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[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米大統領は9日、連邦捜査局(FBI)のコミー長官を電撃解任した。昨年の大統領選の民主党候補、クリントン元国務長官の私用メール問題への対応が理由としたが、民主党などからはロシアの米大統領選介入疑惑を巡るFBI捜査の動きを鈍らせるものだと懸念する声が上がった。
トランプ大統領は、コミー長官宛ての書簡で「FBIの新たなトップを見つけて国民の信頼と法執行遂行への自信を回復することが不可欠」と説明。
書簡によると、トランプ大統領は、コミー氏にはFBIを適切に率いることができないとしたセッションズ司法長官の助言を受け入れた。
コミー氏は2013年にオバマ前政権下で就任。任期は23年9月までとなっていた。
同氏は、クリントン元国務長官のメール問題に関する捜査で、昨年7月に不起訴の方針を表明したにもかかわらず、11月の大統領選の投票11日前に再捜査に転じたことが問題になっていた。
ホワイトハウスの当局者らは、ローゼンスタイン司法副長官がFBIの状況を見極め、コミー氏への信頼が失われていると判断したと説明。ホワイトハウスはローゼンスタイン氏がセッションズ司法長官に宛てたメモを公表した。
ローゼンスタイン氏はその中で「クリントン氏の電子メールに関する捜査結果を巡るコミー長官の対応を擁護できない。コミー氏は間違っていたというほぼ一致した見解を同氏が受け入れようとしないことも理解できない」としている。
セッションズ氏はこの見解に同意したため、司法長官への指名を受ける前にトランプ氏に助言していた。大統領は9日に助言を受け入れた。
上院情報委員会のリチャード・バー委員長は声明を出し、突然の解任について懸念を表明。「FBIと国家にとっての損失」と反発した。同委員会もロシアの大統領選介入疑惑を独自で調査している。
FBIは選挙に勝利したトランプ陣営とロシアとの関係についても調査。トランプ政権はロシアと共謀していたとの疑惑を否定している。
トランプ大統領は、クリントン氏のメール問題で訴追を見送ったコミー氏の判断を当初は批判したが、その後は同氏の対応を称賛している。
元FBI当局者のオースティン・バーグラス氏は「トランプ氏はメール問題の調査についてコミー氏を称賛しているため、それが理由ではない」と指摘。「現在行われているロシア関連捜査の重大さに気付き、解任したというのが、現時点で唯一納得できる説明だ」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/comey-idJPKBN1852O6?sp=true
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