http://www.asyura2.com/17/kokusai21/msg/662.html
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「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html
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東欧歴訪中の安倍首相は、明日17日帰国する予定である。
昨年春(4月30日)の「安倍電撃訪朝」を予測し見事に外した前科があるので、また戯れ言かと思われるのは承知のうえだが、今回の東欧歴訪も、政治スケジュールや朝鮮半島情勢を鑑みると、安倍首相が「電撃訪朝」に踏み切る可能性があると考えている。
(補正予算の2月中成立に向け19日の召集が望ましいはずの通常国会を22日の召集に先送りしたのも、訪朝の“余白”を確保しておきたかったからだろう)
訪朝を断念し結果的に危機的状況のなか英国で無為に一日を過ごすことになった昨年4月末の動きは、朝鮮半島の軍事的危機感が高まる中、危機を打開する役割として安倍訪朝のお膳立てがされたものだが、今回は状況が変わり、“対話ムード”という別の環境が用意された。
年明けとともに急展開したように見える南北対話は、異を唱える勢いが強い日本のメディアを別にすれば、中露のみならず米国トランプ政権も先行きに“一定の期待”を示していることから、安倍首相が訪朝しても、国際的非難を受けることはない。
というより、六者協議を含め、ここ15年ほどの制裁や軍事的行動そして対話や協議など北朝鮮をめぐる国際的動きは、ひとえに「日朝国交正常化」交渉を促すためのものである。
(元旦の金正恩委員長の演説をきっかけに実現した南北対話だが、そこに至るまで、遅くとも昨年初秋から水面下で様々な交渉が行われたはず)
核実験(北朝鮮は核兵器非保有と考えている)やミサイル発射(頻繁に発射している最近のロケットはロシア製の可能性が高い)は、日本人にはウケが悪いというか逆効果になっているが、「日朝国交正常化」交渉を促す“米国流の瀬戸際戦術”と見るべきである。
(62年のキューバ危機や94年の第一次北朝鮮危機も同じ性格の出来事と言える:政策の変更や援助を米国内的で認めてもらうための危機演出)
安倍訪朝で障害になるのはただ一つ国内の反応である。
ある割合が北朝鮮政権は軍事力を行使してでも潰したほうがいいと思っているほど、日本人の対北朝鮮意識は最悪レベルにある。
金正恩委員長と会談したとしても、拉致被害者問題もしくは核ミサイル問題で何らかの進展がなければ、訪朝が安倍首相退陣の序幕になりかねない。
安倍首相が17日に訪朝するとしたら、北朝鮮が、拉致問題はともかく、「核ミサイル計画の凍結」(放棄ではない)を約束したことを意味する。
「核・ミサイル計画の凍結」で合意できれば、とりあえず、訪朝を政局化しないで済むだろう。(拉致問題解決の声や安倍首相批判が再び高まるが)
安倍自民党は、昨年10月の総選挙公約で、「北朝鮮に対する国際社会による圧力強化を主導し、完全で検証可能かつ不可逆的な方法ですべての核・弾道ミサイル計画を放棄させることを目指す」としている。
(政治的にほとんど必要がない解散・総選挙をわざわざ行ったのも、日朝国交正常化を早期に成し遂げる時間的余裕がより欲しかったからである:自民党総裁3選可能化も同じ脈絡)
※参照投稿
「自民党が発表した衆院選公約の要旨:パッとせずそそられない低レベルの内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/364.html
自民党の総選挙公約で重要なのは、放棄させる対象が、「核・弾道ミサイル計画」であって、「核・弾道ミサイル」そのものではないことである。
北朝鮮も、昨年10月28日の「労働新聞」論評で、「我々の国家核戦力の建設は既に、最終完成のための目標が全て達成された段階にある」と主張しており、ミサイルの試射や核実験を凍結したとしても、米国や日本にあれこれ言われたからではないと説明できる。
そして、「核・弾道ミサイル計画の凍結(放棄)」なら、日本と北朝鮮がお互いに今なおその有効性を認めている日朝平壌宣言に即したものだから、日朝平壌宣言を再確認することで基本的には済む。
現在、日本のメディアは、従軍慰安婦に関する日韓合意に韓国文政権が“修正”を加えようとしている動きに対し、国際法や国際信義を持ち出しいつもゴールを動かす韓国と非難しているが、添付した「日朝平壌宣言」を読めばわかるがように、拉致問題を盾に日朝間の国交正常化交渉をサボタージュしている日本政府も同じ非難を浴びせられる立場にある。
厳しい言い方になるが、「拉致問題」は、「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとる」とことで合意しており、「拉致問題」を蒸し返して、「国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注する」という約束を反故にすることはできないはずである。
(日朝平壌宣言は、小泉首相と同行訪朝した安倍氏がケチを付けることはできない:拉致問題でその後の北朝鮮の対応に問題があるというのなら、日朝平壌宣言で北朝鮮の義務を明確にしなかった日本政府の責任が大きい)
日朝国交正常化交渉再開についてなかなか覚悟を決められずずるずる今日にまで至った安倍首相だが、米中露韓の様々なサポートを好機として、自ら日朝交渉の再開に踏み切ってもらいたい。
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※参考
日朝平壌宣言
平成14年9月17日
小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002年9月17日、平壌で出会い会談を行った。
両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。
1. 双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。
双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。
2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。
双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。
3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。
4.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。
双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。
双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。
朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。
双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。
日本国
総理大臣
小泉 純一郎
朝鮮民主主義人民共和国
国防委員会 委員長
金 正日
2002年9月17日
平壌
※関連参照投稿
「お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html
「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html
「国民の理解も得られず憲法違反の不必要な解散を行ってまで政権の4年間延命を図ろうとする安倍首相が隠したほんとうの目的」(14年年末総選挙)
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/835.html
「拉致再調査報告、年内は困難 官房長官が見通し:事実は12年前から既知、安倍首相が腹をくくることでのみ前進可能」
http://www.asyura2.com/14/senkyo176/msg/895.html
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