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米の元国家情報長官はCIAの協力でテロを防げたと感謝する露大統領が米大統領を操っていると主張
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712200000/
2017.12.20 櫻井ジャーナル
アメリカのジェームズ・クラッパー元国家情報長官はCNNの番組で、ドナルド・トランプ米大統領はウラジミル・プーチン露大統領の協力者であるように見えると発言した。サンクト・ペテルブルグで計画されたテロを防ぐためにCIAが情報を提供したことに対して感謝の意をプーチンがトランプに伝え、トランプがロシアをパートナーと表現したことに反発したようだ。
サンクト・ペテルブルグで攻撃を計画していたのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)のスリーパーだったとされているが、このグループはアル・カイダ系武装集団と同じようにアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心に編成された武装集団。2011年春にシリアやリビアへの侵略が始まった段階では、イギリス、フランス、トルコ、カタールなども参加していた。
この中からすでにトルコとカタールは離脱してロシアへ接近、その配下の武装集団も離脱しているだろう。残っているのはサウジアラビアが雇い、CIAの破壊工作部門や特殊部隊が訓練した傭兵のはずだが、サウジアラビアでそうした武装勢力を指揮してきたバンダル・ビン・スルタンは11月4日から始まった粛清で拘束されたと言われている。
ビン・スルタンはブッシュ家と緊密な関係にあり、必然的にCIAとも深く結びついているが、粛清を実行したモハメド・ビン・サルマン皇太子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフやトランプ大統領の義理の息子にあたるジャレッド・クシュナーと緊密な関係にある。このクシュナーは粛清が始まる直前、10月25日から28日にかけてサウジアラビアを極秘訪問していた。
トランプ大統領の資金源やジャレッドの父親が親しいネタニヤフはイスラエルの情報機関モサドとつながりが深く、モサドはCIAの内部に協力者のネットワークを築いている。バンダル・ビン・スルタン人脈の計画をトランプに近い人脈が潰した可能性もある。
ところで、アメリカは侵略を繰り返してきた国であり、1991年12月にソ連が消滅した段階でその支配層は世界制覇が最終局面に入ったと考えたのだろう。そこでウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成された。
その後、21世紀にロシアが再独立したことで計画に狂いが生じ、それを1992年の段階に戻そうともがいている。そのためにロシアや中国を制圧しようとしているのだが、アメリカの支配層は遅くとも20世紀の初頭から中国やロシアへの侵略を考えていた。
先住民の殲滅が一段落、1898年2月のメーン爆沈を利用してアメリカがスペインと戦争を始め、南アメリカだけなくフィリピンの植民地化にも成功、このフィリピンを利用して中国を侵略を目論んでいる。当時、すでにイギリスはアヘン戦争で中国に対する侵略を本格化、イギリスの支援を受けた日本も日清戦争で東アジアにおける利権を獲得していた。その中へ割って入るため、アメリカは門戸開放政策を打ち出している。
こうしたアメリカについて、「真にキュバ叛徒の自由のために戦えるか、何ぞ比律賓(フィリピン)人民の自由を束縛するの甚しきや。真にキュバの自主独立のために戦えるのか、何ぞ比律賓の自主独立を侵害するの甚しきや。それ他の人民の意思に反して、武力暴力をもって弾圧し、その地を奪い富を掠めんとす。」と1901年の時点で批判したのは幸徳秋水だった。(『廿世紀之怪物 帝国主義』警醒社、1901年)
それ以降、アメリカの支配層、つまり巨大資本は中国やロシアを制圧を目指してきた。同じアングロサクソン系のイギリスではそうした戦略をハルフォード・マッキンダーという学者がまとめ、1904年に公表している。
彼は世界を3つに分けた。ひとつはヨーロッパ、アジア、アフリカの「世界島」、ふたつめはイギリスや日本のような「沖合諸島」、そして最後に南北アメリカやオーストラリアのような「遠方諸島」だ。世界島の中心が「ハートランド」。具体的にはロシアを指している。
その上でインド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ「内部三日月帯」を、またその外側に「外部三日月地帯」を想定し、そのふたつの三日月地帯でハートランド、つまりロシアを締め上げようとしたのだ。内部三日月帯の上にはイギリスの植民地になっていたインドがあり、東の端には手先としての日本が存在する。そうした戦略のため、イギリスは日本の軍事力増強を行ったと考えるべきだろう。1932年に出現したサウジアラビア、1948年に建国が宣言されたイスラエル、いずれも内部三日月地帯の上にイギリスが作り上げた国だ。現在、イスラエルとサウジアラビアが同盟関係にあることを公然と示しているが、歴史を振り返ると、それは必然だ。
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