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残業なし、賃上げ、経済成長というバラ色の虚構が安倍政治
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197478
2017年1月13日 日刊ゲンダイ 文字お越し ※タイトルは紙面と記事による。
日本商工会議所の三村会頭(左写真・左)と経団連の榊原会長(同・右)/(C)日刊ゲンダイ
大メディアによると、20日召集の通常国会での最大のテーマになるらしい。安倍首相が「断行の年」と意気込む「働き方改革」のことである。
昨年末に安倍政権は、非正規労働者と正社員の不合理な格差をなくすための「同一労働同一賃金」のガイドライン案を公表。通常国会には時間外労働に上限規制を設けるため、労働基準法の改正案を提出する。
5日の経済3団体共催の新年祝賀会でも、安倍は「仕事と子育てや介護を無理なく両立できるようにする」と訴え、並み居る企業トップを前に「4年連続のベア」も要請した。
すっかり野党のお株を奪うような労働者の味方ヅラなのだが、一方で安倍は「アベノミクスをしっかりふかす」と年頭会見でも断言。いまだ「2020年ごろにGDP600兆円」という途方もない目標を下ろさず、あくまで経済成長を追求している。とことん欲張り過ぎな男である。
異次元レベルの金融緩和を4年近く続けても、物価上昇率目標2%を一度も達成できず、消費は凍りついたまま。1世帯当たりの消費支出(実質)は昨年2月の「うるう年効果」を除けば、実に15カ月連続で前年同月比マイナス。庶民のフトコロも冷え込みっ放しで、安倍のベア要請も空しく、実質賃金はこの3年で年17万5000円も減ってしまった。
安倍が国を挙げて低成長を受け入れる成熟社会づくりを打ち出したのなら、いざ知らずだ。アベノミクスの完全破綻で日本経済をメタメタにしておきながら、残業をなくし同一労働同一賃金を実行し非正規差別を撤廃させ、賃上げ、経済成長も成し遂げる。そんな“四兎”も“五兎”も追いかける夢物語をどうやって実現するというのか。
我が身を省みず、バラ色の未来を吹きまくる安倍のオツムはどうかしているし、空しい理想論を無批判に垂れ流す大メディアも同罪だ。確かに、電通の若手女性社員の過労自殺以降、長時間労働是正の機運は高まっているが、その流れに便乗しただけのようなペテン政権の口八丁、三百代言のたわごとをマトモに受け取るわけにはいかないのだ。
連合はどっちの味方なのか(C)日刊ゲンダイ
労働者の待遇改善拒む政権のデフレ元凶説
ハッキリ言って安倍の掲げる「働き方改革」なんて単なる虚構に過ぎない。そう言いきれる理由もハッキリしている。そもそも安倍の経済政策は根本からトチ狂っているからだ。
安倍は首相就任以来、事あるごとに「デフレ」をやり玉に挙げ、諸悪の根源のごとく忌み嫌ってきた。年頭会見でも「鳥が大空をかけるように颯爽と『デフレ脱却』に向けて3本の矢をうち続けていく」と強調。異次元緩和の継続もデフレ退治のため。日本経済がデフレに陥ったのは金融緩和が足りないからとの認識で、黒田日銀のケツを叩き、市場にジャブジャブ金を流し込んできた。
安倍たちの認識が間違っているのは、マイナス金利の“禁じ手”まで導入しながら、一向に「デフレ脱却」を宣言できないことが証明している。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査本部長の五十嵐敬喜氏は昨年7月、日経新聞にこう寄稿していた。
〈デフレは諸悪をもたらす元凶ではなく、低迷する日本経済が鏡に映る姿だ。今なおデフレから抜け出せないのは、わが国企業がグローバル競争の中でジリ貧を続けてきたからに他ならない〉
つまりデフレとは、安倍がオツムに描くような景気や企業業績低迷の「原因」ではなく、むしろ「結果」に過ぎない。なるほど、「罪のないデフレ」をいくら叩いても、安倍の期待通りに景気は上向かないわけだ。経済評論家の斎藤満氏はこう言った。
「安倍政権が本気で働き方を改革したいのなら、まず景気や企業の競争力を高める環境づくりを優先すべきです。企業の競争力が低下し、売り上げが伸び悩む現状で、収益維持を求めればコストを削るしかない。非正規雇用がこんなに増えたのも、最大コストの人件費に手を付けたくても正社員の賃金カットやクビ切りはめったにできないから、置き換えてしまえという企業の論理です。異次元緩和の円安政策で見かけだけの利益を増やしても一過性の現象に過ぎないことは企業側も熟知しています。景気拡大を確信できない限り、人件費抑制のマインドは消えない。その結果が、大企業に貯め込まれた過去最大400兆円に迫る内部留保です。安倍政権が根本から発想を切り替えない限り、真の働き方改革は実現しません」
アホノミクスのトンチンカン政策が続く限り、「働き方改革」は絵空事に過ぎない。いくら安倍がいきんでも、画餅に終わるのみだ。
■見境なく手を出し頓挫する毎度のパターン
日本経済の“稼ぐ力”が高まらなければ、安倍政権の「働き方改革」が企業側に悪用される恐れだってある。
「業績が改善されず、人件費のパイが増えないのに、企業に『同一労働同一賃金』を無理やり押し付けるのは愚の骨頂です。非正規労働者の賃金が正社員の6割弱にとどまる中、正社員の賃金を非正規労働者の水準に引き下げる口実に使われかねません」(筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)
前出の斎藤満氏は「働き方改革は、企業の競争力向上の地ならしという基本政策を怠り、面倒だから手っ取り早く成果を挙げたいという政権側の焦りの表れ」と語ったが、この政権はいつだってそうだ。
政権浮揚につながりそうなテーマが目先にブラ下がると、後先のことは深く考えずパクッと食いつくのが、毎度のパターンだ。しかも、その実現性が「ひょっとして」という低レベルでも見境なく手を出してしまう。ロシアとの北方領土返還交渉が、いい例だ。
安倍も一時は北方領土問題を解決し、“歴史的偉業”を前面に打ち出し一気に解散だと夢見たのだろう。だが、夢はやはり夢だ。成果を焦った前のめり姿勢がアダとなり、プーチン大統領に足元をみられて、3000億円の経済協力をふんだくられたのは記憶に新しい。
「安倍首相に『残業なし』『賃上げ』『非正規の待遇改善』などと、労働者に耳当たりの良いことを熱っぽく訴えられたら、野党だって批判しにくい。しかも、いざ実現できなくとも“政権は本気だが、企業経営者の本気度が足りないからだ”との逃げ口上で、責任をなすりつけられるのだから、タチが悪い。働き方改革は酉年解散をにおわす首相のイメージアップ戦略にはなれど、実効性は極めて薄い。経済失政のゴマカシと政権与党の選挙対策の域を出ません」(小林弥六氏=前出)
アベノミクスの完全破綻で労働者の待遇を悪化させている張本人が、臆面もなく労働者の味方を気取る“世紀の国民だまし”。そんなペテン首相は日本最大の労組「連合」にも手を伸ばし、働き方改革の協力を要請。本来なら労働者の味方であるはずの連合も、神津会長一派を中心に安倍官邸にスリ寄り、結果的に野党分断に手を貸しているのだから末期的だ。
2017年もサラリーマン受難の時代が続きそうだ。
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