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スウェーデンが逮捕令状を取り消してもアッサンジの軟禁を続ける英国当局は重要電子メールを消去
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711140000/
2017.11.14 櫻井ジャーナル
そのWikiLeaksを2006年に創設したジュリアン・アッサンジは2010年からイギリスのロンドンにあるエクアドル大使館から外へ出られない状態が続いている。2012年にはエクアドル政府がアッサンジの亡命を認めたが、スウェーデンの要請に基づき、アメリカやイギリスが逮捕する構えだからだったからだ。そのスウェーデンは今年(2017年)5月に捜査を終了させ、逮捕令状も取り消したが、今でも軟禁状態は継続している。アメリカやイギリスの姿勢が理由だ。
この件でイギリスとスウェーデンの当局は当然、連絡を取り合ってきた。2010年と11年にイギリス側はスウェーデンがロンドンでアッサンジから事情聴取することを断念させたことがここにきて判明、しかも重要な電子メールは消去されていた。イギリスの検察は何も悪いことをしていないと開き直っているようだ。
ブラドリー・マニング(現在の名前はチェルシー・マニング)特技兵の持ち出したアフガニスタンやイラクおける戦争に関する資料をWikiLeaksが公開したのは2010年7月。その中には米軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターが上空から非武装の十数名を射殺する様子を撮影した映像が含まれ、(日本ではどうだか知らないが)世界に衝撃を与えた。殺された人の中にはロイターの取材チームに参加していた2名も含まれている。映像を見る限り、間違いで攻撃したのではない。
内部告発者だということが突き止められたマニングは軍事法廷は2013年に懲役35年を言い渡したが、今年1月にバラク・オバマ大統領が刑期を軽減、5月に釈放された。
アメリカ政府はマニングの告発資料が公表された直後からアッサンジを刑事事件の容疑者として扱いはじめ、公表の翌月にはスウェーデンでレイプ事件の容疑者として取り調べを受けている。ふたりの女性がスウェーデンの警察に出向き、アッサンジにHIVの検査を受けさせられるかと相談したのだという。この訴えを受けて逮捕令状が出され、スウェーデンのタブロイド紙が警察のリーク情報に基づいて「事件」を報道して騒動が始まる。
ところが、翌日には主任検事のエバ・フィンが令状を取り消した。レイプした疑いがあるとは認めなかったのだが、9月1日にこの決定を検事局長のマリアンヌ・ニイが翻して捜査を再開を決め、9月27日にアッサンジはスウェーデンを離れた。ニイが逮捕令状を請求したのは11月のことだ。
メディアは容疑をレイプというショッキングな表現を使っていたのだが、実際は合意の上で始めた●行為におけるコンドームをめぐるトラブルのようで、しかもアッサンジ側は女性の訴えを事実無根だとしている。
被害者とされる女性はアンナ・アーディンとソフィア・ウィレンのふたりなのだが、アーディンは「不実な男」に対する「法的な復讐」を主張するフェミニストで、ふたりの女性と同時につきあう男を許さないという立場。しかも彼女のいとこにあたるマチアス・アーディンはスウェーデン軍の中佐で、アフガニスタン駐留軍の副官を務めた人物だという話が出てきた。
しかし、最も驚かせた事実は、彼女が反カストロ/反コミュニストの団体と結びついているということ。この団体はアメリカ政府から資金援助を受けていて、CIA系の「自由キューバ同盟」と関係がある。彼女自身も国家転覆活動を理由にしてキューバを追放された過去があるようだ。彼女がキューバで接触していた「フェミニスト団体」は、CIA系のテロリスト、ルイス・ポサダと友好的な関係にあるとも言われている。
2010年9月19日にスウェーデンでは総選挙が予定されて、フレデリック・レインフェルト首相が率いる与党は苦戦が予想されていた。このレインフェルトがコンサルタントとして雇っていた人物はジョージ・W・ブッシュ米大統領の次席補佐官を務めたカール・ローブだ。その選挙の結果、レインフェルトは2014年まで首相を務めることができた。
本ブログでは何度も指摘してきたが、アメリカは侵略戦争を始めるために偽旗作戦を仕組むことが少なくない。例えば、2003年のイラクに対する先制攻撃もそうだった。ジョージ・W・ブッシュ政権は大量破壊兵器を口実にしていたが、これは嘘。この主張を裏付ける証拠は存在せず、その主張を否定する証言、分析は存在していた。
イラク戦争の際、アメリカの情報機関や軍は収容所を設置、そこでは拷問が行われて死者も出ていた。イラクにあったアブ・グレイブ刑務所の実態も写真付きで明らかにされ、刑務所の管理責任者だったジャニス・カルピンスキー准将はイスラエルから来たという尋問官に会ったとも話していた。アブ・グレイブでの拷問を明るみに出したジャーナリストの情報源も、イラクにイスラエルの情報機関員がいることを確認したという。
歴史を振り返ると、情報と資金が流れて行く先に権力が生まれ、存在することがわかる。情報と資金を握った人間、あるいは勢力が支配者になるとも言えるだろう。支配者が「秘密保護」を主張、タックスヘイブン/オフショア市場を整備する理由もそこにある。逆に、民主主義を実現したいなら、公的な情報の全面公開とタックスヘイブン/オフショア市場の禁止は不可欠だ。
そうした意味で、支配者たちが隠す情報を明らかにする内部告発者の存在は重要であり、その内部告発を支援するWikiLeaksのような活動も必要だが、日頃、支配者たちが作った枠の中で「右」だ「左」だと言い合っている人々にとって、枠からはみ出た事実ほど目障りなものはないだろう。
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