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史上最悪の乱射事件でラスベガスが受けた本当のダメージ
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10877
2017年10月29日 土方細秩子 (ジャーナリスト) WEDGE Infinity
10月1日にラスベガスで起きた米史上最悪の銃乱射事件は、ラスベガスにとってイメージダウンという大きな打撃を与えるものとなった。ラスベガスはカジノ、エンターテイメントの街という側面の他、世界最大級のコンベンションの街でもあるためだ。
例えば1月の第1週には世界最大の家電ショーであるCESが毎年ラスベガスで開催される。CESはラスベガスで行われる数々のコンベンションの中でも最大級のもので、今年1月の参加人数は18万5000人だった。しかも通常会期の前に開かれるメディアデーでの各社の記者会見などは事件を起こした犯人が滞在していたマンダレー・ベイホテルが中心となる。世界各国から集まるメディアのためのメディアセンターもマンダレー・ベイに設置される。
CESの母体であるコンスーマー・テクノロジー・アソシエーションのCEO、ギャリー・シャピロ氏は今回の事件を受け「今回の突然の悲劇について大きなショックを受けている。ラスベガスはCESにとって第二の故郷のようなもの。人々の無事を心から願っている」とのコメントを出した。
元々CESのショー自体が350人以上の警備員を独自に雇っている。今回のような事件までは想定しないものの、多くの家電製品が運び込まれるコンベンションセンターでは毎年のように窃盗事件が起きる、という。窃盗だけならまだしも、組織ぐるみの情報漏洩にも最近では非常に神経を張り巡らせている。
CESの場合、記者会見には巨大企業のCEOなども訪れるため、メディアセンターの入り口には警備員が立ち並び、メディアパスの確認とともに持ち込むカバンの中身もチェックされる。テレビなど、機材を運び込む必要がない限りメディアセンターに持ち込めるのは小さなカバン一つ、と定められている。
しかしチェックとはいえ係員がカバンの中身を覗き込むだけで、X線検査までは行われていない。カバンの奥に小さなハンドガンがあったとしても見落とされる可能性は否めない。また基調演説になるとメディアだけではなく一般参加者も視聴できるため、セキュリティ・チェックが間に合わないのが現状だ。来年のCESではもちろんこうしたセキュリティの強化が行われることは間違いないが、事件を受けてこれまで毎年のように増加してきた参加者が減少するのでは、という懸念も生まれている。
■なぜホテルに19丁もの銃が持ち込めたのか
3月にラスベガスでの開催が予定されているのは、全米自動車ディーラー協会(NADA)の年次総会だ。NADA会長、ピーター・ウェルシュ氏は「セキュリティに対する予算を見直し、あらゆるオプションを想定する」と語る。
問題なのは今回の事件で露呈した「ネバダ州(ラスベガスを擁する)にはセミオートマチック武器についての規制が存在しない」という点だ。AK47のようなライフル銃も普通に購入できるし、一度に数丁以上の銃を購入しない限り銃砲店に政府への報告義務はない。今回の犯人もラスベガス周辺の複数の銃器店で数度にわたって銃を購入していたことが明らかになっている。
また、「なぜホテルに19丁もの銃が持ち込めたのか」という疑問についても、犯人は複数回に分けてスーツケースとして搬入していたが、ホテルではチェックイン客の荷物検査は行なっていない。
しかしCESやNADAのような大規模のコンベンションを開ける場所は限られている。NADAはサンフランシスコ、ニューオリンズとラスベガスで交互に年次大会を開催しているが、ラスベガスが一番人気が高い、という。すでにブースは予約が売り切れ状態であり、今更場所を移動することも難しい。
NADAでは「元々9・11のテロ事件の後、セキュリティは非常に強化された。今回の事件はテロというよりは単独犯であり、例外的なものと見なしている」と語るが、「もし模倣犯が現れ似たような事件が再びラスベガスで起きた場合、参加者数は減少するかもしれない」との危惧ものぞかせた。
とりあえず最も期日が迫っているのは来年1月のCESだ。屋内の展示や記者会見はある程度セキュリティを強化できても、屋外ブースやイベントなどを完全に管理するのは不可能だ。今回のような突発的な事件が発生しないことを、コンベンションの開催者、そして参加予定者は心から願っている。
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