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米債券市場の不正操作で数兆ドル規模の訴訟 trendswatcher
Photo: wearechange
米司法省は2015年6月から、米債券市場を不正操作しているとして、23の金融機関を対象に犯罪捜査を行っている。捜査の対象は米国債入札を巡り、入札を不正操作したゴールドマンサックスである。ゴールドマンサックスに続いて複数の投資家による金融機関に対する数兆ドル規模の訴訟も起こされた。今後金融機関や米債券市場への不信感が高まっていくことは必至である。
債券価格の不正操作
米国債の入札は年に300回開催されている。ゴールドマンサックスは政府との間で国債を直接売買することが認められた23のプライマリーディーラー(政府公認ディーラー)のうちの1社である。司法省がゴールドマンサックスに注目し始めたのは、2010年頃からの機関投資家による国債入札の直接参加が増え始めた時期である。このころすでに、機関投資家は金融機関による国債価格の不正操作が行われていることを疑いだしていた。
2007〜2011年の間、国債入札をほとんど勝ち取っているゴールドマンサックスが優遇されていたことが疑われている。司法省が押収したトレーダーたちの電子メール、書類、電話会話の録音によると、ゴールドマンサックスが入札できるように、事前に他の金融機関と入札価格の調整を行っていた。また、その価格は政府とFRBの意向に従ったものであった。
債券価格は金利の動向を左右するため、金融緩和期間中に政府とFRBはゴールドマンサックスと結託して、債券価格を高く、金利を低く維持するために不正操作を行ったとされる。
数兆ドルの訴訟に発展
司法省の犯罪捜査に対応して、ニューヨーク連邦裁判所でクリーブランド年金ファンドが債券操作に関わった23の金融機関への訴訟を起こした。それに続いて多数の訴訟が起き8月中旬には、ニューヨーク連邦判事は集団民事訴訟として、Quinn Emanuel Urquhart & Sullivan、Cohen Milstein Sellers & Toll、Labaton Sucharowの3社の法律事務所を指名した。ゴールドマンサックスを含む他の19の金融機関に対して、数兆ドル規模の訴訟となった。
不正操作を行っていたとされる期間、現在トランプ政権の国家経済会議委員長で経済担当大統領補佐官のゲイリー・コーン氏は当時ゴールドマンサックス社長であった。トランプ政権内には、コーン氏以外にゴールドマンサックスの共同経営者を務めたスティーヴン・マヌーチン財務長官の他、10名の元ゴールドマンサックス幹部が含まれている。そのため、犯罪捜査で幹部が起訴される刑事事件に発展していく可能性は低い。しかし民事訴訟の進展次第では、今後金融市場、金融機関への信頼性の失墜に発展する可能性は大きい。
訴訟対象の金融機関
Goldman Sachs, JP Morgan, Deutche Bank, HSBC, BNP Paribas, Scotia Bank, Barclays PLC, UBS, Royal Bank of Scotland、Citigroup Global Markets, Commerz Markets, Bank of America, Merrill Lynch, Morgan Stanley, Nomura Securities, Mizuho Securities USA,その他
ゴールドマン・サックス、JPモルガン、ドイツ銀行、HSBC香港上海銀行、スイスユニオン銀行、シティー・グループ、アメリカ銀行、メリルリンチ、モルガンスタンレー、みずほ米国等、国際金融群の多くが今回債権不正操作の訴追を受けている。 これは、銀行そのものが犯罪組織まがいの行為を行っているという烙印を押されたに等しいのではないのか? 元々私的金融機関は信用創造による詐欺的行為で成り立っているからしゃーねーわな。
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