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テロはサウジアラビア人の仕業だと発表したイランの衝撃
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2017-06-09 天木直人のブログ
サウジアラビアとカタールの国交断交のニュースに次いで、イランでテロが起きたというニュースが飛び込んできた。
そしてはやばやとISが犯行声明を出した。
イラン国内でISが公然とテロを起こした。
その衝撃は大きい。
しかし、私がもっと驚いたのは、犯行にはサウジアラビアが関与したとイランが発表したことだ。
これではサウジアラビアとイランの関係は、改善どころか、決定的に悪くなる。
私が駐レバノン大使であった時、レバノンの武装抵抗組織ヒズボラは、イランの支援を受けたシーア派テロ組織として米国の最大の脅威だった。
しかし、米国が最も恐れるテロは、スンニ派のテロであり、その源流はサウジアラビアの元も厳格なワッハーブ宗派から由来するテロだった。
あの9・11を起こしたビン・ラデンもサウジアラビア出身だ。
そして、サウジアラビア王制が最も恐れるものこそ、内なる敵であるサウジアランビア原理主義のテロだ。
イランはそのようなサウジアラビア王制の矛盾を見事についたのだ。
中東のテロは、自らのテロを抑えきれないサウジアラビア王制の矛盾だと言わんばかりだ。
これではサウジアラビアとイランの関係改善は望めない。
サウジアラビアとカタールの国交断交も容易に修復なされない中で、祭事アラビアとイランの関係が悪化したままに放置される。
中東が分断していてはIS掃討作戦もうまくいくはずがない。
そしてもはや米国では中東の安定化を実現することは無理だ。
トランプではなおさら無理だ。
かくして中東はますます不安定化していく。
そして、中東が分裂、不安定化している限り、イスラエルの安全は保障される。
中東で起きるあらゆる紛争は、すべてイスラエルが後ろで糸を引いていると思った方がいい。
これは、レバノン人が口癖のように私に語っていた言葉だ。
その時は聞き流していた言葉だが、今私の中によみがえってくる(了)
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