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国連の委員会が別の国連機関による報告を無視してアル・カイダ系武装集団の主張に基づく主張
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709080000/
2017.09.08 櫻井ジャーナル
国連のシリア・アラブ共和国に関する独立国際調査委員会が9月6日に報告書を公表、その中で、今年4月4日の明け方にイドリブのカーン・シェイクンでシリア政府軍がサリンを搭載した爆弾を投下したとその中で主張している。この委員会は2011年8月、国連人権委員会の下に設置された。
すでに国連のOPCW(化学兵器禁止機関)は午前11時〜11時半まで現地へ航空機は飛来していないと発表しているが、それを無視、アル・カイダ系武装集団の「証言」を全面的に採用した形だ。4月29日から30日かけてアル・タマナでシリア政府軍が塩素ガスを攻撃に使ったとする主張はアル・カイダ系工作員らが計画したものだとOPCWは報告している。
すでにアメリカ政府は証拠を示すことなく、調査もせず、シリア政府軍がカーン・シェイクンで化学兵器を使ったと断定、ドナルド・トランプ大統領は4月5日に首席戦略官のステファン・バノンをNSC(国家安全保障会議)から追い出し、4月7日にはホムスにあるアシュ・シャイラト空軍基地をトマホーク巡航ミサイル59発で攻撃している。ミサイルは2隻の駆逐艦、ポーターとロスから発射されたが、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達しただけだ。
この攻撃の8日前、ドナルド・トランプ政権の国連大使はバシャール・アル・アサドの排除に執着しないと語っていた。4日の出来事はアメリカ政府の政策をバラク・オバマ政権のそれへ引き戻したと言えるだろうが、カーン・シェイクンでシリア政府軍がサリンを使ったという主張が疑わしいということになると、アメリカと国連幹部との関係は難しいことになっただろう。
アメリカをはじめとする西側の有力メディアはアサド政権に責任をなすりつける宣伝を繰り広げてきた。その宣伝に根拠がないことは少なからぬ人が指摘している。アメリカ、サウジアラビア、イスラエルを中心とする国々がアサド体制を転覆させるために送り込んだアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の敗北は決定的。現在、クルドを使ってシリア占領、分割を狙っているが、クルドと敵対関係にあるトルコが北から攻撃する姿勢を見せている。今後、アメリカによるシリア侵略の責任が問われる可能性もあるが、今回の報告書はその際にアメリカが防衛のために使うこともできそうだ。
カーン・シェイクンは現在でもアル・カイダ系武装集団が支配しているが、他の地域で政府軍が優勢になっていることもあり、住民の一部がアル・カイダに反対する意思表示をするようになっているようだ。先日、シリアの国旗を掲げた教師とその兄弟が首を切り落とされ、それに反発した人々が立ち上がったという話も流れている。この地域からアル・カイダ系武装集団が一掃される前に独立調査委員会は報告書を出したかったのかもしれない。
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