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やっぱりトランプ次期大統領は酷いが、安倍首相も酷いぜ。どっちもどっちではないか。
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17年01月14日 永田町徒然草
今年最大の寒気団が来襲している。この週末、わが国はどこも寒いし、雪が降るという。私の故郷の十日町市も、この2〜3日で150〜170cmくらいの降雪があると予想されている。今は“寒中”なのである。寒くて当たり前なのだ。昔も寒中は寒かったし、大雪も降った。そんな中で私は育った。昔の雪国の冬は、もっと過酷だった。そんな状態を何とかしたいと頑張ったのが、新潟県の政治家だった。いまブームだという田中角栄元首相は、その代表だった。
マスコミは寒さや雪のことで大騒ぎしているが、そんなに大騒ぎする程のことではない。またいつものように小池劇場のささいなことに異常なほど熱心だ。これに加えて、1月12日(現地日)に行われた、トランプ次期大統領の初めての記者会見について、熱心に報道している。しかし、どうでも良い事を“ああだ、こうだ”と言うばかりだ。報道する視点が定まっていないというか、その視点が少しも感じられない。
「40歳になったら、人間は自分の顔に責任を持たなければならない。」は、リンカーンの有名な言葉である。トランプ氏は、もう70歳である。トランプ氏が喋ったことは、彼の本音であるし、そうした考えはこれからも変わらないであろう。私は、そう考える。「十分に説明や説得すれば大丈夫だ」と考える向きもあるが、それは無駄と思う。
これは永田町徒然草No.1887「2017年の年頭に思うこと」で私が述べたことである。今回の記者会見を見て分かる通り、「トランプ氏が(選挙戦期間中に)喋ったことは、彼の本音であるし、そうした考えはこれからも変わらないであろう」ということは明らかではないか。「十分に説明や説得すれば大丈夫だ」と期待することなど無駄なのだ。心あるジャーナリストならば、これを批判するのが仕事なのだ。
わが国のマスコミに心あるジャーナリズムを期待する方が無理であるが、それでも少しは批判的なニュアンスを述べている。しかし、それはトランプ次期大統領の表現とやり様(よう)が余りにも野卑だからに過ぎない。そうしないと自分たちも野卑と思われることを惧れてのことなのである。もしわが国のマスコミに少しでも批判精神があるのであれば、トランプ次期大統領の言動と安倍首相の日頃の言動を重ね合わせて見る必要がある筈だ。
トランプ次期大統領は会見で記者の質問を遮(さえぎ)ったり無視した。このことを批判しているが、安倍首相は国会において野党議員の質問を遮ったり真面(まっとう)に答えていないではないか。どっちが酷いのか。記者会見において、多くに記者から質問の挙手があった。特にCNNの記者は、懸命に質問していた。わが国の安倍首相の記者会見の時はどうだろうか。そもそも真剣な質問すらないではないか。予(あらかじ)め調整されているのである。こっちの方が酷いではないか。
トランプ次期大統領は、アメリカにおカネが入ってくることばかりをさも得意げに話していた。メキシコとの国境に壁を作り、そのおカネはメキシコに払わせると言っていた。前々からの主張である。作りたければ作ればよいではないか。安倍首相の方は、訪問中のフィリピンにまた1兆円規模の経済協力を約束した。そもそもそんなおカネがあるのか。どこから出すのであろうか。こっちの方が問題ではないのか。
多くの日本人が、トランプ大統領の出現を困ったことだと思っている。それは健全な政治的感性だ、と私は思っている。ところがわが国の首相はそう思っていない。信頼できる大統領の誕生だと考え、しっかりと協調していくと言っている。アメリカ国民がどのような大統領を選ぼうが、それは仕方のないことである。しかし、安倍首相は、日本国民が選んだ首相なのである。このことに思いを致す時が来たのではないか。
安倍首相であろうが、トランプ大統領であろうが、“ダメなものはダメ”なのである。力づくで掛かってくるかもしれないが、断固として反対しなければならない。そうすれば、道は必ず開けてくるものである。人類社会は、そのくらいには進歩している。「“泰然自若”として事に当たろう」と私が口を酸っぱくして訴えるのは、そういうことなのである。
今日はこのくらいにしておこう。それでは、また。
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