http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/391.html
Tweet |
【ワシントン会川晴之】トランプ米大統領は21日、バージニア州フォートマイヤーで演説し、治安悪化が続くアフガニスタンでの対テロ戦を強化する新たな南アジア戦略を発表した。トランプ氏は「米国は、イラクでの失敗を繰り返すわけにはいかない」と述べ、イラクと違ってアフガンでは状況が改善するまで関与を継続する方針を示した。駐留米軍の規模について「明示しない」と述べたものの、ロイター通信などは4000人を増派すると報じている。
トランプ氏は撤退すればテロがはびこる「真空地帯」が生まれ、2001年9月の米同時多発テロの直前と同じ状況になると指摘した。オバマ前政権はアフガンからの撤退を見据えた取り組みを続けてきたが、トランプ氏はこの方針を転換した。今年10月には開戦から17年目に入る米史上最長の戦争は、今後も続くことになる。
また、アフガンに隣接するパキスタンについて、アフガン国内で展開するテロリストをかくまう「安全地帯」を提供していると厳しく批判。「パキスタンは変わらなければならない」と訴えるとともに、パキスタンが敵視するインドとの協力関係を米国は強化するとけん制した。
大統領演説を受け、マティス国防長官は「ダンフォード統合参謀本部議長に大統領の戦略を実行する準備をするよう指示した」との声明を発表、増派時期や人員を詰める方針を示した。また長官は、複数の北大西洋条約機構(NATO)諸国が「増派を約束している」と紹介した。
アフガンでは、旧支配勢力のタリバンが攻勢を強め、民間人の死者数が急増するなど治安悪化が続く。今年に入り米兵も11人が死亡している。さらに「イスラム国」(IS)など20を超す過激派組織が首都カブールなどでテロ活動を続ける。マティス氏は6月、「アフガンで勝てていない」と議会証言したほか、米軍のニコルソン現地司令官は2月の米議会公聴会で「数千人規模の増派」を訴えていた。
ティラーソン米国務長官は21日夜、声明を発表し、アフガン政府とタリバン双方に和平協議を呼び掛けた。米国は和平協議を「支持する準備ができている」と述べるとともに、アフガン周辺諸国にも和平実現への協力を呼び掛けた。
アフガン戦略をめぐってはマティス氏や、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が増派を主張。議会でも共和党重鎮のマケイン上院議員らが支持していた。
一方、18日に退任したバノン首席戦略官やトランプ氏の女婿であるクシュナー上級顧問らが米軍を削減して民間軍事会社に業務を委託する案を主張、対立が続いていた。
またNATOも6月末に増派を決めており、米軍とNATO軍部隊はともに、引き続きアフガン治安維持部隊の訓練などを担当する。米軍はISなどテロ組織の掃討作戦も実施する。
米国は同時多発テロを受け、国際テロ組織「アルカイダ」が本拠を置くアフガンへの派兵を決定。オバマ前政権時代の10年にはNATO軍を合わせて14万人を派遣していた。14年末に治安権限をアフガン軍に移譲し撤退を開始、現在はNATO軍と米軍をあわせて約1万5000人が駐留している。
https://mainichi.jp/articles/20170822/k00/00e/030/201000c
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。