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この勝負、まずは金正恩が一本をとった
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2017-08-16 天木直人のブログ
金正恩が「おろかな米国の出方を待つ」と言ってグアム攻撃停止を宣言したことだ。
危機を煽っておいて、恩着せがましく、止めるという。
止めて当然なのに、止めてくれてありがとう、という気分にさせられる。
まさしく瀬戸際外交だ。
きょう8月16日の産経新聞はこれ見て、金正恩がトランプの脅しに負けたと言わんばかりに書いている。
安倍首相の気持ちを代弁すればそうだろう。
しかし、実際はその逆だ。
きょうの読売新聞で伊豆見元・東京国際大学教授が言っている。
そもそも、北朝鮮にグアムを包囲射撃するつもりなどなかったと。
米国が8月10日にICBM(ミニットマン3)を発射し、その後も戦略爆撃機(B1)を朝鮮半島に飛来させたため、これ以上軍事圧力を高めるなという警告だったと。
それを証拠に、朝鮮中央通信はわざわざミサイルの詳細な飛行ルートまで発表した。これでは米国に迎撃してくれと言っているようなものだ。
つまり「グアム包囲攻撃はやりません」と言っているのだと。
その通りだろう。
そして伊豆見教授はこう続けている。
今回の金正恩の発言を受けて米国は21日からの米韓合同軍事演習にあわせて再び戦略爆撃機(B1)を朝鮮半島に派遣するのかと。
金正恩の瀬戸際外交の投げたボールに今度は米国が追い込まれる番だ。
米国は、そしてとくにトランプは、外交と呼べるものはない。
あるのは軍事力に任せた恫喝外交だけだ。
金正恩に米国の出方を待つと先に言われてしまった以上、これまで通りの軍事的圧力を続けるなら、国際批判は、今度は米国に向かうだろう。
金正恩の瀬戸際外交とトランプの恫喝外交は、とりあえずは、金正恩が一本取った形だ。
それにしても、トランプとの首脳電話会談で、米軍と自衛隊の協力体制強化しか語らず、それを国民の前で当然のごとく語る安倍首相には、外交と呼べるものは何もない。
あるのは対米従属だけである(了)
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