読売のジャーナリズム放棄は明らかだった。戦前の読売で、高杉俊輔のペンネームで軍部批判をしていた宇都宮である。共産党に傾倒して就職先のない渡辺恒雄や氏家らを、読売に押し込んだ宇都宮は、二重の衝撃を受けた。
「権力監視を止めた新聞は、もはや新聞ではない」「ナベツネは忘恩の徒である」という宇都宮発言が繰り返される。宇都宮が亡くなった時、それでも弔問を忘れなかったナベツネに苦笑したものである。右翼新聞を発行し続ける新聞の価値とはどういうものか、宇都宮に代わって見聞する必要があろう。
<中国に対して他国攻撃力を否定した中曽根の大嘘>
83年11月、中曽根は中国の胡耀邦総書記と会談している。この時、中曽根は隣国の責任者にも大嘘をついていた。
改憲軍拡の一番手は中曽根である。それまでの防衛費はGDP1%以内という三木内閣の方針を破壊したのが、中曽根軍拡だった。二番手が今の安倍内閣である。3分の2議席を背景にやりたい放題である。その原動力が、創価学会という歴史の皮肉に愕然とするばかりである。
中曽根は、人のいい中国のリーダーに対して「日本は他国に攻めるような力は絶対に持たない」という大嘘を平気で発言していたことが、公開された外交文書で明かされた。安倍は現在、人のいいASEANのリーダーらにどんな甘言をささやいているのであろうか。
いまや尖閣や南シナ海問題では、中国に噛みつこうという軍拡路線に必死である。オスプレイやF35、それに話題のTHAADにまで手を広げている安倍と稲田のコンビである。
<尖閣問題封じを要請した大平内閣>
80年5月に大平正芳首相は、中国の華国鋒主席と会談しているが、それに先立って外務相の大来佐武郎は、北京の日本大使にあてて「尖閣発言はしないように要請すべし」との訓令を出していたことも公開された。
尖閣問題が表面化すると、どうなるのか。東京の右翼がじっとしていない。当時の大平には、党内の右翼(福田派と中曽根派)から攻撃されていた。問題が浮上すれば、右翼に格好の舞台を提供することになろう。
大平らしい用意周到な作戦を大来が代行したものであろう。結果は、その通りになった。外交は本来、こうあるべきなのだ。意図して荒波を立てるような敵視政策は、愚の骨頂である。背景に日中の信頼関係が存在した。
大平内閣は79年12月の中国訪問でODA支援を約束した。中国が戦争賠償を放棄してくれたことへの、小さな恩返しだった。中国はこのODAによって、経済を復興させることに成功したものである。これは日本人の誇りとしていい。
<右翼の嘘とリベラルの友好信頼>
以上の外交文書の公開から、何が見えるだろうか。リベラルと右翼の外交の落差である。
嘘は必ずバレる。バレることはしない、というリベラル。友好を旨とするリベラル外交のどちらがいいのか?
危うい右翼外交と信頼・友好を原則とする外交は、後者に軍配が上がるだろう。対立していいことなど何もない。精神的な実害どころか、経済や国内政策にも悪影響が出てくる。。
いまの中国との敵視政策による信頼関係の破壊は、40年の日中友好関係を破たんさせただけではない。
1日も早い友好政権・リベラル政権の誕生がアジアの希望・期待である。
2017年1月14日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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