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米国がイスラエルやサウジアラビアとイランの体制転覆工作を始める中、朝鮮半島の緊張は一段落
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2018.01.07 櫻井ジャーナル
韓国の平昌で2月9日から25日にかけて開催される予定の冬期オリンピックに朝鮮が選手を派遣する意向だと伝えられている。朝鮮では政権内で意思が統一されていないことがあるので確定的なことは言えないが、韓国とアメリカの合同軍事演習をオリンピックの後まで延期、南北の対話も実現する可能性がある。
ドナルド・トランプ大統領は軍事的な圧力が朝鮮側を交渉の席へ引きずり出すことになったと主張しているが、実際にアメリカが行ってきたことは東アジアにおける軍事的な緊張をエスカレートさせ、中国の進める戦略を妨害すること。本ブログでは何度か指摘したことだが、朝鮮の核兵器開発(核兵器を保有していないとの説もある)やミサイル発射実験はアメリカや日本の好戦派にとって都合の良いタイミングで実施され、アメリカの戦争準備に貢献してきた。
ネオコンなどアメリカの好戦派は遅くとも1992年2月、国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成した。この段階で日本もアメリカの戦争マシーンに組み込む作業が始まり、1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補が「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を出してからはその動きは本格化した。安倍晋三政権はその総仕上げを目論んでいる。それ以降、アメリカは世界制覇を実現するために破壊と殺戮を本格化させた。
アメリカ支配層はヨーロッパで行ったように、東アジアにもミサイル網を築きつつある。例えば日本政府は地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」の配備を決定、韓国へは政府の反対を押し切ってTHAAD(終末高高度地域防衛)を持ち込んだ。いずれも「防衛」が目的だとしているが、使われている発射システムが巡航ミサイルのトマホークと同じで、ソフトウェアを変えるだけで攻撃用ミサイルを発射することができる。中国の沿岸やロシアのサハリンは射程圏内だ。
また、2015年に就航した「いずも」は艦首から艦尾まで平らな「全通甲板」を有し、垂直離着陸が可能なMV22オスプレイやステルス戦闘機のF35Bも離発着できると言われている。「護衛艦」という曖昧な呼び方をされているが、強襲揚陸艦と考えるべきだろう。
アメリカと同じアングロ・サクソン系の国でアルイギリスは19世紀に経済の破綻を略奪で埋め合わせようとして中国(清)へアヘンを密輸出、中国側が取り締まりを強化すると1840年に戦争を仕掛け、植民地化の第一歩を印した。その際、アメリカ人の中にも麻薬取引で大儲けした人たちがいる。アメリカは19世紀の終わりにフィリピンを植民地化して以来、中国での利権獲得を目指してきた。その長期戦略は今も生きているように見える。
アヘンの取り引きで大儲けした会社のひとつがジャーディン・マセソン商会。その会社は1859年にふたりの人物を日本へ派遣している。ひとりは長崎に来たトーマス・グラバーであり、もうひとりは横浜にオフィスを開いたウィリアム・ケズウィック。
日本ではグラバーが有名だが、どちらが大物かというと後者。1862年に香港へ戻り、86年にはロンドンで会社の幹部になっている。彼の父親もジャーディン・マセソン商会の人間で、母方の祖母は同商会の共同創立者であるウィリアム・ジャーディンの姉にあたり、ケズウィック家は香港上海銀行と深くつながる。この銀行は麻薬取引の資金を扱っていたが、そうしたことからウィリアム・ケズウィックは青幇の杜月笙と親しくしていた。その縁で蒋介石とも関係がある。
1863年6月に長州は5名の若者、つまり井上聞多(馨)、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤俊輔(博文)、野村弥吉(井上勝)を横浜からロンドンへ送り出すが、渡航の手配をしたのはグラバーで、その際にジャーディン・マセソン商会の船が利用されている。
一方、アメリカがアジア侵略を本格化させるのは1898年。キューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦メインが爆沈した責任をスペインに押しつけて戦争を始め、勝利する。アメリカは「独立」という名目でスペインからキューバを奪い、プエルトリコ、グアム、フィリピンを買収、ハワイも支配下においた。フィリピンは中国を侵略する橋頭堡として位置づけられる。
その当時からアメリカを支配していたのは巨大資本。1923年に日本で関東大震災が起こると、復興資金の調達を頼ったアメリカの巨大金融機関JPモルガンが日本の支配者になる。このJPモルガンの総帥だったジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの妻のいとこ、ジョセフ・グルーが駐日大使として1932年に来日した。戦後日本の進む方向を定めたジャパン・ロビーの中心人物もこのグルーだ。
この1932年に行われた大統領選挙でウォール街が担いでいた現職のハーバート・フーバーがニューディール派のフランクリン・ルーズベルトに敗北、ウォール街の大物たちは33年にクーデターを計画している。
しかし、この計画は海兵隊のスメドレー・バトラー少将が1934年にアメリカ下院の委員会で告発して発覚、少将の知り合いでクーデター派を取材したジャーナリストのポール・フレンチによると、クーデター派は「コミュニズムから国家を守るため、ファシスト政府が必要だ」と主張していたという。(Public Hearings before the Special Committee on Un-American Activities, House of Representatives, 73rd Congress, 2nd Session)
現在、東アジアでの軍事的な緊張が緩和される兆候が見られるが、その一方でアメリカはイスラエルやサウジアラビアとイランへの侵略を目論んでいる。シリアへ送り込んだサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする武装勢力が敗北、追い詰められたイスラエルとサウジアラビアはアメリカ引きずり込むことに成功したようだが、中東にしろ東アジアにしろ、ロシアや中国が黙っているとは思えない。この両国はすでに腹をくくっている。
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