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無罪確定すべき袴田事件
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2024年10月 8日 植草一秀の『知られざる真実』
国家にしかできない犯罪、それは戦争と冤罪。
故・後藤昌次郎弁護士が遺された言葉。
冤罪は「魂の殺人」と言ってよい。
日本の刑事司法は無数の冤罪を生み出している。
刑事司法の根幹が歪んでいるためだ。
刑事司法の鉄則は
「たとえ10人の真犯人を取り逃がしても1人の無辜(むこ=無実の人)を処罰してはならない」
その実現のためにいくつもの根本原理が定められている。
罪刑法定主義
法の下の平等
適法手続き
無罪推定の原則
などだ。
1789年に定められたフランス人権宣言にこの原理が明記されている。
冤罪を生み出してはならないことは「基本的人権の尊重」から導かれる。
無実の人間が犯罪者に仕立て上げられることほど酷いことはない。
当事者にならなければ実感が湧かないと思われるがマルティン・ニーメラーの言葉を思い起こさねばならない。
「ナチスが共産主義者を連れさったとき、私は声をあげなかった。私は共産主義者ではなかったから。
彼らが社会民主主義者を牢獄に入れたとき、私は声をあげなかった。社会民主主義者ではなかったから。
彼らが労働組合員らを連れさったとき、私は声をあげなかった。労働組合員ではなかったから。
彼らが私を連れさったとき、私のために声をあげる者は誰一人残っていなかった。」
冤罪についても同じことが言える。
冤罪が判明したときに、それを我がこととして考えることが必要。
放置すれば災厄は自分自身に降りかかるかも知れない。
袴田事件の再審裁判で静岡地方裁判所が無罪判決を言い渡した。
判決で裁判所は捜査当局による証拠の捏造を認定した。
袴田巌氏に死刑判決を言い渡した当初の静岡地裁判決ですら、裁判所は静岡県警清水警察署が作成した45通の「自白調書」のうち、1通しか証拠として採用しなかった。
判決を起案した左陪席裁判官の熊本典道氏は無罪を主張したが、石見勝四裁判長と右陪席裁判官に反対されて、2対1の合議で死刑判決が言い渡された。
それでも、判決では45通の供述調書のうち、1通しか証拠として採用しなかったのである。
再審裁判で静岡地裁は自白調書の捏造を認定した。
静岡地裁は自白調書を捏造したものと認定しただけでなく、有罪認定の決め手とされた物的証拠である「5点の衣類」とその共布および5点の衣類に付着した血痕も捏造と認定した。
「5点の衣類」とは事件発生から1年2か月余りたって味噌製造工場にある味噌の1号タンク内から発見されたもの。
5点の衣類には赤みを帯びた血痕が付着していた。
しかし、みそタンクに1年以上も漬け込んだ衣類であれば、血痕の赤みが残ることがない。
このことが立証されて5点の衣類が捏造であると認定された。
事件発生後に事件現場周辺は徹底的な捜査の対象とされており、このときに発見されなかった衣類が、事件発生から1年2ヵ月も経過して味噌工場から発見されたこと自体が極めて不自然である。
裁判所が捜査当局の捏造を認定して袴田巌氏に無罪判決が言い渡された。
検察が控訴しなければ袴田事件は冤罪無罪事件として確定する。
検察側は無罪判決が言い渡された後も上訴権を放棄しておらず、10月10日まで控訴の可能性が残存している。
過去に再審無罪となった死刑事件4件はいずれも検察側が控訴せず、無罪が確定している。
検察は罪の上に罪を重ねる過ちを犯すべきでない。
控訴を断念して袴田氏の無罪を確定されるべきだ。
万が一、検察が控訴する場合には石破内閣が指揮権を発動して袴田氏の無罪を確定させるべきだ。
このような悲惨な冤罪事件が明るみに出たが、私たちはこれを氷山の一角と認識し、陰に隠れている多数の冤罪事案に思いを馳せる必要がある。
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58年間の戦いがやっと終わるんですね。
— ジャック・ランラン (@Jack_Almania) October 8, 2024
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袴田巌さんの無罪確定へ、検察が控訴断念方針 判決覆すの困難と判断:朝日新聞デジタル https://t.co/RwRPLmkq7x
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