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米国の有力メディアが真偽不明のロシア話を大々的に流しているが、その一方で崩れるロシア話
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705180000/
2017.05.18 03:00:05 櫻井ジャーナル
アメリカでは「ロシア」をキーワードにして2001年9月11日から続く国外での侵略戦争と国内の治安体制強化を進めようとする勢力が存在している。手口は1950年代にジョセフ・マッカーシー上院議員の「レッド・パージ」と同じ。大々的なプロパガンダで創り出した幻影で人びとを操り、自分たちが思い描く体制を作り上げようというわけだ。その幻影を作り上げる仕掛けの中心には有力メディアとハリウッドの映画界が存在している。
ネオコンなどヒラリー・クリントンを担いでいた勢力は軍事的に世界を制覇するというプランに固執、リビアやシリアをアル・カイダ系の傭兵集団で侵略、ウクライナではネオ・ナチでクーデターを実行した。さらに、脅して屈服させるというネオコンの基本戦術を脅しに屈しないロシアや中国に対しても使い、核戦争の危険性を高めてきた。ドナルド・トランプを担いだ勢力は、その狂気から離れようとしているのだろう。
しかし、ネオコンの陣営は強固だ。有力メディアは彼らのプロパガンダ手段であり、議会の大半も買収されている可能性が高い。そこで「ロシア」というタグでトランプを攻撃、それに合わせて話も作ってきた。外部に漏れた電子メールは内容に触れず、ロシアがハッキングして漏らしたと主張、トランプやマイケル・フリンはロシアとつながっている叫んでいるが、そうした主張に根拠や証拠といった類いのものはなく、信仰を求めている。
しかし、電子メールを流している人物は情報機関の内部、あるいは民主党の内部にいると言われ、ロシア政府とトランプ陣営の話に問題はないとも指摘されてきた。DNC(民主党全国委員会)に関係した電子メールの場合、2016年7月22日にWikiLeaksが公表しているが、その12日前、DNCでコンピュータを担当していたスタッフのセス・リッチが背中を2度撃たれて殺されている。事件の翌月、WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆していた。
前回も書いたように、リッチのガールフレンドによると、彼の顔、手、膝には擦り傷があるのだが、金目のものは盗まれていない。警察の発表に納得できなかったリッチの両親が雇ったは元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーによると、彼がWikiLeaksと連絡を取り合っていたことを確認、しかも警察の内部で捜査打ち切りが指示されていたとする話が出て来た。ウィーラーが接触した警察内部の人物が正しいなら、FBI内部でも殺人の真相は知られている。FOXニュースはそのFBIの情報源からリッチからWikiLeaksへDNC幹部間で遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761の添付文書が渡ったとする証言を得たとしている。
また、トランプがロシアのセルゲイ・ラブロフ外相へ伝えてはならない機密情報を伝えたという根拠不明の話をアメリカの有力メディアは流しているが、それに対してウラジミル・プーチン露大統領はふたりの会議録をアメリカ政府から要請があれば公表する用意があると記者会見で明言している。
この提案を受け入れたくないアメリカの共和党議員はプーチンの出すものは信用できないと逃げいている。信用できるかどうかをチェックしたくないということだ。ユーゴスラビアやイラクを先制攻撃する前もそうだったが、信用すべき情報はアメリカの支配層が発表するものだけだという姿勢。こうなるとカルトの信者と同じ。
かつてアメリカの好戦派はベトナムに対する本格的な軍事介入を実現するため、トンキン湾事件をでっち上げた。ベトナムからアメリカ軍を撤退させることを決めていたジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された翌年、1964年の7月30日に南ベトナムの哨戒魚雷艇が北ベトナムの島を攻撃、翌31日に米海軍の特殊部隊SEALsの隊員が率いる20名の南ベトナム兵がハイフォン近くにあるレーダー施設を襲撃したのがはじまり。ケネディ大統領暗殺の公式見解には全く説得力がなく、独自の調査で真相に迫った人たちがいる。そうした調査結果を封印するため、1964年頃から使われ始めたタグが「陰謀論」だ。
攻撃を受けた北ベトナムは8月2日、近くで情報を収集していたアメリカ海軍のマドックスを攻撃、それをアメリカ側は先制攻撃だと主張し、8月7日に議会は「東南アジアにおける行動に関する議会決議(トンキン湾決議)」を可決したのだ。そうしてベトナムへの本格的な軍事介入が始まる。1965年2月には北ベトナムに対する空爆も開始した。(Douglas Valentine, "The Phoenix Program," William Morrow, 1990)
1999年にアメリカはNATOを使ってユーゴスラビアを先制攻撃、ロボダン・ミロシェビッチの自宅や中国大使館も爆撃している。ビル・クリントン政権が戦争へ舵を切ったのはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子であるマデリーン・オルブライトが国務長官に就任した1997年から。
このユーゴスラビア攻撃はソ連消滅後の東ヨーロッパを制圧する一環だった。その制圧計画のベースは1992年2月に国防総省のDPG草案(いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリン)という形で作成された作成された計画。当時の大統領はジョージ・H・W・ブッシュだった。その前年、1991年の12月にソ連が消滅、アメリカが唯一の超大国になったという前提でそのプロジェクトはできあがっている。
その計画が一気に進むのは2001年9月11日の出来事から。この日、たニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎に対する攻撃。この攻撃の真相は明らかになっていないが、公式見解に説得力がないことは確かだ。
説得力はないのだが、有力メディアのプロパガンダに踊る人もいて、アメリカでは憲法の機能が停止、侵略戦争、治安強化、国の私有化が推進される。侵略の手始めはアフガニスタン、さらにイラクが先制攻撃で破壊され、多くの人が虐殺された。
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