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「トランプ外し」広がる州外交 米ユーラシア・グループ社長 イアン・ブレマー氏
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投稿者 あっしら 日時 2017 年 7 月 29 日 04:31:53: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


[グローバルオピニオン]「トランプ外し」広がる州外交 米ユーラシア・グループ社長 イアン・ブレマー氏

 意外ではないが、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが実施した最近の調査で、多くの国でトランプ米大統領への評価が低いことがわかった。世界37カ国を対象とした調査で、米大統領を信頼すると回答した人の比率は、オバマ前政権末期の64%からわずか22%に低下した。また約62%がトランプ氏は「危険」、74%が同氏を「信頼していない」と回答した。

 イスラム圏の一部の国からの入国を制限するというトランプ氏の方針を支持したのは、3人に1人に満たなかった。同氏の貿易や気候変動に関する政策を支持するのは5人に1人足らずだ。国別にみると、信頼感が最も急低下したのは米国の緊密な同盟国だった。「世界情勢について米大統領が正しいことをすると信頼している」人は2015年から17年の間に、日本で66%から24%に低下した。フランスでは83%から14%、ドイツでは73%から11%に下がった。

 しかし米国以外の国の政府は、米国を無視したり孤立させたりできないことを理解している。米国は依然として政治や経済、軍事的影響力を世界中に行使できる唯一の国だ。米国の協力を必要とする国際問題がまだある。

 米国にもっと指導力を発揮してほしいと考える人にとって朗報は、連邦制をとる米国では分権化が進んでいることだ。州知事と大都市の市長は、国のレベルで存在しない法律を施行する大きな権限を持つ。その法律が大統領の優先事項と矛盾するとしてもだ。

 ホワイトハウスと上下両院を制する国レベルの共和党と、地方レベルの政治家の間の最も劇的な対立は、移民政策を巡るものだ。多くの地方政府は何年も前に不法移民の「聖域」を設け、今も続ける。「サンクチュアリシティー(聖域都市)」は移民法に非協力的で、地元の警察が個人の在留資格について質問することを禁じることがある。米保守系シンクタンクの移民研究センター(CIS)によると、約300の州や郡、都市が何らかの聖域政策をとる。

 米国の州や大都市は本格的な経済力を誇る。カリフォルニア州の経済規模はフランスやインド、テキサス州はカナダや韓国に匹敵するとみられる。ロサンゼルスはトルコに相当するだろう。米国の州のトランプ氏に対する姿勢はさまざまで、独立した外交政策を求めるところもある。トランプ氏の人気が著しく低い州の知事や市長は、独自の政策を推進して政治的な得点を稼げる。海外からの投資や留学生、観光客を誘致し、自らの州や都市に利益をもたらせる。

 米国の州政府が独自の政策をとる能力を持つことを示すのに、気候変動以上の好例はない。地球温暖化に国境はない。中国に次いで世界2位の温暖化ガスの排出国である米国の協力がなければ、世界は対応できない。

 トランプ氏は6月に入り、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」離脱を表明した。中国の習近平国家主席は数日後、カリフォルニア州のブラウン知事をまるで国家元首のように北京の人民大会堂に迎えた。両者は温暖化対策について話し合った。ブラウン知事は「カリフォルニア州も中国も(温暖化対策を)主導している」と語った。

 カリフォルニア州は排出量取引制度として「キャップ・アンド・トレード方式」を導入している。企業に温暖化ガスの排出枠を設定し、過不足分を取引する仕組みだ。国のレベルではこの政策にはほとんど支持がない。ブラウン知事は、トランプ氏の意向にかかわらず野心的な排出削減目標を設定すると約束している。

 米経済への依存度が高いカナダも、米地方政府に対して中国政府と同様の姿勢をとる。カナダは当初、トランプ氏の歓心を買うように努めた。しかし同氏がカナダの貿易慣行が不公正だと批判を始め、成果は上がらなかった。カナダのトルドー政権は以降、不必要にトランプ氏を挑発しないよう、両国の州政府同士の緊密な関係を利用する姿勢に転じたようだ。

 トランプ氏が「私はパリではなく(炭鉱業で栄えた)米ピッツバーグの市民に選ばれた」としてパリ協定離脱を表明した翌日、カナダのガルノー運輸相はピッツバーグのペドゥート市長と温暖化対策に関する会合を開いた。カナダのケベック州やオンタリオ州はカリフォルニア州と排出量取引で連携を進める。カナダのマッケナ環境・気候変動相は最近、「米国はトランプ政権よりも大きい」と述べた。

 米国以外の国、特に米国の同盟国が米国内の州や都市と関係を築くのはいまや珍しくない。一方、トランプ政権は「米国第一主義」を掲げ、しばしば他国を拒絶しようとする。このため、関係の構築に新たな切迫感が生まれている。米大統領は外交においてかなりの権限を持つが、米国の地方分権制度を利用し、目標を達成できる可能性があると気づく米国以外の政府が増えている。米国以外の政府は、関係構築の動きを歓迎する米国の知事や市長が増えていることも認識するだろう。

 Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。著書に「スーパーパワー――Gゼロ時代のアメリカの選択」など。47歳。ツイッター@ianbremmer

[日経新聞7月14日朝刊P.6]


 

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コメント
 
1. 2017年7月29日 13:48:38 : GzbrpR0STg : L4WMRg2Y3Iw[21]

この種の記事はほとんど偏向している。下流メディアはフェイクの寄せ書き

と言ってよい。マスコミ、ジャーナリズムは崩壊している。


2. 2017年7月29日 16:18:50 : quMKleKEOA : apQvoj4eROs[337]
以前のアメリカはワシントン・ニューヨークとかカリフォーニアの連中が支配し
ケンタッキーとか南部西部その他多くの州はそれに反発し州の連邦政府に対する独立とか唱えていたのが、

現在は大多数派の大統領が誕生したので
ワシントン・ニューヨークとかカリフォーニアの連中が反発して外国に通じている、
と裏返しになっただけのことでは?

後者のほうは売国行為として連邦の法違反になる可能性はあるような気もするが


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