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トランプの移転表明よりも深刻な米国議会の移転決議
http://kenpo9.com/archives/2966
2017-12-11 天木直人のブログ
トランプ大統領による米国大使館のエルサレム移転表明が世界中で反発を受け、中東問題を知らない者でも、このトランプ大統領の決断がとんでもない決断だと気づいた者は多いだろう。
しかし、今度のトランプ大統領の決断をめぐる記事が教えてくれたもうひとつの重要な事は、米国議会はすでに1995年に米国大使館のエルサレム移転法案を圧倒的多数で成立させているという事実である。
それだけではない。今年(2017年)の6月には、イスラエルがパレスチナを軍事占領した第三次中東戦争開戦50周年記念日(1967年6月5日)に合わせて、米上院は90対ゼロで大使館移転促進決議を採択しているのだ。
クリントン、ブッシュ、オバマがためらって来た事に対し、早く移転をしろというわけだ。
これを要するに米国議会こそがエルサレム移転を強く求めて来たのである。
なぜか。
それは米国の議員はすべからくユダヤ系米国人に迎合しない限り政治家になれないからだ。
米国大統領ですら、ユダヤ系米国人を本気で怒らせたら大統領になれないと言われているほどだ。
これまで米国系ユダヤ人の声に反する中東政策を取って大統領になれたのは、圧倒的人気のあった軍人大統領であるアイゼンハワーだけだったと言われているほどである。
今度のトランプ大統領の移転表明を批判するだけでは、問題の本質を見逃してしまう。
大使館移転よりももっと深刻な入植という名のパレスチナへの公然たる軍事占領は毎日のように拡大している。
そこ事を誰も止められない。
この事こそ、国際社会が批判すべき事である(了)
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