http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/501.html
Tweet |
ロシアとの「癒着」疑惑でいよいよ高まるトランプ・リスク はがれ落ち始めた期待
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51812
2017.05.22 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス
今、世界の金融市場で、米国のトランプ大統領の政権運営が行き詰るとの懸念が高まっている。
その背景として、トランプ大統領がロシアの外相に軍事的な機密情報を伝えたと報じられたことなどがある。
大統領選挙の最中から、トランプ氏とロシアの癒着を指摘する専門家は多かった。この問題の捜査も進んでいる。トランプ政権への批判が高まり、経済対策の実行も遅れるとの見方が広まるのは当然だろう。
5月17日、ニューヨークの金融市場では、トランプ大統領が弾劾される懸念が広まり、米国の株価は急落し、ドル/円も110円50銭台まで下落した。
そうした動きは、トランプリスクが高まっている証拠だ。今後、米国の実体経済の動向を見極めることが一段と重要になる。
トランプ政権、ここが正念場
金融市場で多くの投資家が、米国のトランプ大統領とロシアとの癒着に懸念を募らせている。
特に、ロシア外相との会談の中でトランプ氏がイスラエルから入手した機密情報を独断で伝えたと報じられていることは見逃せない。それが事実なら、米国への信頼は低下し、主要先進国との連携にも軋みが生じる恐れがある。
ロシアとの癒着疑惑を受け、トランプ氏を大統領に選んだことを後悔する有権者も増えているようだ。世論調査を見ると、大統領の支持率が40%を下回るものが増えている。
トランプ政権がどうなるか、今後の展開には不透明な部分が多い。一部ではトランプ大統領が弾劾されるとの観測も出始めている。
ただ、弾劾訴追権は下院が持つ。訴追案の成立には下院議員の過半数の支持が必要だ。下院435議席のうち、共和党は240議席を確保している(1月時点)。この事実を踏まえると、すぐに下院が弾劾訴追案を支持する展開は考えづらい。
今後の具体的な展開は見通しづらいが、イメージとしては螺旋階段を下るように、トランプ大統領の政権運営は苦しくなるだろう。
共和党の支持州といわれるモンタナ州とジョージア州では下院の補欠選挙が実施される。そこで共和党が議席を失うなら、今以上にトランプ大統領への逆風は強まるだろう。
政権を維持できるか否か、トランプ大統領がかなり厳しい状況にあることは確かだ。
米国経済の伸び悩みをどうするか
トランプ大統領の実力に対する不安は、今に始まったことではない。当選直後から、様々な懸念が示されてきた。
金融市場の参加者は、そうした不安材料に神経をとがらせるよりも、税制改革やインフラ投資の進行を過度に期待して米国の株式を買い持ちしてきた。この点で、米国の株価、ドル、金利は経済の実力以上に期待で押し上げられた部分がある。
17日の米株価下落などは、この期待が剥落しかかったことを示している。言い換えれば、期待で持ち上げられた部分が落ちて、経済の実力に見合った株価などの水準が模索されようとしている。
ここで注目すべきは、今後、米国経済の回復が進むのか、それとも頭打ちを迎えるかだ。
経済指標などを見ると、徐々に、米国経済の伸び悩みは顕在化しやすくなっていると考えられる。
経済の伸び悩みを示唆する代表的なものが米国の消費動向だ。自動車の販売台数の伸びは鈍化している。小売売上高、住宅の建設許可、着工件数もこれまでに比べると弱さが出始めた。
この状況の中、フォードは人員削減に踏み切った。トヨタ自動車も今後の販売台数の伸びを慎重にみている。景気先行きへの警戒感は徐々に高まっているといえる。
今すぐではないにせよ、米国の景気回復のペースが徐々に鈍化する可能性は高まりつつある。言い換えれば、景気回復が続いている間に、米国社会が政治の安定を実現できるか否かが重要だ。
もし、トランプ政権のスキャンダルが続出し、政治の混乱が続くとの見方が広まれば、金融市場が動揺し、ドル、米国株の下落リスクは高まるだろう。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。