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特別検察官が13名のロシア人をロシアゲート絡みで起訴するが、説得力はない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802170000/
2018.02.17 櫻井ジャーナル
ロバート・ムラー特別検察官は2月16日、13名のロシア人とロシアの3機関を起訴すると発表した。2016年にアメリカで実施された大統領選挙へ介入、ドナルド・トランプを勝たせようとしたという容疑だ。司法省にしろ、FBIにしろ、ムラーにしろ、いわゆるロシアゲートが事実だとする説得力のある根拠は示してこなかった。反対に、司法省やFBIの不正行為を示す事実が明るみに出始めている。
ロシアゲート人脈をたどるとクリストファー・スティールなる人物が出てくる。下院情報委員会でアダム・シッフ議員が大統領選挙にロシアが介入したとする声明したのは昨年(2017年)3月だが、その前からFBIの幹部だったブルース・オーはスティールと接触していた。このスティールを雇ったフュージョンGPSという会社は同じ件でブルース・オーの妻、ネリー・オーも雇っている。ネリーはCIAの仕事をしていた人物。このフュージョンの雇い主は事実上、DNC(民主党全国委員会)とヒラリー・クリントンだ。
スティールは元MI6(イギリスの対外情報機関)オフィサーだが、FBIの協力者だったことも判明している。つまり、ブルース・オーの接触には関係なくロシアゲートには最初からFBIが絡んでいる。FBIがロシアゲートをでっち上げた黒幕だと言うこともできるだろう。
少なからぬ人が指摘しているように、アメリカにはAIPACという強力なイスラエル・ロビーが存在し、アメリカの選挙に大きな影響を及ぼしている。このロビー団体がイスラエルの情報機関モサドと結びついていることも知られている。大統領選挙の際、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプは自分たちがイスラエルの支持者だということをアピールしていた。
クリントンやトランプだけがイスラエルの影響下にあるわけではない。それを示す一例が「1995年エルサレム大使館法」という法律。エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、エルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだとしている。昨年(2017年)6月5日に上院はその法律を再確認する決議が賛成90、棄権10で採択された。この決議ではバーニー・サンダースも賛成した。
アメリカが他国の内政に干渉し、選挙を操作してきた。第2次世界大戦後、最初に介入した選挙は1948年のイタリア。その総選挙ではコミュニストが有力視されていたが、そうした状況に危機感を持ったアメリカ政府は大規模な工作を実施した。その資金にはドイツから押収した「ナチゴールド」の一部が使われたと言われている。当時アメリカの長期戦略立案に関する第一人者であったジョージ・ケナンは、イタリアの選挙結果が我々の思惑どおりにいかなければフォッジア油田をアメリカ軍が直接占領すると言い切っていた。(クリストファー・シンプソン著、松尾弌之訳『冷戦に憑かれた亡者たち』時事通信、1994
勿論、選挙への介入はこのほかにもあり、それが失敗して軍事クーデターで政権を倒すことも珍しくない。2014年2月にウクライナでアメリカが実施したクーデターではネオ・ナチが手駒として使われている。その前年の12月にアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補は米国ウクライナ基金の大会で演説、ソ連が消滅した1991年からウクライナへ50億ドルを投資したと発言している。ちなみに、ヌランドが結婚した相手はネオコン/シオニストの大物、ロバート・ケーガン。
アメリカはロシアの選挙にも介入しているが、そのために手先になるグループを作ってきた。ボリス・エリツィン時代からの流れで経済分野には親アメリカ派が多いが、それ以外にメディアやNGOにも資金を提供、手先として利用している。
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