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トランプ大統領の命取りになるアフガン増兵
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2017-08-23 天木直人のブログ
反戦を主張していたバノンの更迭が決まった途端、トランプ大統領はアフガン増兵を発表した。
画にかいたような、ケリーら軍側近主導によるトランプ政権の戦略転換だ。
トランプの米国第一主義にメリットがあったとすればブッシュの戦争から決別することだった。
しかし、シリアを攻撃し、ISと戦い、今度はタリバンとの戦いだ。
問題は、トランプとその側近軍人らに戦略がまるでないことだ。
トランプはアフガン建国には関与しない。テロを殺すだけだと言った。
これほど愚かな演説はない。
関与しないのではない、関与してアフガンの国づくりなど米国にはしせん出来ないのだ。
そのことはイラクで実証済みである。
そしてテロを殺すだけなら、テロとの戦い永遠に勝てない。
タリバンは早速声明を出した。
「アフガンは米国の墓場になる。米兵が一人でもいる限り、我々の聖戦は続く」と。
もちろんISはタリバンと米国の戦いに刺激され、息を吹き返す。
一方のイラクでは、「独立」に勢いづくクルドが周辺国を不安定化させつつある。
さらに驚くべきはテロとの戦いにインドとパキスタンに協力を求めた事だ。
戦場は南西アジアに及び、印・パ対立の新たな火種となる。
どちらも核兵器保有国だ。
北朝鮮の危機は中国・ロシアという歯止め役がいる。
しかしテロとの戦いに歯止め役はいない。
トランプ大統領のアフガン増兵という迷走は、トランプ大統領の命取りになるだろう。
それだけではない。
トランプは辞めればそれで済むかもしれないが、トランプが起こした戦争は米国の命取りになるだろう。
そしてその影響は世界に及ぶ。
それにしても情けないのは日本だ。
アフガン復興に巨額を投じて協力させられてきたのが日本だ。
その血税がすべて水泡に帰す事になる。
そして今度こそ、テロとの戦いに自衛隊の協力を要請される。
日本がテロの標的になる。
起こりもしない北朝鮮有事に大騒ぎをする前に、アフガン増兵に踏み切ったトランプの米国との軍事同盟関係を真剣に見直す時が来たと言う事であるである(了)
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